盛り場放浪記

花街を歩くことが楽しみな会社員による、酒とアートをめぐる冒険奇譚。

家猫百態〜うちの猫たちを紹介します

夏が近づくと「猫が開く」。日向ぼっこをしながら、ベッドや床に転がりながら四つ足をぐぁばっと開脚し、もふもふのお腹を見せつけてくる。姿態をながめていると、猫と目が合い、ごろごろ寝返りを打たれる。柔らかなお腹に顔を突っ込み静かに吸うと、お日様の匂いがする。

猫が開いたら、夏が始まる。衣替えが終わり、扇風機とエアコンの動作チェックをし、冷蔵庫で麦茶を作り始める。猫の換毛期もピークになるので、こまめなブラッシングも必要。猫飼いとって、猫の行動は季語のようなものである。

f:id:sakariba:20200514134317j:image完全に開いてしまった猫の図

我が家には猫が2匹いる。どちらも雑種のオス。8歳と4歳で、血は繋がっていないが仲の良い兄弟猫だ。兄のモリアーティ(グレー、気難しく賢い)と、弟のルパン(黒、人懐こくマヌケ)。どちらも歴史的犯罪者の名を付けている。

f:id:sakariba:20200514141246j:image左がモリアーティ、右がルパン

f:id:sakariba:20200514134606j:image子猫時代のモリアーティ。生後1ヶ月くらいか。信じられないことに上の写真の猫と同一猫である。

モリー」ことモリアーティは、つくばに住んでいた学生時代に飼い始めた。大学院の修士1年目なりたての春、家賃が大して変わらないからと無駄に4LDKの家に住んでいて、ペットでも飼いたいなと思っていた頃だった。水戸の知り合いが、自宅の一軒家に迷い込んだ野良子猫の引き取り手を探していて、勢いで引き取った。屋根裏の隙間にはまり込んで鳴いていたところを捕獲されたらしい。知り合いは、親猫に置いていかれたんだろうと言っていた。元野良猫のくせに病気はなく、ノミもおらず、ミルクをしっかり飲む健康優良児だった。運が悪いのか良いのか分からない。私は実家で犬を飼った経験はあったが、子猫の育児は初めてだったので、インターネットで調べたり、猫飼いの知人に聞いたりしながら、基本的な道具を揃えた。当時、ペットショップや動物病院に行くために車を出してくれた友人に感謝している。

f:id:sakariba:20200514135722j:image1日に何度も授乳を行う。腹が減ったら夜中でもミルクを欲しがり起こされるので、飼い始めて1ヶ月は寝不足だった。

f:id:sakariba:20200514135837j:imagef:id:sakariba:20200514135848j:image

子猫の成長は早い。2ヶ月足らずで部屋を走り回るようになり、ミルク・離乳食→運動会→睡眠→トイレを繰り返すうち、ぐんぐん育った。ちょうどiPadを持っていたので、日々猫の写真を撮っていたが、それでも追いつかないスピードだった。少しよそ見をしたら育ってしまう。

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f:id:sakariba:20200514141358j:imageアメリカンショートヘアのようなシルバータビー模様が強かったので、親猫のどちらかがアメショだったのかもしれない

f:id:sakariba:20200514141559j:image子猫時代は天使のような可愛さだった。

f:id:sakariba:20200514141633j:image友人のカバンに入るモリー。我が家は常に2人以上の来客・居候を抱えていたので、モリーは大勢の人たちに愛でられながら育った。

f:id:sakariba:20200514141844j:imageしっぽが短く、先が曲がった「かぎしっぽ」だ。しっぽに幸運を引っ掛けてくる縁起が良い猫と言われている。

f:id:sakariba:20200514142005j:imageお風呂に入れると細くなるのは犬も猫も一緒だ。

f:id:sakariba:20200514142056j:image完全に家猫として育てたが、予想外の行動をするわんぱくな猫だった。これは網戸によじ登る様子。

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f:id:sakariba:20200514142244j:image1年でこんなに大きくなった。この時点で6kgほどで、手足が長く大きいので「もっと大きくなるだろう」と定期検診時に獣医に言われた。

1歳ごろ、発情期を迎えた。晩酌をしていた私の腕に身体を擦り付けて腰を振ったのだ。後日、速やかに去勢手術をした(ごめん)。

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f:id:sakariba:20200514142442j:image猫に見守られながら…時には邪魔をされながら就職活動や修士論文を終えた。モリーを飼っている間、男と付き合って別れたり、また付き合ったりした。

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f:id:sakariba:20200514142711j:image基本的には良い子なのだが子猫時代の噛み癖が直らず、独占欲の強い愛情表現が下手な猫に育った。冬場、私が友人たちとリビングで呑んでいると、家の中でいちばん寒い場所でじっと佇み、恨めしそうにこちらを眺めるようなめんどくさい性格だ。

f:id:sakariba:20200514143038j:image少し家を空けると、嫌がらせのように猫砂のストックを引っ張り出して辺り一面に散らかす事件を起こした。

f:id:sakariba:20200514143225j:image餌にカリカリと缶詰を併用していたらデブりすぎた。8kgを超えて10kg目前だった。健康に悪いのでダイエットを断行し、現在は少しほっそりしている。

f:id:sakariba:20200514143617j:image大学院を修了し、現在住む台東区に引っ越した。猫にとって長距離の移動&家の変更はストレスなので、できれば最初で最後の引越しにしてあげたい。
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f:id:sakariba:20200514143622j:image私が就職し、1日のほとんどをひとりで過ごすようになったモリー。ますます気難しい性格になり、家に誰か来ると噛み付くようになった。特に男性は問答無用で襲われるので、こりゃ連れ込めないな〜と思ったほど。ごくごく稀にモリーに気に入られる人もいる。
f:id:sakariba:20200514143631j:image2リットルの金宮ボトルとサイズ比較。「動物園にいそう」と言われる。こんなでかい獣に襲われたら怖いよなぁ。

f:id:sakariba:20200514144157j:imageモリーの情緒不安定を治すため、もう1匹猫を飼い始めた。知り合いに生後1ヶ月の黒猫を譲ってもらい、またしても育児に翻弄された。これはすでに2歳くらい。忙しくてほとんど写真を撮っていなかったので、ルパンの子猫時代の写真が少ない…。

f:id:sakariba:20200514144456j:imageルパンは底抜けに人懐こく甘え上手なため、すぐモリーと打ち解けた。モリーは最初こそ警戒していたが、すぐに子猫を弟のように可愛がってくれ、寂しさが薄れたのか情緒も落ち着いた。

f:id:sakariba:20200514144500j:image黒猫は写真に撮りづらいが、性格が穏やかで素直な個体が多いという。たまに黒い子熊のように見える。名前を呼ぶとお返事してくれる。

f:id:sakariba:20200514150749j:imageスーパーの袋が好きで、放置しているとすぐ入ろうとする。首が締まらないよう気づいたらすぐ取り外すが、マヌケな絵面が可愛い。

 

休職し、ほどなくコロナ禍を迎え、1日のほとんどを自宅で過ごすようになり、猫たちがいちばん一緒にいる存在になった。彼らの1日を観察していると、24時間中20時間は寝ていることに気づいた。さすが「寝子」。猫を見習い、私も堂々と昼寝をするようになった。

また、今までは平日も休日も1日通して在宅することが少なかったため、最初のうちは、私と過ごす時間が増えたことを彼らに喜ばれた。よく話しかけられ、甘えられ、ご飯の時間じゃなくても餌をねだられた。それが1ヶ月続くと飽きられてしまい、今は四六時中一緒に行動することはなくなった。むしろ適度な距離を取り、それぞれの時間を思い思いに過ごしている。寝る時は、一緒に。最初盛り上がって時代に落ち着いていくなんて、恋人のようだなと思った。

