盛り場放浪記

花街を歩くことが楽しみな会社員による、酒とアートをめぐる冒険奇譚。

年末年始だらだら日記①

今日読んだ2冊は、石神賢介さん「57歳で婚活したらすごかった」、xiangyu(シャンユー)さん「ときどき寿」。

どちらも面白かった。

「57歳で婚活したらすごかった」は、40代の時に「婚活したらすごかった」を書いた、フリーライターの続編。

やっぱり結婚したい!57歳で強くそう思った著者は、婚活アプリ、結婚相談所、婚活パーティーを駆使した怒濤の婚活ライフに突入した。その目の前に現れたのは個性豊かな女性たちだった。「クソ老人」と罵倒してくる女性、セクシーな写真を次々送りつける女性、衝撃的な量の食事を奢らせる女性等々。

さすが何十年もフリーライターとして様々な業界の魑魅魍魎と渡り合ってきた石神さん。クールに、しかし赤裸々に、そしてリアルかつコミカルに中高年の婚活を徹底レポートしている。数ページごとに笑いとオチを挟みつつ、結婚とは何なのかを考えさせられた。切実な人のための超実用的「婚活次の一歩」攻略マニュアル付なので、これから婚活する人は必携でしょう。

この本の原稿料と印税で、もうちょっと婚活ライフを延長して成婚にこぎつけてほしい。結婚相談所の入会金、マッチングアプリの会費、女性たちへの食事代、諸々の勉強代は経費として落とせたかが気になります。

 

「ときどき寿」は、横浜のドヤ街・寿町に住む「ヤマさん」との6年に及ぶ友好の記録。寿町については色んな方が文章を書いているし、私もたまに飲みに行くし、もはやかつてのキケンなディープスポットではなくなりつつあるのだけれど、このルポも現在のありのままの寿の姿を、等身大の言葉で記していました。

作中にあった、関内からみなとみらいに向かう途中にある「エッチな映画館」と、関内駅近くの「激安カラオケ店」がどこかを突き止めたい。「エッチな映画館」ですぐに思いつくのは「光音座」だけど、確かに18禁のポルノ&ゲイポルノを毎日かけているけど、みなとみらい方面とは真逆だしなぁ。

 

年末年始のBGMはこちら、「椎名林檎 TBK MASHUP MIX 2022」。

何度も聴き込んだ曲たちなのに新曲を聴いたようなフレッシュな感動がある。東京事変バージョンと、宇多田ヒカルバージョンも素晴らしい。

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椎名林檎リミックスアルバム「百薬の長」も、こんな解釈があったのか!と目が覚める名盤です。これまでファンがアンオフィシャルに勝手にリミックスしていたのを、ご本人が面白がってオフィシャルで作ったのではないかと妄想している。

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あと、アマプラでドラマ「僕の姉ちゃん」の1話を観たけれどピンと来なかった。友人たちがハマっているそうなのでそれならば…と思ったが。

アラサーOLのお姉ちゃんが、新米サラリーマンの弟を相手に、毎夜食卓で繰り広げる恋と人生についての毒舌&ぶっちゃけトークがウリのようだ。

 

弟「女の子のふと見せる素の部分とかいいんだよね」

姉「女に無意識などない!」

いや、人それぞれだろ!主語でかいな!

 

姉「その子、うちの部署のイケメン狙ってんだけど、その手口が癇かんに障さわるのよ。『きのう、アイロンかけながら観てたテレビが面白くて』とか、『いつも寄るお花屋さんの前で友達とばったり会って』とか言うの。『アイロンかけながら』とか、『いつも寄る花屋』とか、家庭的キーワードをいちいちい入れ込んでくるのが、癇に障るのよ」

心狭いな!単純にその子のことが嫌いなだけでは?

と、あまり共感できず。

 

第18代M-1王者「ウエストランド」の「悪口漫才」のように、悪口ドラマなのかな?(1話しか観ていないので、2話以降全然違うのかもしれませんが)

ウエストランドの悪口漫才はこんな感じ。人気YouTuberに対して、一部の方が薄っすら感じていた「いけすかなさ」(=嫉妬?)を代弁してバズった模様。

やっぱりウザい。結局ウザい。さすがにウザい! 再生数に取り憑かれておかしくなっている! 若くして大金を得ているからまともではない。それが明るみに出始めている!警察に捕まり始めている!

 

同じような「女子の生態」を赤裸々に明かす系の作品でも、瀧波ユカリ「臨死!江古田ちゃん」や、峰なゆかアラサーちゃん」は好きなのに「僕の姉ちゃん」に首を傾げてしまうのは、原作の益田ミリがあまり得意でないからかもしれない。

という、これも悪口日記になってしまうという無限ループに陥るのであった。もー、みんな、悪口はそのくらいにして、子どもの頃好きだった駄菓子の話しよ!私はね、都こんぶ!