盛り場放浪記

花街を歩くことが楽しみな会社員による、酒とアートをめぐる冒険奇譚。

2020年買ってよかったベストヒット商品を紹介します

色々あった2020年も、なんとか本日が最終日。本当に色々あった。皆さんお疲れ様でした。例年よりおうち時間が多めの1年間になりましたが、それでも色々な発見や出会いがありました。そんなわけで1年の総決算がてら、行って・見て・聞いて・買ってよかったものランキングを勝手に発表します。

※一部、商品のリンクを貼っていますがアフィリエイトはやってないよ。

 

ミュージアム

【2020年、記憶に残った企画展ランキング】

1位 東京都美術館「The UKIYO-E 2020 ─ 日本三大浮世絵コレクション」

質・量ともにこの展示を超える浮世絵展は、今後10年は開催できないのではないか。前期・後期で作品完全入れ替えをしていて驚いた。展示を観るのに3時間かかるので体力必須だった。

www.tobikan.jp

2位 神奈川県立歴史博物館「明治錦絵×大正新版画-世界が愛した近代の木版画-」

最終日にすべり込みセーフして良かった。あまり知られていない新版画に光を当てた意欲的な展示。コロナで一旦は中止となったものの再開、関係者の尽力により復活を遂げた。ケバケバしいくらいの極彩色が目に焼き付いて離れない。

ch.kanagawa-museum.jp

3位 千葉市美術館「帰ってきた!どうぶつ大行進」

天真爛漫な展示タイトルとはうらはらに、ズシンと重厚感ある3時間コースだった。地域の博物館にとって、その館ならではのコレクションを持ち、育てていくことの重要性を改めて実感できた。海外の有名ミュージアムから作品を貸借できない時代において、コレクションを活用した展示に力を入れることが今後も求められるのだろうな。

www.ccma-net.jp

【次点】

東京国立博物館「きもの KIMONO」

国立歴史民俗博物館「性差(ジェンダー)の日本史」

府中市美術館「ふつうの系譜」

太田記念美術館月岡芳年 血と妖艶」

広島市現代美術館「式場隆三郎:脳室反射鏡」

【番外編】

埼玉古墳群 抽象景色

埼玉古墳群 抽象景色 | 古墳を活かす、古墳でつながる!文化財活用プロジェクト | 埼玉県

 【所感】

4~5月の一斉休館、展示の中止・延期・打ち切りをはじめ、予約制の導入が影響して、例年より足を運ぶ機会が減りましたが、行きたい展示は割と網羅できました。

2020年はオリンピックイヤーだったため、おそらく訪日外国人に日本文化を紹介すべく、質の高い浮世絵の企画展が多かった印象です。本来ならば超満員になっていただろう目玉の企画展でも、ソーシャル・ディスタンシングのために展示室内の人数を制限していたので、思いがけず贅沢な鑑賞時間を得られたことは不幸中の幸いだった。もう二度と出来ないであろう企画展ばかりだったので、たくさんのミュージアムにすぐに行ける地域に住んでいて良かったと心から思いました。2021年も観るぞッ!

 

■ライブ

【2020年、行けてよかった公演ランキング】

1位 Perfume「8th Tour 2020 “P Cubed” in Dome」(東京ドーム、2月25日)

ファンクラブに加入している友人にチケットを取ってもらい、2月25日に行きました。翌日の26日の公演はコロナで中止してしまったので、まさかの一夜限りの東京ドームコンサートに・・。そういう意味でも思い出深い公演です。それはなくとも内容は最高で、企画・運営をしてくれた中田ヤスタカ神、Perfumeちゃんたち、ライゾマ(彼らはPerfumeの演出をしている時が一番イキイキしている)、ツアースタッフたちに感謝の意を示したいです。目玉が飛び出るような最先端の演出を間近で観られてとても感動した。

www.perfume-web.jp

2位 クレイジーケンバンド「NOW at 日本武道館」(日本武道館、10月30日)

こちらも、ファンクラブに加入している友人がチケットを取ってくれた。いわゆる「神席」で、アリーナのドセンター、前から4列目で堪能できました。マスク着用、定期的な換気あり、座席は間引き(前後左右を空けた市松座席)という厳しい体制ながら、武道館という場の力、音楽の力を体感できた公演でした。CKBにとっては15年ぶりの武道館という記念すべきライブでした。

www.crazykenband.com

【番外編】

NUMBER GIRL「THE MATSURI SESSION」(日比谷野外大音楽堂、5月4日)

そもそもチケットが当たらず行けなかった公演ですが、残念ながらコロナで中止してしまいました。2021年はもっとナンバガに触れられる年になるといいなぁ。ま、17年ぶりに復活してくれただけでありがたいので、解散・活動停止しなければ何でもいいです・・。欲を言えば活動再開公演のDVDを販売してほしい。ファンに課金する機会を与えてくれ。