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f:id:sakariba:20200514150902j:image夏の風物詩、ブラッシング。それぞれの毛玉を比べると、色や手触りの違いが明らかだ。

 

先日、Twitterでこんなツイートを見て、共感を覚えた。

猫の呼び名は変わりやすい。うちも、モリアーティ→モリー→モー→もりえもん→教授だ。ルパンはまだ一世。不思議と呼び名を変えても、自分のことだと認識してくれる。

 

ツイート元の岸政彦さんは、新進気鋭の社会学者で小説家の愛猫家。とても良い本を書く。どれもおすすめ。

NHKドキュメンタリー - ネコメンタリー 猫も、杓子(しゃくし)も。「岸 政彦とおはぎ」

NHKのネコメンタリーという番組で、彼が飼い猫をの話をしていた。30歳そこそこで学者の卵だった頃に、パートナーが拾ってきて飼い始めたのだと言う。子猫たちの名前は「きなこ」と「おはぎ」。

それから18年。「きなこ」は先に天国へ旅立ってしまって、今は「おはぎ」と夫婦の3人暮らし。岸さんは振り返る。

「人生のど真ん中の時期に4人で一緒に暮らした20年近くが、間違いなく最も幸せな時期だった。もうその時期は終わってしまった。元々1人だったのに、たまたまうっかり忘れていた感じ。そのうちおはぎもいなくなり、やがて1人になるのだろう」

「彼女たちは先に死んでしまう。だからこそ美しい」

「猫を拾うことは人生を拾うということだ。」

「猫は人生そのもの。」

いちばん最後に家族の一員になったくせに、猫は人間の何倍もの早さで成長し、歳を取り、老いて、そして家族でいちばん早く死んでしまう。

老いるということを、死ぬということを、自分の身体でもって教えて、そして先に去っていく生き物。だからこそ、猫は愛おしい。

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f:id:sakariba:20200514150744j:image2匹と1人、日がな一日ベッドで絡まり合う。大変な世の中だけど、彼らと過ごす時間が増えて、こんな時間は二度と来ないかもしれないという価値に気づけたことだけは、私にとって良かったのかもしれない。

Amazon Prime Videoで無料で観られるおすすめ映画リスト~独断と偏見による32選

全国に緊急事態宣言が出ることになり、ますますステイホーム需要が高まっています。みんな、何してる?元気?

変わらず出社・出動している方(くれぐれもご安全に)、テレワークで自宅勤務・自宅待機している方、長期の休みを取れた方、等々、状況は違うかもしれませんが、多少の気晴らしは必要ですよね。

自宅でできるおすすめの過ごし方のひとつは、映画です!映画は、別の世界に吹っ飛ばしてくれる最高のエンタメです。小説を読むこともおすすめですが、映画の方が比較的受動的に楽しめるので、何もする元気がない時にもベッドの中で時間を過ごせます。

私は有料の映画観放題サービス(Amazon Prime Video)を、タブレット端末(Amazon Kindle Fire)で楽しんでいます。NetflixやHuluなど色々なサービスがあり、スマートフォンに専用アプリを入れて観ることもできます。どのサービスも1か月ほど無料キャンペーンやっているので、気軽にお試ししてはどうでしょうか。タブレット端末は6,000円ほど。余談ですが、私は入院時にタブレット端末あって超助かったので、余裕のある方はご検討ください。なおAmazonの回し者ではないです。

Fire 7 タブレット (7インチディスプレイ) 16GB - Newモデル

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  • 発売日: 2019/06/06
  • メディア: エレクトロニクス
 

 

さて本題!Amazon Prime Videoで無料で観られる映画のなかで、おすすめ作品をリストアップしてみました。ステイホームの時間の過ごし方として、参考になれば幸いです。またおすすめ作品があれば、今後も追加していきます。本日時点のリストのため、今後有料化する可能性があるのでご了承ください。

 

<個人的なおすすめ評価>

★★★:御託はいらない。問答無用で観て!!!

★★:観て損はないから騙されたと思って観て!!

★:好み別れるかもしれないけど出来れば観て!

 

1.無料の邦画

 「仁義なき戦い」(監督:深作欣二、1973年)★★★

・ほとんどの映画好きが鑑賞済みだと思っていますが、もし未見の方がいるならば絶対観てほしい。何度観ても発見と感動がある、至高にして孤高の大傑作。仁義なき戦いは人生。

・日本映画を代表する名役者たち(菅原文太金子信雄田中邦衛松方弘樹渡瀬恒彦など)がギラつく若かりし頃を懐かしめる。みんな色っぽい良い男。

・アマプラには仁義シリーズが結構あるので、制覇を目指そう。1週間あれば観きれます。

仁義なき戦い

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  • 発売日: 2014/12/16
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 洲崎パラダイス 赤信号」(監督:川島雄三、1956年)★★

・日本映画史に残る傑作のひとつ。私は日本映画は1950年~60年代が黄金期と思っているのですが、なかでもありとあらゆる映画の要素に優れた逸品。演出、役者、美術、音楽、照明・・すべてが完璧。

・今はなき洲崎遊郭(東京都江東区)でロケをしており、買春防止法施工直前の資料としても貴重な映像。新珠三千代(顔がタイプで一番好きな女優)の代表作にして、川島雄三(大好きな映画監督)の代表作。

洲崎パラダイス 赤信号

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 「緋牡丹博徒」(監督:山下耕作、1968年)★★

東映が最も輝いていた時代、そしてやくざ映画が大衆娯楽だった時代の名シリーズ。ストーリーや演出が分かりやすく、やくざ映画入門編にぴったり。カッコイイ女が観たい人に!

藤純子(色気と美貌がバケモン)の代表作。「日本任客伝シリーズ」もアマプラ無料でおすすめです。

緋牡丹博徒

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  • 発売日: 2016/10/28
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 「極道の妻たち」(監督:五社英雄、1986年)★

・「仁義なき戦い」がやくざ映画の雄としたら「極道の妻たち」は雌。とは言え男性目線&ご都合主義の脚本なので、シーンによっては片目をつぶって観る必要も。

岩下志麻(姐さん演じさせたら日本一)の代表作。かたせ梨乃の美乳も楽しめる。

極道の妻たち

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  • 発売日: 2015/08/01
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 「百円の恋」(監督:武正晴、2014年)★★

・一気に毛色が変わりますが、最近の映画ではお気に入り。割とメジャーだけど観ていない人も一定数いそう。

・まさに「女版ロッキー」!ニート女性が恋に落ち、色々あってボクシングを始めて試合出場を目指す・・というストーリー。現代女優では安藤サクラが一番好きなんですが、この映画を観て「安藤サクラの時代がやってきた」と確信した作品。爽快にして痛快。

百円の恋

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  • 発売日: 2015/07/09
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 「探偵はBARにいる」(監督:橋本一、2012年)★★

・ハードボイルドな探偵モノ。何回観たか分からないほど好き。スッキリ爽快系ではなく、人生の苦みを感じる大人向けな味わい。

・オープニングの出来の良さが素晴らしいし、上野広小路で「ここは俺の街・・」とよく真似してます。ススキノで呑みたくなるし、サウナ行ってジンギスカン食べたくなる映画。

・原作は、東直己(抱かれたい)の推理小説シリーズ「ススキノ探偵シリーズ」。小説も全部おすすめです。

探偵はBARにいる

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  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

 

