水戸芸術館で「霧の抵抗 中谷芙二子展」を観て、どぶ汁を食べる
面白い企画展をやるんだけど、ちょっと遠いから行くのに気合いが必要な場所。私にとっては、水戸芸術館、アーツ前橋がそれだ。でも中谷芙二子の国内初の回顧展は絶対観たいよね、とノマドプロの橋本さんと話していて、よしじゃあみんなで行くかということになり、便乗させてもらった。持つべきは顔が広くて行動力があって長距離運転の出来る友人。
広場での霧の彫刻作品は、開館中、毎時00分と30分から約10分間鑑賞できる。17時からは逢坂卓郎設計のライトアップが点灯する。着くなり、霧が立ちこめている。青空に映える。
中谷さんの名が知られるようになった70年の大阪万博ペプシ館の話は興味深く、貴重な資料がたくさん見られた。学芸員の山峰さんにご挨拶。1時間半たっぷり鑑賞して、水戸芸タワーも上って、夕方のライトアップまで市内散策。
まったりしていたら暗くなったのであわてて水戸芸に戻る。間に合った。
ナイトクラブみたいな色の官能的なライトアップを堪能して、お待ちかね、めしにしましょう。ふふ・・冬場に寒い水戸に足を運ぶモチベーション、それは「どぶ汁」!橋本さんチョイスで店は「かぶと寿司」。常磐線の沿いの通りにぽつんと建っており、地元の人でないと行けないかも。食べログなどでもほとんど紹介されていないが、創業40年を超える知る人ぞ知る老舗のお寿司屋さん。
どぶ汁を待つ間、大将一押しの「ブリのかぶら漬け」をいただく。濃厚なブリの脂をかぶらが包み込み、まったりとした甘さが口いっぱいに広がる。これはもう日本酒案件です!橋本さんごめん!
あんこう鍋って、漁師が船の上で食べられるように加水せず、あんこうの身も肝もまるまる使った料理なんだよ・・と蘊蓄を語る暇さえ惜しい。「濃厚」という形容はどぶ汁にこそふさわしい。まったりコクがある肝が贅沢に入っていて、ああ至福・・これだから冬の水戸は最高・・ほんの少しの魚臭さは隠し味に入っている柚子の香りで上品な深みに変わる。日本酒が進んじゃうね!(写真を見てわかる通り、アルコールを飲んでいるのは私だけです)
来年もまた冬場に水戸芸に来てどぶ汁を食べよう、そう堅く誓ったのでした。