新緑の季節、三溪園に行く
去年、加藤種男先生の『芸術文化の投資効果 メセナと創造経済』を読んで以来、暖かくなったら三溪園に行こうと決めていた。
芸術文化の投資効果 メセナと創造経済 (文化とまちづくり叢書)
- 作者: 加藤種男
- 出版社/メーカー: 水曜社
- 発売日: 2018/09/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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で、お天気のよさそうな日を選び、連休中に行きました。お天気がよいので、前日泊まっていた寿町から歩いて行きました。だいたい40分くらい。本牧のあたりは久しぶりだったのでお散歩も楽しい。
むかし磯子の方に住んでいたので、三溪園にはよく連れて行かれたらしい。ほとんど覚えていないけれど。初めて行く心持ちで、いざ。
実業家として成功を収め、芸術を愛した原三溪がつくりあげた理想郷、三溪園。面積はなんと175,000㎡。広大な敷地のなかには、京都や鎌倉など歴史的建造物も数多く移築しており、横浜版たてもの園としても楽しめる。いち個人がこれだけの規模の庭園を作り上げたことは驚きに値する。戦後、三溪園は横浜市に寄贈され、維持管理も横浜市がしている。(もっとも、維持管理すべき項目が多すぎるので、庭や道の整備なんかは下請けの下請けに出され、最終的に寿町のおじちゃんたちの日雇い仕事になっていたりする、と寿町の飲み屋で聞いた。)
マップを見ながらうろうろ歩き、2時間半ほどで見学可能施設をコンプリート。きらきらきらめく新緑のなか、一生懸命配置を練られた庭園の道を散策し、命の芽吹きを感じさせる春の植物や、大切に使われ続ける古建築を見た。連休中と言えども混雑でごった返すことはなく(そりゃそうだ、こんなに広いんだし)、むしろヒト気の無い空間のほうが多い。結婚式の前撮りする花嫁・花婿さんとすれ違ったり、和服を着た外国の方が楽しそうに写真を撮っていたり、赤ちゃんを連れたファミリーがベビーカーを押していたり、原さんが生きていたら見せてあげたい、幸せな光景が多かった。時代が変わっても愛されていて、いいなぁ。大事なひとと来たい場所だ。いつかまた来られますようにと三溪園天満宮にお願いしたので、きっとまた行きます。
横浜美術館の次回の企画展が原三渓コレクションなので、原さんにはすぐ会えそうです。またねー。