 シン・ゴジラ」(監督:庵野秀明樋口真嗣、2016年)★★

・大ヒットしたので名前くらいはご存知ですよね。観ましたか?シンプルに面白いですよ!いわゆる王道の怪獣映画からは外れますが、霞が関の群像劇が妙に愉快です。

・総監督・脚本は「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明エヴァもそうですが、庵野さんは大衆の心をつかむエンタメを作る天才。

シン・ゴジラ

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  • 発売日: 2017/03/22
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万引き家族」(監督:是枝裕和、2018年)★

・こちらも有名作品。世界的な映画賞・パルム・ドール賞を獲得したにも関わらず、タイトルやストーリーの昏さ(貧乏くささ?地味さ?)からそこまでヒットしなかったように思える。

・ちゃんと観ると、すごく面白いです。東京都荒川区の下町描写が分かると特に。是枝監督のこれまでの作品(「誰も知らない」など)の流れを汲んだ正統派な映画。

万引き家族

万引き家族

  • 発売日: 2019/04/03
  • メディア: Prime Video
 

 

 「告白」(監督:中島哲也、2010年)★

・公開当時、映像美と大胆な演出に度肝を抜いた。日本映画、やるじゃん!って久々にテンション上がってブルーレイも買って(お金ない学生時代に!)、今でもたまに観直している。スリリングでクールで、氷上に立つようなギリギリの危ういバランスで成り立っている。明るくはないのでじっくり夜長のお供に。

湊かなえによる同名のベストセラー小説の映画化作品。松たか子の演技が光る。

告白

告白

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

 「愛の渦」(監督:三浦大輔、2014年)★

・無料だったのでついでに。ダブルミーニングで色モノ。片割れ的作品「恋の渦」の方が好き(こっちはアマプラ無料ではない)。

・乱交パーティを目的に、裏風俗店に集まった見ず知らずの男女10人の本音が交わされる、性欲がテーマの会話劇。123分中100分くらい全員裸。映画的に優れているわけではないけれど、門脇麦の脱ぎっぷりが素敵なので、観といて損はない。

・原作は演劇で、劇団「ポツドール」がやりました。彼らも面白い。

愛の渦

愛の渦

  • 発売日: 2014/11/09
  • メディア: Prime Video
 

 

 「リング」(監督:中田秀夫、1998年)★★

・また毛色が変わり、以下は怖い映画特集です。「リング」は大抵の人は何となくストーリーも知っていると思いますが、今見ても出来が良い。世界に向けて和ホラーの質の高さを示した記念碑的作品。

・私はホラー映画マニアでもあるのですが、邦画では「リング」と「呪怨」がダントツ好きで、それぞれ年1回(通算20回)は観直しています。洋画では「エクソシスト」。ご要望があればディレクターズカット風に解説します。

リング

リング

  • 発売日: 2013/11/26
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 「悪の経典」(監督:三池崇史、2012年)★

・三池映画は好きくない~と普段言ってますが、これは許せる部類。スプラッタ要素が強いので要注意。

・原作は貴志祐介による同名小説。彼の小説も大抵面白い。

悪の教典

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  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

「黒い家」(監督:森田芳光、1999年)★

・幽霊系ホラーが苦手な人には、「やっぱり人が怖いよね」のサイコパスホラーを勧めます。サイコパスホラーのダントツは「羊たちの沈黙」ですがアマプラ無料にないので。「クリーピー」も無料ですがあんまり好みではない。

・「黒い家」も貴志祐介原作。映画は大竹しのぶの怪演っぷりにゾクリとした。さんまさんが観て「プライベートまんまだった」とコメントしていてさらに怖くなった。

黒い家

黒い家

  • 発売日: 2013/11/26
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 「残穢【ざんえ】ー住んではいけない部屋ー」(監督:中村義洋、2016年

・引っ越ししたて&一人暮らしさんに観てほしい作品。日本全国どこに住んでも怖いという誰も救われないオチが楽しい。怖さレベルは低めでビックリ系ではなく、静かな映画です。

・原作は小野不由美さま。さすがのストーリーテラーでじっくり練られています。

残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―

残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―

  • 発売日: 2016/06/09
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言の葉の庭」(監督:新海誠、2013年)★

・アニメも一応。今後追加するかも?

・新海作品、ほとんど観てますが得意ではない。「君の名は」も「天気の子」もピンとこなくて首を傾げてしまった。が、まだこの作品は観られた。新宿御苑の描写がきれいだったからですね。

言の葉の庭

言の葉の庭

  • 発売日: 2014/11/15
  • メディア: Prime Video
 

 

2.東映無料作品(おまけ)

・通常有料のアマプラ東映作品が1か月無料観られるので、ついでにリストアップ。

・個人的好みにより偏った選定です。

 

「喜劇 特出しヒモ天国」(監督:森崎東、1975年)★★

・ストリッパーの伴侶(世間でいうヒモ)として全国を転々と旅回り生活をした男の話。人間の力強さ、狡さ、ありのままの欲望に生きることを学べます。

・公開当時は泣かず飛ばずでしたが、後年になって「松竹を出た森﨑東の解放感と、実録路線真最中の東映の荒々しいエネルギーとが結合した稀有なる一作」と高評価をされています。

喜劇特出しヒモ天国

喜劇特出しヒモ天国

  • メディア: Prime Video
 

 

 「ポルノの帝王 失神トルコ風呂」(監督:内藤誠、1972年)★

・辰兄ィこと梅宮辰夫を偲んで。「番長シリーズ」も好き。

・九州から上京した主人公が"巨大なシンボルを武器に、成り上がっていく艶笑喜劇。景気が上向きの平和な時代に作られた映画は、今では作れない底抜けのバカバカしさが愉快。

ポルノの帝王 失神トルコ風呂

ポルノの帝王 失神トルコ風呂

  • メディア: Prime Video
 

 

3.無料の洋画

・一番好きな監督は、クエンティン・タランティーノデヴィッド・リンチですが、両方ともおすすめ作品が無料ではないので断念。

 

 「ゴッド・ファーザー」(監督:フランシス・フォード・コッポラ、1972年)★★★

・不朽の名作。何度観ても含蓄あります。カクテルの「ゴッドファーザー」(ウイスキーアマレットを加える)を呑みながら観ると雰囲気出るかも。

・ハリウッド版「仁義なき戦い」。あまり知られていなかったイタリア系マフィアの世界を一般に知らしめ、現在に至るまでそのステレオタイプを確立した映画。その意味でも広島やくざをステレオタイプ化したという意味で似てるね。

ゴッド・ファーザー (字幕版)

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  • 発売日: 2013/11/26
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「レオン」(監督:リュック・ベッソン、1994年)★★★

・殺し屋のレオンと少女マチルダの逃亡劇と純愛を描いた傑作。何度観ても泣く。

ナタリー・ポートマン演じるマチルダのロリータっぷりに興奮。おかっぱにチョーカー、シネフィル女子なら一度はやったことあるでしょ。ゲイリー・オールドマンの薬の飲み方やセリフまわしにも影響された。ジャン・レノのタンクトップにサスペンダーというファッションは、脱げる身体をつくってから真似しましょう。

レオン 完全版 (字幕版)

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  • 発売日: 2013/11/26
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 ミッドナイト・イン・パリ」(監督:ウディ・アレン、2011年)★★

1920年代のパリに迷い込み、あの黄金時代の芸術家たちと酒を呑むという、うらやましいストーリー。ファッションや美術も凝っていて見もの。オープニングの大胆な尺の取り方が心地よい。

ウディ・アレン監督作では一番すすめやすい。「カイロの紫のバラ」もいいけどね。第84回アカデミー賞脚本賞を受賞。

ミッドナイト・イン・パリ(字幕版)

