そんなわけで、久々の海外ひとりっぷで韓国に行きました。
目的は2つ。
①行ったことのない韓国の都市に行く
②釜山ビエンナーレ2022に行く
今回は、スライドした夏期休暇をフルに使い7泊8日の1週間の滞在です。
行先と行程をどうするか。韓国自体は2019年に行ったソウルがラスト訪問だったので、多少の地理感はありつつもコロナ禍を挟み激変しているだろうから、2~3日くらいは過ごしたい。折角期間中なので釜山ビエンナーレもしっかり楽しむため2日必要。2都市なら余裕じゃん!ノープランでブラブラしてもいいなと思っていたところ、友人が済州島の現地の方を紹介してくれるというので流れで済州島にも行くことに。済州島ってどうやってアクセスするの?船?
で、いろいろ調べた結果、下記のようなスケジュールで動くことにしました。
【スケジュール】
1日目:成田空港→仁川空港 ソウル泊@東横イン ソウル東大門 No.2
2日目:金浦空港→済州空港 済州島泊@アンバー ホテル チェジュ
3日目:済州島泊@アンバー ホテル チェジュ
4日目:済州空港→釜山空港 釜山泊@プサン ビューホテル
5日目:釜山→ソウル(KTX) ソウル泊@東横イン ソウル東大門 No.2
6日目:ソウル泊@東横イン ソウル東大門 No.2
7日目:ソウル泊@東横イン ソウル東大門 No.2
8日目:仁川空港→成田空港
移動ばっかやな。でも仕方ない。現地での会食もあったので、最も効率のイイ行程を考えてこうなりました。次行く時は済州島のリゾートホテルにも泊まってみたい。
なお、2泊目と5日目の間、スーツケースは東大門駅のコインロッカーに預けて、前記事で紹介したカリマーのポケッタブルリュックに切り替えて軽量化を図りました。旅中の移動にスーツケースがあるだけで駆動力ガクっと落ちますからね。6、7日目は平日だったので、日中に万が一仕事が入っても対応できるように身構えましたが大丈夫でした。
では、ここからは写真とともに旅のレポートを開始します。
知らずに入りましたが、ここはレディースファッション専門卸売りショッピングビル「apM PLACE」。営業時間はなんと20:00~翌5:00。主なターゲットはバイヤーですが、1着ずつの小売に対応してくれるお店もあります。支払いは現金のみです。
www.konest.com
www.konest.com
www2.jhc.jp
たっぷり食べ終えて21時半くらい。寝るにはまだ早いのでもうちょっと飲みたいですね。ちょっと誰かと喋りたい気分なのでバーに行きたいな。安全で、地元の人が行くような気軽さもあって、でも美味しいカクテルなんか作ってくれて、小粋な音楽が流れていて…という理想を思い浮かべつつGoogle Mapで「Bar」を検索。徒歩圏内の店をいくつかチェックし、内装写真と口コミから絞り、気になった店の1軒へ。
素敵な音楽と美味しいお酒を味わいながら済州島の夜を堪能していると、男性オーナーが英語で話しかけてくれました。
「観光?」――うん、そう。
「流したい曲のリクエストある?書いてくれればかけるよ」
オーナーは紙を見てニヤリと笑い、サムズアップしてくれた。お、通じてよかった。
ほどなくしてノラ・ジョーンズがかかり、その後「ルージュの伝言」が流れた。カウンターに座っていたカップルが「!」と反応し、オーナーと会話をした。オーナーは私の書いた紙を2人に渡し、何か言っている。
推測だが、「(女性)これ、何の曲だっけ?」「(男性)日本のアニメじゃない?」「(オーナー)これは、あのお客さんがリクエストしたんだよ」といったところか。
カウンターの端に座る女性が私に声をかけた。韓国語だから分からない。私は「ごめんね、韓国語喋れないの」と英語で返した。意外なことに女性は英語が堪能だったので、笑顔になって英語で話してくれた。