 

■音楽

【2020年、たくさん聴いた曲ランキング】

1位 BTS「Dynamite」

www.youtube.com

【所感】

とにかくK-POPのエネルギーに圧倒された一年でした。「冬のソナタ」など、かつての韓流ブームは冷ややかに見ていたクチですが、今の韓国文化は世界を相手に戦っていてつい注目してしまいます。初めてちゃんと聴いたK-POPBTSの「Dynamite」。通っている英会話教室の先生(同年代のフィリピン人)に4月頃に教えてもらいました。コロナが流行り初めた「沈黙の春」真っ最中だったので、「明るくて、歌詞がハッピーで元気が出るよ」という推薦に惹かれました。レトロなディスコ調のサウンドを上手く現代アレンジしたアップテンポの曲は確かに耳当たりが良かった。顔のきれいな男性たちがキレッキレのダンスを踊るYOUTUBEをつい何度もリピートしてしまい、ハマりました。間違いなく今年一番聴いた曲です。

その後、BLACKPINK、MOMOLAND、MAMAMOOなど、女性グループの曲も好きになり、今ではジョギングのBGMに欠かせない存在に。PVで韓国の街並みが出てくると旅行に出たくなる。また韓国に行く日が楽しみです。

 

■映画

【2020年、衝撃を受けた新作映画ランキング】

1位 「パラサイト 半地下の家族」(ポン・ジュノ監督)

韓国映画は年々レベルが上がっていて、とっくのとうに日本映画を追い越してしまった感がありますが、ついにハリウッドと対等に戦えるようになったと確信した一本。脚本、美術が悔しいくらい良くできている。韓国版・黒澤明「天国と地獄」として現代韓国社会の光と闇を描いた力作。

2位 「ジョジョ・ラビット」(タイカ・ワイティティ監督)

2020年はナチス収容所の解放から75年経ったこともあり、ヒトラーナチス関連の映画や話題を多く目にする年だった。中でも、この作品は現代的な解釈、演出を加えていて印象深い。「戦争を知らない子どもたち」にこそ見せたい映画です。

3位 「ミッドサマー」(アリ・アスター監督)

怪作「ヘレディタリー/継承」の監督の最新作。全力でスウェーデンネガティブキャンペーンをしている映画に仕上がりました。内容よりも、この映画を思いついて撮ろうと思った監督の方が怖い!前作もそうですが、「異教(キリスト教圏の外側にあるもの)への恐怖」は、アジア圏の文化で育った我々には理解しえない部分があり、興味深いです。

2020年注目作とされた、広島第一劇場でロケを行った「彼女は夢で踊る」はランク外ですが、ストリップ劇場をテーマにした意欲作でした。こうして映像に残ることで後世に伝わるものもあると思います。

【2020年、名画座で観た名作】

森繁久彌淡島千景の名コンビの「珍品堂主人」「本日休診」が印象深い。折に触れて淡島千景をスクリーンで観る度に、その清らかな美しさ、洗い立ての石鹸の香りがするようなうなじ、可憐な声にうっとりと見惚れた。

若尾文子映画祭では「刺青」「卍」「女は二度生まれる」「雁の寺」などを観た。映画祭の特別映像で、撮影当時を振り返ったご本人の肉声が流れたりして、時を経ても衰えない美声と淑女らしい言葉遣いにハッとした。「からっ風野郎」で共演した三島由紀夫との思い出として、彼からの誘いで千葉のレストランにデートに行ったこと、食後に行ったダンスホールでは踊りを申し込まれたが驚くほど下手だったことなど、様々なエピソードが暴露されていて笑ってしまった。

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若尾文子映画祭で素敵だったパネル。「刺青」は4K上映で発色が良かった!

コロナ禍で新作上映が延期・中止されたこともあり、シネコンに行く機会は減ったものの、1人もしくは2人で名画座に行く頻度はあまり変わらなかった。厳しい現実に直面しているからこそ、映画を観るための環境に身を置いて、約2時間集中して物語に没入することで得られる歓びは贅沢で、格別だった。「暗闇に身を沈める快楽」と教えてくれたのはオジキだった。特に、映画美術に注目したい私としては、白黒映画は大きいスクリーンでないと見逃してしまう情報が多いので、名画座にはこれからも通い続けるだろう。

 

■本

実は年末の引っ越しにあたり、200冊以上の蔵書を神保町へと旅立たせた。アート、昭和、街歩き、文庫などの書籍のうち、一般的に流通しているものは売却した。査定に来てくれた某古書店のオーナーは「久々に面白いラインナップに出会えた」と興奮してくれたのでちょっと嬉しい。