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  • 発売日: 2016/05/18
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 フォレスト・ガンプ/一期一会」(監督:ロバート・ゼメキス、1994年)★★

・超メジャー作ですが無料なので観直してみては。ストーリーが感動的で心が洗われます。「人生はチョコレートの箱、開けてみるまで分からない」というセリフが良い。

・余談ですが、大学の映画史の授業でオープニングのカメラワークについて発表したので冒頭を50回以上観たことがある。人生いろいろ By 島倉千代子

フォレスト・ガンプ/一期一会 (字幕版)

フォレスト・ガンプ/一期一会 (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

 ジュラシック・ワールド」(監督:コリン・トレヴォロウ、2015年)★★

・恐竜映画とサメ映画は問答無用で観ます。娯楽映画。

・「ジュラシック・パーク」(1993年)の22年後の世界を描いた作品。子ども時代、親とともにロードショーで観た恐竜映画を、今後は自分が親になって・・的な楽しみ方もいいのでは。単体でも楽しめます。

ジュラシック・ワールド (字幕版)

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  • 発売日: 2015/12/18
  • メディア: Prime Video
 

 

ジョン・ウィック」(監督:チャド・スタエル&スキデヴィッド・リーチ、2014年)★★

・ここ数年のアクション映画ではダントツに好き。3まで公開されており、1~3のオールナイト上映会を定期的に開催しています。映像や音楽がめちゃくちゃ格好いい。

・観ていて心拍数が上がる激しいドンパチ描写が続きますが、主演のキアヌ・リーブスは無敵なので安心して観てほしい。

ジョン・ウィック(字幕版)

ジョン・ウィック(字幕版)

  • 発売日: 2016/02/10
  • メディア: Prime Video
 

 

「ヘアスプレー」(監督:ジョン・ウォーターズ、1988年)★

・ミュージカルコメディ。内容をしっかり観ずとも、流しっぱにして音楽を楽しむのも一興。浅草ロック座の2019年「STEPS ON BROADWAY」で橋下まこちゃんが好演してましたね。

ヘアスプレー (字幕版)

ヘアスプレー (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

 ドリームガールズ」(監督:ビル・コンドン、2006年)★

・実在する黒人女性歌手らのサクセスストーリーを描いたミュージカル。ステージシーンが華やか。天羽夏月さんの演目観て思い出した。

ドリームガールズ (字幕版)

ドリームガールズ (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

 「ラ・ラ・ランド」(監督:デミアン・チャゼル、2016年)★

・無料だと有名なオープニングだけ観るという荒業が使えます。音楽がロマンティックで映像もきれいなんですが、ラブロマンス得意ではないので中身ほとんど覚えていない・・。JUNさんの演目の方が好き。

ラ・ラ・ランド(字幕版)

ラ・ラ・ランド(字幕版)

  • 発売日: 2017/08/02
  • メディア: Prime Video
 

 

 「ゴースト・イン・ザ・シェル」(監督:ルパート・サンダース、2017年)★

・「攻殻機動隊」のハリウッド版。世間の評価は微妙だけど、結構面白いよ。スカーレット・ヨハンソン美しい。

・同系統のSFハリウッドリメイク作では「ブレードランナー2049」もおすすめ。有料ですが。

ゴースト・イン・ザ・シェル (字幕版)

ゴースト・イン・ザ・シェル (字幕版)

  • 発売日: 2017/06/23
  • メディア: Prime Video
 

 

 「ニンフォマニアック vol.1」(監督:ラース・フォン・トリアー、2013年)★

・「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の監督による、一筋縄ではいかない怪作。18禁だしVol.2まで観ると4時間かかるけど、ハマる人はハマる。私はハマった。

・「アンチクライスト」、「メランコリア」に続くトリアー監督の「鬱三部作」の最終作。鑑賞後のカタルシスと精神の落ち込みは一級。

ニンフォマニアックという聞きなれない言葉は「色情狂」という意味。シャルロット・ゲンズブール演じる主人公は、色情狂(セックス依存症)。彼女の誕生から50歳までのエロスの旅をあつかう。

ニンフォマニアック vol.1(字幕版)

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  • 発売日: 2017/06/30
  • メディア: Prime Video
 

 

 「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」(監督:ジョン・リー・ハンコック、2016年)★

・劇場で観てまぁまぁ楽しかった。マクドナルド社を立ち上げ、ハンバーガー帝国を創った男、レイ・クロックの実話らしい。ぜひ、ハンバーガーとポテト、コーラ片手に。

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(字幕版)

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(字幕版)

  • 発売日: 2018/01/24
  • メディア: Prime Video
 

 

オールド・ボーイ」(監督:パク・チャヌク、2003年)★★

・最近、韓国映画の流れが来ていますが、その源流とも言える金字塔。ただし後味は悪いです。脚本も役者も良すぎで、初めて観た時ビビった。「韓国が映画に本気出したら天下取れるでは?」と直感し、昨年「パラサイト」で現実となった。

・原作は日本のマンガ。同監督の作品「お嬢さん」(有料)も超おすすめです。

オールド・ボーイ (字幕版)

オールド・ボーイ (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

 グエムル 漢江の怪物」(監督:ポン・ジュノ、2006年)★★

・「パラサイト」で一躍時の人となったポン・ジュノ監督のセンス光る怪獣映画。「ゴジラ」の韓国版。監督は一貫して格差社会と家族を描いていることが分かる。

グエムル-漢江の怪物-(字幕版)

グエムル-漢江の怪物-(字幕版)

  • 発売日: 2015/04/02
  • メディア: Prime Video
 

 

 「殺人の告白」(監督:チョン・ビョンギル、2012年)★★

・どうやったら思いつくんだという巧みなストーリーと、物語を最大限に面白くする役者たち、物語に入り込ませる映画スタッフたち。逆立ちしても勝てない。

・日本でも藤原竜也主演で「22年目の告白」というリメイク版が公開されましたが、元の韓国版の方が暴力描写やカーチェイスシーンが派手でおすすめ。

殺人の告白(字幕版)

殺人の告白(字幕版)

  • 発売日: 2013/12/04
  • メディア: Prime Video
 

 

4.有料だけど払う価値のある作品

・無料作品ではないですが、観るべきおすすめ作品。どうせTSUTAYAやGEOで借りるなら、アマプラで借りるのもありです! 

 

 「天国と地獄」(監督:黒澤明、1963年)、★★★ レンタル400円

・「映画監督、誰が好き?」と聞かれたら、「邦画なら黒澤明川島雄三!」と元気に答えます。世界のクロサワ、若い人は意外と観てないですよね。「赤ひげ」も「七人の侍」も最高ですが、時代がかっていると抵抗感ある方への入門編には「天国と地獄」がおすすめです。日本映画史に残る数多くの名シーンを楽しみましょう。

天国と地獄

天国と地獄

  • 発売日: 2015/04/22
  • メディア: Prime Video
 

 

「流れる」(監督:成瀬巳喜男、1956年)★★ レンタル400円

・どんなに時代が進んでも、お金をかけても、絶対にもう作れない映画。傑作中の傑作。あ、私は芸者映画も好きです。

田中絹代山田五十鈴高峰秀子という日本映画界を代表する名女優を三枚看板に擁し、脇を固める女優陣も豪華で「女性オールスター映画」とも呼ぶべき絢爛豪華な顔ぶれ。スタッフも「成瀬組」の名スタッフが結集。美術も素晴らしい。

幸田文による同名の作品の映画化。成瀬作品なら「浮雲」も必見。

流れる

流れる

  • 発売日: 2016/12/01
  • メディア: Prime Video
 

 