「あなた日本人?私この曲好き!」
異国でコミュニケーションが取れることがこんなに嬉しいとは。こういう経験をするたびに、多少なりとも英語を話せて本当に良かったと思う。そして、ここのお店に足を運んだ幸運にも感謝した。
「日本人です。私もこの曲やこのアニメが好き。あそこにDVDが置いてあったから聞きたくなったの」
「なるほど!でもあなた、ハングル書いてるじゃない」
「ううん、スマホで翻訳して書いたの。だから合ってるか分からない」
「えぇ!それじゃ『書いた』じゃなくて『描いた』だね(笑)一緒に飲んでいい?」
と、カップルは隣の席にやって来て「済州島にようこそ!」と乾杯してくれた。常連客らしい。「もうすぐ、日本語が少しできるおじさんが来るヨ」とも言ってくれた。
ほんとに数分で男性客が来店した。メガネと豊かなヒゲが特徴的で、腕中にタトゥーの入ったおじさんだった。しかも日本語ができるという。ただものではなさそうだ。
おじさんは長渕剛のファンだったので「乾杯」で一緒に合唱した。尾崎豊も勧めたら気に行ってくれた。オーナーにはバーでかけやすいキリンジ、サチモスあたりを。音楽談義で夜は耽る。
「いつまで済州島にいるの?」
「明後日まで。次は釜山に行くんだ」
「えぇ!短いよ。明日も一緒に呑もう。Kakaoやってる?あとでこの辺のオススメ朝ごはん教えとくね。日中は何するの?オルムに登った方がいいよ。釜山のオススメのお店も入れておくね」
酒呑み同士は話が早い。Kakaoを交換した。
翌朝。済州島を観光できる最後の日。「もう済州島に1週間くらい居て、あのバーで沈殿したい」と悪魔がささやく。
市場を満喫し、バスで街中に戻った。韓国はどこ行っても公共交通機関が充実しているので、1人ならタクシーでなくバスと地下鉄でどこでも移動できましたよ。
大いに飲んだ。瓶ビール2本、ジントニック1杯、ヘネシー1本、ワンカップ韓国酒何本か、何かしらのスピリッツをショットで、シメにサービスの日本酒。実は、帰り道の記憶は若干あいまい。翌朝目覚めたらちゃんとホテルのベッドの上(もちろんひとり!)でスッピンだったので、帰巣本能に感動しました。バーからホテルは歩いてすぐの距離でよかった。
海外で飲むときはなるべく飲みすぎないように心がけているんですが、今回は楽しすぎてストッパー外していたようです。まさか海外旅行中に深酒してしまうとは、ワタクシもまだまだ修行が足りません。気をつけます…。
おっと、目覚まし通り起きたとは言え、釜山国際空港へのフライト時間が迫っているぞ。慌てて荷を作って、適当に顔を作って、部屋を出た。いまだアルコール分解の途中のようで、「まだ二日酔いが来ていない」状態のうちに移動してしまおう。この分だと昼頃にキツくなりそう。
釜山に着いた頃、二日酔いが遅れてやってきた。そして、Kakaoに新着メッセージもきた。昨日一緒に呑んだ1人、彼女からだ。昨夜つぶれてたけど大丈夫かな。彼女とのタイムラインに何本か動画が残されており、みんなで歌って踊ったようだがまだ怖くて見れない。
「ふつかよいでしにそう」という悲痛な叫びとともに、釜山のオススメ飲食店情報がいくつか届いた。忘れずに送ってくれたのだ。現地の人のリアルな情報ほど役に立つものはない。空港から釜山駅に向かう車内で、すべての店をGoogle Mapに登録した。
コメントで「貝のスープは二日酔いに最高よ」とあった。ホテルの目の前に屋台街があり、その中のひとつがすでに営業していたので入って注文した。
酒呑みの舌と胃腸は世界共通。その連帯もまた不変である。わずか2泊3日の済州島の滞在は、この数年で最も素晴らしい体験と出会いのひとつとなった。後ろ髪を引かれつつ、これまた初めての地・釜山に降り立った。