盛り場放浪記

花街を歩くことが楽しみな会社員による、酒とアートをめぐる冒険奇譚。

「喜多屋 浅草別宅」で九州の食と酒を堪能する

平日のまだ明るいうち、業務をそそくさと終えて浅草へ。ロック座?いえいえ今日は違います。棚ぼた夕食会です。先日、麻布十番「可不可」でご一緒した臺さんからお声がかかったのです。セッティングされていた夕食会に急遽欠席者が出たので、穴埋め要員としてお座敷がかかったというわけ。おいしいごはんとお酒が待っているなら、こういう役回りはいつでも大歓迎である。それに舞台が「喜多屋 浅草別宅」と来たら、万障繰り合わせて向かうしかない。

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ROXから国際通り渡ってすぐ。ちょっと良い飲食店が多いエリア。

今宵のメンバーとはじめましてを済まし、早速ドリンクをオーダー。キリンさんに囲まれるという人生初めての飲み会、1杯目はハートランドビール。当然である。

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麒麟の図柄の有田焼は特注らしい。ハイボールは白いグラス。セットで欲しい。

「喜多屋」は福岡県八女市の酒蔵で、世界最高峰の競技会「IWC2013」では世界一の称号「チャンピオン・サケ」を受賞した、九州きっての蔵元。浅草別邸では「喜多屋」のラインナップを味わえるうえ、日本酒に合う九州のうまかもんが旬をおさえて立ち並ぶ。キンキンに冷えたビールと、食前酒のトマトジュース日本酒割をグイっと飲み干し、日本酒にいきましょう。

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利き酒セットは3種1,000円。4勺くらいあってお得感がある。右のグラスはオーナーに振る舞っていただいた「はらさわ」。

純米大吟醸 生酒吟のさと」をひとくち。軽やかな味と華やかながらも穏やかな香り、そして生酒特有のフレッシュ感。飲みやすく、食中酒にちょうどいい。ここで白海老の塩辛をチョンと。4月に入り、白海老漁も解禁よのう。まったりとした甘みが日本酒に最高にマッチ。「特別純米酒 喜多屋夢一献」は、福岡県オリジナルの酒米「夢一献」でできている。深いコクと豊かな味わいが特徴で、キュっと冷やして刺身に合わせるも、燗にして煮魚に合わせるもよさそう。

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いいタイミングでお刺身の盛り合わせ。糸島のお魚、ピチピチでおいしいなぁ。

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筍のお刺身。これ生じゃなくてちょっと蒸してるよね!?抹茶塩もいいけれど柚子胡椒が抜群に合う!とワァワァ。うまかもんがみんなの心をひとつにした。

柚子胡椒、すりたてなフレッシュさ。どんな料理にも合うので、お土産にほしいんですけど。お料理もお酒もおいしくって、でもお値段は高すぎない(むしろこの品質なら安いくらい)し、きれいな個室もたくさんあって、店員さんのサービスも気が利いていて(浅草にいるとは信じられないくらい愛想がよい)、ビジネスの集まりでこういうお店は重宝されるだろうなぁと。というか品川にほしいわ・・。

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宴が盛り上がる中、キリンさん自信作の国産白ワイン。聞くも涙語るも涙の製作秘話を伺った。それとは関係なくとってもおいしい。日本のワインも世界レベルだなぁ。

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生牡蠣♡シャブリでなくても「きいろ香」が合う。柑橘っぽいスッキリさがいい。

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利き酒セットは「い」「ろ」「は」の3パターン。最初に「い」、次に「は」を。「ろ」も一口ずつもらったのでコンプリートした。

あぁ至福・・でもこの店の本領発揮はここからだった。矢継ぎ早のうまかもんで防御がゆるんだところで最大のボスが訪れた。

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大吟醸水炊き。大吟醸水炊き!?

たっぷりの肉や魚や野菜の出汁に、喜多屋の大吟醸酒酒粕をふんだんに練り込み、にんにくもたっぷり入れた極上スープ。ぐらぐらと沸かして、刺しでもいける鶏肉をしゃぶしゃぶ・・ポン酢も何もつけず、そのまま極上スープといただく。これがまた!私がこれまで外食してきた/こさえてきた水炊きは何だったのか。これは間違いなく人生でいちばんうまい水炊きだ。いますぐこの鍋と鶏肉と野菜類を持って逃げて独り占めしたい、そんな想いに駆られたが、大人なのでみんなで食べる。鶏肉の後は野菜や鶏つくねも入れていただきます。興奮のあまり写真撮ってないくらいうまかった。

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ラストのお酒。竹筒に入った風流なヤツ。「大吟醸 極醸」ですって。

そしてシメ。お雑炊にしますか、おうどんにしますか、と尋ねる店員さんに「両方!」と答える臺さんは今日イチのイケメンだ。両方食べたい乙女心は満たされた。うどんは細麺の五島うどん。スープの最後の一滴まで飲み干した。

「最初のお通しからもう一回全部食べたいな」食後にもそう思わせるブラボーな店でした。東京にいながら九州にいる気分になるので、九州LOVERとしては通わざるをえない。ご近所さんだし、絶対再訪します。ごちそうさまでした!

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店内はシックにきまってる。個室は地下だけど、1人2人で地上階のカウンターに居座るのも楽しそう。