「しとやかな獣」(監督:川島雄三、1962年)★★ レンタル324円

・目の離せないブラックコメディ。東京都中央区晴海団地が舞台。

若尾文子作品なら「刺青」(デジタルリマスター版)が至高なんですがアマプラにはないので。

しとやかな獣

しとやかな獣

  • 発売日: 2015/09/21
  • メディア: Prime Video
 

 

兵隊やくざ」(監督:増村保造、1965年)★★ レンタル324円

・キャッチコピーは「起床ラッパは女郎屋で聞いて、喧嘩で直す二日酔い!」。どこまでも男臭くて泥臭くて、めちゃくちゃ面白い痛快活劇。

勝新太郎の野性味あふれる魅力に翻弄される。勝新×田村高廣のBL。

兵隊やくざ

兵隊やくざ

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

 「お嬢さん」(監督:パク・チャヌク、2016年)★★ レンタル440円

・最強にして最高のエロティック・スリラー。題名からは想像できないくらいハードな作品で、評価も高い。カンヌ映画祭では上映後に8分間以上のスタンディング・オベーションが起こったとか。際どい性描写もあるけれど、実は女性にこそ観てほしい。

・キム・ミニの透明感ある美しさ、豪華絢爛なファッション、日本の統治下時代の朝鮮半島の再現セット(映画美術のすごさよ)そして、辛い世界のなかに希望を見いだせるストーリー。すべてがおすすめ。

・原作は「このミステリーがすごい!2005」で1位を獲得したサラ・ウォーターズの「茨の城」。

お嬢さん(字幕版)

お嬢さん(字幕版)

  • 発売日: 2017/08/21
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ロシュフォールの恋人たち」(監督:ジャック・ドゥミ、1967年)★ レンタル400円

・THEフランスのミュージカル映画ミシェル・ルグランの音楽を聞きたくなったら観る。ファッションや色遣いがキュートなので女性におすすめ。ゴダールの「女は女である」はアマプラ無料だからそっちでもいいかな。

ロシュフォールの恋人たち(字幕版)

ロシュフォールの恋人たち(字幕版)

  • 発売日: 2014/10/01
  • メディア: Prime Video
 

 

5.ストリップ関連映画

 ・思いついたら追加します。ご指摘いただければ観ます!

 

「一条さゆり 濡れた欲情」(監督:神代辰巳、1972年)★★ レンタル440円

・伝説のストリッパー・一条さゆりの引退や逮捕をドキュメンタリーっぽく流しつつ、伊佐山ひろ子のストーリーを絡めていくという凝った作り。

・「一条さゆりは私の窮地を救ってくれた恩人だった」 。「仁義なき戦い」の脚本家・笠原和夫はかく語りき。

「一条さゆり、白川和子、伊佐山ひろ子の三女優の裸身が、文字通り組んずほぐれつ、剥き出しの性本能をぶつけ合う一時間余りの映像は、この上なく猥雑で、従って真実であり、固唾を呑む暇もないほど迫力があった」(『破滅の美学 ヤクザ映画への鎮魂曲笠原和夫ちくま文庫)

・臨場感と猥雑さが混然一体となった神代スタイルの原型が見られ、日本映画史的にも意義深い作品。ジャパニーズ・ヌーヴェル・ヴァーグ。神代作品では「濡れた欲情 ひらけ!チューリップ」も好き。

一条さゆり 濡れた欲情

一条さゆり 濡れた欲情

  • 発売日: 2019/11/01
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「濡れた欲情 特出し21人」(監督:神代辰巳、1974年)★★ レンタル440円

・浅草ロック座を拠点に東北、信州を転々と巡業するストリッパーたちの物語。メインになるのは、2人の踊り子と彼女らのヒモ。ふたりの女とひとりの男のハメてハメられてのロード・ムービー。片桐夕子と芹明香の肉体美が堪能できる。

・本作はロマンポルノの正月映画として企画された。いい時代だ。昭和は遠くなりにけり。

www.amazon.co.jp

 

「喜劇 特出しヒモ天国」(監督:森崎東、1975年) ★★

※上部2で紹介済なので割愛。

喜劇特出しヒモ天国

喜劇特出しヒモ天国

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 「(本)噂のストリッパー」(監督:森田芳光、1982年)★ レンタル440円

・当時営業していたストリップ劇場「浦安劇場」にて撮影が行われた。まな板ショーの描写がセンセーショナルだった。

(本)噂のストリッパー

(本)噂のストリッパー

  • 発売日: 2019/11/01
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メジャーどころや誰でも楽しめる映画を選んだつもりですが、やや私の趣味に偏っております・・。ま、映画は観なきゃわからないので、とりあえず15分間は騙されたと思って観てください。その時点でピンと来なければ途中で止めてもいいです。さぁ、楽しい映画ライフを★

府中市美術館「ふつうの系譜展」を観る~こんな時だけど美術館に行こう!

春ですね。もはや毎年恒例の春の楽しみである、府中市美術館「春の江戸絵画まつり ふつうの系譜」展に行きました。

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fam-exhibition.com

「春の江戸絵画まつり」は、今年の「ふつう展」で16回目。昨年の「へそまがり日本美術展」(個人的に2019年ベスト展覧会)の記憶も鮮やかで、今年の「ふつう展」も待ち遠しくて仕方ありませんでした。

sakariba.hatenablog.com

「ふつう展」、正式名称「ふつうの系譜 『奇想』があるなら『ふつう』もありますー京の絵画と敦賀コレクション」展。相変わらず面白いタイトルです。この展示は、伊藤若冲曾我蕭白ら奇抜な絵を描いた「奇想」の画家たち(参考:辻惟雄『奇想の系譜』)に対して、やまと絵や土佐派といった古くからの画派に属する、「ふつう」の画家たちの残したものを、改めて、じっくりと見てみよう、という内容の展覧会です。担当学芸員は、おなじみ江戸絵画研究の第一人者・金子信久さん。

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出品作品の9割は敦賀コレクション、敦賀市立博物館の所蔵品です。同館には素晴らしい作品が多数ありますが、現地に行かずしてそれらの実物を眺め渡せるチャンスとなるわけです。同館のコレクションは、やまと絵、円山四条派、復古大和絵、岸駒や原在中の作品など、誰が観ても「きれい」で、うっとりするほど典雅なものばかりです。詳細は、展覧会HPに細かく載っておりますので、そちらをご参照ください。

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■会期:2020年3月14日(土)から5月10日(日)まで

※前期:3月14日(土)~4月12日(日)、後期:4月14日(火)~5月10日(日)

■入館料:一般700円(安すぎる!)、高校生・大学生350円、小学生・中学生150円

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円山応挙《狗子図》 敦賀市立博物館蔵 前期展示

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原在中《嵐山図》 敦賀市立博物館蔵 前期展示

「ふつう展」を観て、観ることができて、心から感動しました。個人的な感想と、おすすめする理由を、下記につらつらと記してみます。

私にとって、美術は「驚き」をくれるもので、心の栄養です。ただ、コロナ禍の現在、衣食住や健康・衛生などの「優先すべきもの」と比べると、不要不急の娯楽(あるいは金持ちの道楽)に見えてしまうかもしれません。けれど、美術や文化を楽しむ余裕のない社会は無味乾燥で生きづらいです。もちろん、命あっての物種ですので、非常事態の社会で不要不急の娯楽を一時的に控えることに異論はありませんが、全員が全員、四六時中我慢する必要もないのではと思います。「ニコニコ美術館」や「グーグルアートプロジェクト」のように、自宅で美術を楽しむことくらいはできます。美術展の図録や関連書籍を買い求めることもできます。テクノロジーのおかげで、その気さえあれば、誰でもいつでも、安全に美術にアクセスできる環境は整っています。

ch.nicovideo.jp

www.google.com

しかし、なんとなく「たとえオンラインであっても美術を楽しむタイミングではないのでは」という自粛ムードが漂っているように感じます。それを否定するつもりはありませんが、実は、美術鑑賞は感染リスクが低い活動として、厚生労働省が認めています。職員や来館者の健康を守るプロトコルを定め、きちんと対策すれば、感染抑制の方向性と矛盾なく活動続行できると思います。何よりも美術館は「社会教育施設」なので、人々の心の拠り所になるよう、できるだけ開館し続けてほしいというのが正直な思いです。