新居の近くには公立図書館があるので、2021年は本を読むペースをもっと上げていきたい。とりあえず2020年に面白かった本の一部を紹介。

1位 戸田山和久「教養の書」

教養ってなんとなく大事だと思われているけど、その正体をきちんと説明してくれる人はほとんどいない。だったらここらで、教養って何か、なぜ大切なのかを明らかにしてみようじゃないの。その上で、どう身につければいいか伝授しようじゃない! ……といった前のめりの勢いで、読者を啓蒙しまくるのが本書だ。ユーモラスでくだけた表現が多く分かりやすいため中高生にも勧められるし、哲学書なんて読んだことのない社会人にもオススメ。

教養の書

教養の書

 

小説ならば、ミン・ジン・リー『パチンコ』がタフで面白かった。図録だけど『性差(ジェンダー)の日本史』は読み物としても白眉。

 

■生活

【2020年、買ってよかったものランキング】

ステイホーム、病気療養、在宅勤務、引っ越しなどの生活習慣の変化に合わせて、色々なものを買ったり使ったりした。

1位 Fitbit

段トツでこれ。フィットビットと読みます。Fitbitは、歩数、消費カロリー、睡眠状況などを計測できる活動量計。以前に使っていたアナログ時計の電池が切れたこともあり、何かと話題のスマートウォッチを試したくなって3月頃に購入して以来、肌身離さず使用しています。最初はapple watchにしようと思いましたが、シンプルな機能で十分だったのでこちらに。使っているのは「Inspire」という細身の機種です。新品をメルカリで5000円くらいで買いました。

ちょうどコロナでステイホームすることになり、運動習慣をキープしながら体調管理するモチベーション向上に役立っています。日々の状況をアプリで記録できるので手軽でオススメ。毎日1万歩のウォーク&週3回の10kmジョギング習慣をキープできているのはFitbitのおかげです。

www.fitbit.com

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春の緊急事態宣言下、人のいない早朝などを狙って歩き続けた。御徒町から半径5~10km圏内は庭となった。

2位 ダブルベッド、マットレス

正確には「同居人に買ってもらった」ですが。引っ越しにあたり、心地良い寝室づくりを目指して寝具を一新しました。今まで使っていたシングルベッドフレーム、マットレスは大学1年生の時にひとり暮らしをするためにニトリで買ったものなので、かれこれ10年以上使っていたことになる。

新生活を象徴するものでもあるので、これからの10年をともにするベッドは張り込みました。ショールームに数件行き、シモンズやフランスベッドマニフレックスなど様々なメーカーのマットレスを試した結果、寝心地とコストパフォーマンスのバランスが取れていると思い、サータというメーカーの、ホテル仕様のマットレスにしました。

結論は、最高です!私は寝付きの悪いタイプなんですが、マットレスを替えてから快眠できています。上述のFitbitは睡眠状況を管理でき、どのくらい深い睡眠が取れているかを毎夜図り、「睡眠スコア」という数値化をしてくれるのですが、これまで70点前後だったスコアが80点台をキープできるようになったのです。日中の疲れ方が変わったので、日々の1/3もの時間を身を委ねるベッドはこだわった方がいいと実感。ちなみに、毛布は、冬期はニトリのNウォームを導入しました。ぬくぬくあたたかくて猫たちからの評判が良いです。

www.serta-japan.jp

3位 ULTORAのBCAA

BCAAってのは必須アミノ酸で、運動時に筋肉のエネルギー源となってスタミナ・集中力を助けるサプリメントです。なんじゃそりゃって感じだと思いますが、私は「魔法の白い粉」と呼んでいます。水に溶かして運動前&運動中に飲むと、いつもの1.5倍(当社比)パフォーマンスが上がります。しかも翌日に疲れを持ち越さず、なおかつ副作用や依存性は(おそらく)ない!

色々なメーカーが出していますが、ULTORAのBCAAは人工甘味料ゼロかつ国産で高品質なのがウリで、何よりめちゃくちゃ美味しい。運動だけじゃなく、仕事中に飲んでもいい。ULTORAのプロテインも愛飲していて、ワークアウトの強い味方。

ultora.co.jp

ほか、室内用の運動器具、ZUMBA用シューズなど、フィットネス関連の買い物が増えた年でした。年々健康に気を遣うお年頃になってまいりました。だって、頑張ったら頑張っただけ成果が出るなんて、運動と勉強くらいじゃん・・。特にジョギングは足を止めなければ前に進み続けるから、目に見えて数字(距離)が増えて楽しい。2021年も、走るぞッ!

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おうち時間が増えたからビストロっぽいごはん作りにはまった

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おうち居酒屋。オンライン呑みのおかげで遠方の友人らと気軽に話せるようになって良かった。コロナ後も続けたいな。