ただし、症状のない方にとって、屋外での活動や、人との接触が少ない活動をすること(例えば、散歩、ジョギング、買い物、美術鑑賞など)、手を伸ばして相手に届かない程度の距離をとって会話をすることなどは、感染のリスクが低い活動です。

www.mhlw.go.jp

これまでの美術史のなかでも、戦時中や大災害のさなか、戒厳令が敷かれ、多くの美術展や文化活動が弾圧されたり制限されてきました。そのたびに、雑草のように生えては刈り取られる文化の芽のようなものが生まれます。歴史を遡ると、そういう状況下で逞しく育つ新種が、意外と次世代のイノベーションを起こしたりします。

「ふつう展」では、きらきらした美しさにときめいたり、平和な物語にほっこりしたり、穏やかな夢心地を味わえます。金子学芸員のキュレーション力と解説力により江戸絵画の魅力が存分に発揮されているということが大きいのですが、それだけでなく、コロナ禍という、誰も予想できなかったこの状況がさらに拍車をかけているようにも思えます。変な例えですが、「お腹が空いている時に食べるものは一層美味しく感じる」ように、生の美術に飢えている時に観る良質な展覧会は格別です。東京都内だけでなく、全国的に美術館が閉館・入場制限をする非常事態で、様々な意味において「ふつうがふつうであり続けることのすばらしさ」を実感できました。

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f:id:sakariba:20200324135202j:image水墨画の垂らし込みに挑戦できたり、ちょっとしたワークショップも充実していて楽しい。

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最後に・・

府中市美術館は、府中駅(新宿から特急で20分)からバスで10分ほどの公園内に立地しており、都心の美術館に比べてアクセスが良いとは言えません。また「ふつう展」は、華やかな「ブロックバスター展」(大手新聞社やテレビ局が主催となり超有名作品で人寄せをする大規模企画展)ではなく、どちらかと言えば「地味」です。けれど、たくさんの関係者が知恵を出し合い、限られた予算やリソースを最大限活用し、「ブロックバスター展」に負けない、もしかしたらそれ以上に見ごたえある展示がつくり出されています。もし府中市美術館に行ったことがない人がいて、かつ健康なのであれば、ぜひ「ふつう展」に行くことをおすすめしたいです。ちなみに、府中市は桜の隠れた名所でもあり、3月中は「桜通り」の桜並木や「大國魂神社」の枝垂れ桜も楽しむことができます。公園で桜餅を食べながら散歩をするのも楽しいです。

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f:id:sakariba:20200324135349j:image大國魂神社の見事な枝垂れ桜!

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f:id:sakariba:20200324135430j:image帰りは府中駅近くの鉄鍋餃子で一杯やりました。美味しかった。

「ふつう展」は後期で大きく展示替えをするとのこと。その頃には状況が良く変わっているといいなと思います。そして、来年の「春の江戸絵画まつり」も楽しむことができますように。

シアター上野からの蕨ミニ劇場3中〜新井見枝香ちゃん初乗り&南美光さん新作!

本日もお日柄がよく、ウキウキ上野からスタート。当日に急遽トップバッターに香盤順が繰り上がり、デビュー2週目の新井見枝香ちゃんがいきなり登場。

1.新井見枝香

ルバーブロンドのおかっぱ姿に青いカラコンを付けていた。もともと色素が薄く華奢な身体つきのため、西洋のビスク・ドールのような出で立ちに見える。芦原デビュー作の1つ「エバーグリーン」はセーラー服姿の文学少女が、ストリップの世界に憧れ、夢を叶えるまでの物語(と解釈した)。食パンを加えて「遅刻ちこくー!」のお約束で登場し、楽しそうにステージを駆け回る姿は女子学生そのもの。デビューしたてゆえ、動きは若干硬さが残るものの、常に笑顔を絶やさずに動作を大きく丁寧に、心を込めて踊っている姿は好感度抜群。初見のおじさま方も心を掴まれた模様。踊りながらおもむろに取り出すのは、桜木紫乃先生の大名著「緋の河」(個人的には「裸の華」を小道具にしてもいいなと思ったけど、それは別の演目があるらしい)。単行本のページを繰りながら、憧れの都会や舞台に夢を馳せる少女…「私もいつかステージに立ちたい!」そんな決意を胸に、早めにベッド突入。制服のまま脚を広げたり、肢体をくねらせながら服を脱いでいく。すでにポーズを決めるような大きな動作をしつつ、「早くその服とパンツの中を見せて!」とワナワナ手に汗にぎる観客をじらす。いいねー、実に正統派なストリップ&ティーズだねー。パンツはサテン地の薄い水色っぽかった。そして観客の期待に応えるように上半身の制服を脱ぐ。同じく薄い水色のブラジャー、細かいレースが縁についたものーー実に女学生っぽい王道清楚なデザインーーがあらわになる。待ってましたッ!この辺から観客はどんどん前のめりだ。そしてそして、ゆっくりとブラジャーのホックを外し、お待ちかねの上半身が曝け出された。胸はつるぺたロリ系で、形のしっかりした色素濃い目の両乳首が凛と立っていて大変セクシー。(ところで私はデビュー前からの知り合いの裸の描写をしてもいいんだろうか…まぁいいか)肋骨がちょっと浮いて、腹筋が薄く見え、腕は引き締まり、全体的に筋肉質になっていたので、この1-2ヶ月のレッスンやトレーニングの成果が見えます。すごいぞ。そしていよいよ秘密の花園が明かされる。ごくり。ゆっくりとパンツを脱ぎ、手首シュシュを巻く。じっくりと笑顔でポーズ。おお、脚上がる上がる!かなり身体柔らかくなっております!難易度ある技も難なくこなし、樹音さんを思わせる、花道床に頭と背中をつけて両脚上げからの後ろ回転着地!さらに本舞台の下手向きと上手向きに側転!そして花道で前周り回転からのポーズ!樹音さんの仕込みっぷりを感じさせる技の連続で、胸が熱くなった観客も多かったのでは。笑顔でステージを終え、写真撮影へ。

初日から来てます来てます、樹音さんファミリー。おのさん、猫ちゃんをはじめ、みんなで見枝香ちゃんの初舞台を応援しに来ているようです。そんな私も色々な樹音さんや見枝香ちゃんにはご恩が返しきれないほどあるので、感謝と激励の気持ちを込めて、ささやかな花束を用意。楽屋の潤いに少しでも貢献できれば嬉しい限り。お花をもらえる人生って素敵ですよね。(私は花より団子派だけど、季節の1輪くらいならもらうと嬉しいです)

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写真の列もさすがの並びっぷりで、相当時間かかっていたような。見枝香ちゃんはエロポラリクにも積極的に応えていた。芦原で鍛えたようです。オープンも楽しく明るく盛り上がり、見事な初戦白星を飾ってくれました。

その後、まさご座から2週連続こんにちはのくるるちゃん、この頃ファンが増加中の新人愛奈ちゃん、居るだけでビューティエロス女神の天羽夏月さん(ドリームガールズの演目最高だった)、揺れるおっぱいにこっちが脳震盪起こしそうになる水咲カレンさん、という豪華布陣の上野を楽しんだのでした。常連さんたちもたくさんいて、カトゥーンやゆうくん、つるぺた教授もいらした。

楽しいのでこのままラストまで居たかったけど、推しのかすみ玲ちゃんが蕨に乗っており「今日3回だから早く来て」と呼ばれているので、京浜東北線でワープです。

そんな蕨も、非の打ち所のない神香盤。初日だけど3回というところから事情を察し、少数精鋭のかぶり席で盛り上げた(お客さんのJUNさんに入れてもらった!感謝)。

橋口美奈さん、天板はさすがにカットだけどタッチ有りなのが度胸を感じます。もちろん消毒してますよ。「よく来てくれるよね〜」とニコニコ話しかけてくださるので嬉しい。JUNさん曰く「その昔はストリップ界の山口百恵と言われていた」とのこと。ほほぅ!

かすみ玲ちゃん♡演目は「花」。ちょっと前の演目らしく、明日振りおこしするので今日だけは特別アドリブバージョンらしい。逆にレア。玲ちゃんらしいノリノリの洋楽をカラフルな衣装で踊った後、ベッド着はシックな濃紺(ウエスト帯は水色)。思わず「かっこぉいいーー!!」と呟く。平◯堅の泣ける名曲の歌詞に合わせて、情緒たっぷりにポーズを切る。掴めないものを掴みたくて手を伸ばしたり、玲ちゃんの鼓動は玲ちゃんにしか鳴らせないし、まさに私だけのヒーローといった感じ。やっぱり泣いちゃった。玲ちゃん、いつも明るく元気な反面ベッドでは「孤高の美しさ」を魅せるのがすきなんだよなー。

すごく気持ちのこもったステージだったから(もちろんいつもですけど!)、4回あるはずのつもりで3回だと思いっきり出来るのかな?と思っていたところ、JUNさんが「1、2回目と全然違ったよ。魂入ってた。まーやさん来たからじゃない?」と優しい言葉をかけてくれた。玲ちゃんプロですからどんな時(二日酔いの時も)も全力だけど、お客さんが多くてみんな真剣に観てくれるステージの方が楽しく踊れると思う。意外とステージ上から全員の顔や様子丸見えだからね笑


3.JUNさん

この日と翌日だけKuuさんの代演で登場。「ララランド」の演目が超良かった。上品な雰囲気で「きれいなおねえさん」感で言えば右に出るものはいないJUNさん。きれいな!おねえさんは!好きですか!好きです!!弾ける笑顔と長身スレンダー、小顔、丸くて大振りのおっぱいとお客さん絡みが優しい…と、私の大好物が揃ったフルコースみたいな人。

1曲目はオープニング名曲をピンクのドレスで、2局目はミッドナイト・ブルーのドレス、ベッドはレモン・イエローのドレス。どれもラ◯ランドの作品内でモチーフとなっていた色じゃなかったかな?何から何まで、かわゆく夢のあるステージに大満足。

写真撮る際、聞いてみたかったことを聞いてみた。「あの、私…とある常連さんにJUNさんに似てるって言われたんですがっ…差し出がましくてスミマセンが!」するとJUNさんも「私も思ってたー!みんなも思うでしょ?(似てるー!特に横顔!と観客も口々に賛同)衣装私より似合うんじゃない?ほら!(ドレスをあてる、そんなことはない)もう明日から蕨来て私の代りに踊って笑」とまで言われる始末。その後TwitterでもオカD兄さんに「初対面の時から思ってたわ げきわら」、チビクロさんに「鼻筋が一致してます」と気を使っていただいた。あんな美人さんに似てるなんて一生の自慢です…JUNさんに近づけるよう頑張らねば…。あ、ちなみに最初に「似てるよね」と言ってくれたのは⭐︎⭐︎⭐︎さんでした。彼は重度の横顔フェチです。オープンはフラフープでした。


4.坂上友香さん

東洋とか大和とか大きなステージで拝見することの多い人。蕨の密着する雰囲気で観ると、美しさと迫力にビビりました。つよい。こういう華やかなお顔立ちとメリハリボディに憧れます…。


5.南美光さん

もはや「南美光」って書くだけでムラムラする。踊る精力剤。今回は新作ッ!お正月演目の興奮冷めやらないままの新作ッ!エロい!好きだッ!え?何もわからんて?一言で言うと、キレイで格好良くてソフトSMっぽくて笑顔でオナベッドでした!

新作、どの衣装も超超似合うんだけど、細部はそのうちじっくり観てから語るとして、今回は「全裸で目隠し笑顔オナベッド」について語りたいと思います。まず、ベッドでは、色々あってピンクのレースリボンでセルフ目隠しすることになるんです。これまでのブログやTwitter読者なら分かると思いますが、私は光ちゃんのエロスの表現は「眼(まなざし)」にあると思うと常々言ってきました。眼は、それはそれは有弁です。切なくて潤んだ眼、快楽にとろける眼、愛する人を受け入れる覚悟を決めた眼、無理やりに犯される苦悶の眼、絶頂を迎えて天を仰ぐ眼…光ちゃんのステージがいつもドラマティックで熱量が高いのは、ひとえに眼の表現がとんでもなく深いからだと思うのです。新作では、その!眼を!隠しちゃうの!!!

ちょっと変態ちっくな言い回しになりますが、光ちゃんの武器である第三の女性器である眼をあえて隠すことで、観客の想像がより掻き立てられ、目隠しの奥が見たいッと欲望を掻き立てるのでは無いでしょうか?(注釈のまでもないが第一はアソコ、第二はおっぱい)

さて、目隠しの効果はいかに…。結果から言いますと、ますますエロかったです(笑)

目隠し状態のオナべで、これからどうなっちゃうのとばかりに不安と期待に身をよじる光ちゃん…指の挿入で身体をのけぞり、思わずしかめる眉…そう、今度は眉の動きで快楽を表現しているのです!だらしなく開いた口、垂れそうなくらいよだれで潤う口内、物欲しげなくちびる、挿入の刺激のたびにピンと張る爪先や空を切る指先…なんだか、より細部までエロスの表現に全力を注いでいるようでした。クライマックスでは可愛すぎる喘ぎ声を隠そうともしない。目隠しすると感度上がるって言うしね(これは本当)。うーん、エロい、エロすぎる。ラストは目隠し外して満面の笑みでポーズっていうのも良いね。無理矢理感じゃなく、ラブラブカップルのソフトSMプレイ感があり、観ていてほんわか幸せな気持ちになりました。


おっと、気持ちが入りすぎて長くなってきた。あと一言だけ。この日は蕨のパンプレデーでした。(そういや上野でもパンプレデーだった)私はP客ではないので、いつもそこまで欲しがらない人なんですが、じゃんけんの場合はとりあえず賑やかし要員として参加してみる派。いただいたら、ありがたく持ち帰って履く。次にその方を観に行く時に履いて行き、興奮するタイプです。

はい、ラッキーなことに光ちゃんのパンツをゲットしてしまいました!じゃんけん弱いんだけどなぜか蕨での勝率が高い(笑)みんなが優しく「おめでとう!」「よかったね!」と祝福してくれたのも嬉しい…。光ちゃんも爆笑しながら「こないだのパンツの御礼ですね!たくさんパンツ擦り付けときます!今度履いてきてくださいね♡」とまで…。今夜のオカズ決定です。ごちそうさまでした。


そんな上野→蕨、翌日から1週間劇場に行けないので無理矢理掛け持ちしちゃいましたが、おかげさまで良い思い出になりました♩

最後に、余談ですが、光ちゃんのパンツには、サインや劇場名のほかに「3.11 防災!!」と大きく書かれていました。あぁこの人のこういう真面目で真っ直ぐな感性をすごく尊敬する。もちろん3.11を忘れることないし、地震が起きた時間になったら黙祷するけれど、正直劇場ではほとんど意識していなさった。というか光ちゃんも一言も言わなかったのに、たった1人パンツを貰った人だけ見られるメッセージに、そういう思い(祈り)を込めるなんて、やっぱりすごい人だな、と改めて感動したのでした。

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昼ごはんは湯島「デリー」。言わずと知れたカレーの名店で、看板カレー「カシミールカレー」は日本のトップ5皿に入る超有名メニュー。超好き。辛いもの好きにしか勧められないが。ここ数年、長蛇の列が止まなかったので行けなかったけれど、このコロナ騒ぎで行列がなくすぐ入れた。今が狙い目です。ぜひ。

まさご座3月頭、かすみ玲ちゃんのトリを観に行こう

「ストリップ劇場はどこが好き?」

劇場でよく会うお客さんたちからよく聞かれるけど、大抵「まさご座!」と即答している。そりゃあホームは上野(近いし落ち着く)で、売店込みで大和も大好きだし、池袋や渋谷や蕨や新宿や川崎や横浜も、もちろん浅草も、もっと言えば関西圏の劇場にも思い出がたくさんあるけれど、距離を一切考慮しなければ、まさご座に通いたい。

まさご座の雰囲気が好きだ。場内の広さやゴージャスさ、回転盆は大きくて光るし、天井や壁に貼られた鏡も幻想的だし、靴が脱げて飲食ができるアットホームなところ、明るめの照明(昔はLEDでなくハロゲンでもっとキレイだった)、常連さんたちのムード、周りの美味しい飲食店など、良いところを挙げればキリがない(しいて言えば女性トイレがほしい)けれど、何てったって、かすみ玲ちゃんを一番美しく観られるから。※一番というのは個人の感想です。もちろん他でも最高!だけど、かぶり席で見上げた時の神々しさは代えがたい。

そんなまさご座で、玲ちゃんが3月頭に久々にトリを務めるという。そりゃあ行くしかないでしょ!1月半ばあたりに本人に聞いた瞬間「絶対行く」と宣言し、さっさとホテル予約。何番目でも行きたいけど、だってトリですよ!「今週のトリを飾っていただくのは、かすみ玲さんです」のアナウンス生で聞きたいでしょ!応援して、盛り上げて、ちょっとでも売り上げに貢献して、直接おめでとうと言いたい。応援のかたちは色々あるし、人それぞれ行けない事情は当然あるだろうけど、「実際に観に行くこと」が何よりの踊り子さんへの応援になると思うので。スケジュールや金銭事情で行けないことも多いので、個人が出来る範囲で出来る時だけね。

というわけで、3月7~8日の土日にプチ遠征。いつか1週間制覇したい・・。

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【3/1-10の香盤】

1.ゆきみ愛

2.浅井ひなみ(初出演)

3.葵マコ

4.くるる(初出演)

5.かすみ玲

さて、かすみ玲ちゃんは、「桜」義経千本桜(牛若丸)」「羽根扇」「魔導士」の4個出し。気合入っております!まさご座のコース決まった時点で「何出そう~」と悩み、衣装を引っ張り出し、かなり入念に準備をしていた模様。先週の道後でも練習を重ねていたとのこと。以下、ちょっと長いですが演目の感想。

「桜」:2012年の「桜3rd」。大道具と衣装、演出が凝った不動の名作で、春先に観られると嬉しい作品。観ると寿命が延びる。大道具として、本舞台の上手と下手に桜の大きな枝ぶりを配置し、照明をつなぐ必要があるので、暗転しながらの準備時間を要し、進行が押している時はショートバージョンとなる。衣装は引き振袖で、明るい緑色の絞り柄が鮮やか。帯は黒地に色とりどりの花が咲いた華やかなもの。抱え帯は無地の濃い紫色で、振袖の緑色の反対色として色彩的にも考えられている(と思う)。振袖の袖口はピンクとオレンジの縁取りが、ふき部分(裾の膨らんだ部分)はゴールドの縁取りがアクセントとなりおしゃれ。胸元には筥迫と懐剣を差し、髪留めは大ぶりの花や凝った金属装飾がたなびく。頬紅はピンクを濃いめに差し、口紅も赤みの強いものを選んでいる(と思う)。

投光さんのアナウンスの後、照明がばっと点くと、これらの大道具と豪華な衣装に圧倒され、「これはすごいものが始まる」と誰しもが確信する。玲ちゃんは和も洋も似合うけれど、日本舞踊の心得があるし、プライベートでも歌舞伎が大好きなので、いつも非常にレベルの高い和演目を披露してくれる。

和風な1曲目は本舞台で舞い、アップテンポの懐メロ(この曲大好き!)で盆も使って笑顔でダンス、3曲目で振袖を脱いで大道具の桜をライトアップし、4~5曲目に桜の某名曲で濃厚なベッド、ポーズ。振袖の下は桜柄の艶っぽい襦袢を着ており、ほんのり桜色にほてった白い肌が照明に照らされると「桜の精」そのものに見える。ベッドでは、春の訪れを喜びながらも別れを惜しむような、繊細な表現・表情を魅せる。8日目、日曜の1・3回目では、ベテランリボン・タンバのまぁさんが桜を投げてくださった。ラスト曲の立ち上がりと去り際に、確か4投。正確な場所・タイミングで桜を降らせる匠の技。照明・音響もベストタイミングで、みんなで息を合わせて玲ちゃんのステージを作り上げている。こんなん泣くでしょ・・と、演目後に隣を見るとチビクロさんが号泣していた。分かる。

義経千本桜」は2020年1月の大和のお正月興行で披露した演目。何度も感想書いているけど、観るたびに表現が深くなり、進化を続けている。最初、元旦に観た時は牛若丸衣装の袖口のラインストーンチェーンが本舞台に吹っ飛んだり、笛が落ちそうになったりしていたけど、踊りやすいように色々な工夫をしている模様。3曲目のベッドで、凛々しい牛若丸から、麗しい静御前(夜桜の襦袢)に着替えた時の美しさと言ったら!

「羽根扇」は大きな白い羽根扇を2つ使った洋物演目で、玲ちゃんの美脚が堪能できる。まさご座の広い盆で羽根扇さばきを披露する姿は白鳥のよう。羽根から送られる風が良い匂いで、うっとりします。

「魔導士」はHIKARUさんからの継承演目。衣装や小道具、結構前に作られたもののはずなのに、全く古びないデザインで、しかもすごくキレイに保存されている。綻びや汚れも見えず、玲ちゃんが大事に手入れしていることが分かる。1曲目の衣装は装飾のついた白いマントで、大きなフードを深めに被っている。小道具は魔導士らしいマジカルなヘッドが付いた杖。ベッド時に盆で振り回すのが、大迫力です。蕨じゃ危険すぎて絶対できない・・というか杖どうやって郵送するんだろう。2曲目あたりで魔法を披露するであろうシーンで、照明が暗くなり、盆の照明だけが青く照らされる。まるで魔法陣のようでキレイだった。3曲目で魔法勝負に敗れ?衣装をはぎ取られながら盆の方で囚われる。ベッドでは、犯されているような動きに息をのむ。魔導士らしく、左腕にタトゥーシールを貼っているのが玲ちゃんとしては珍しいかも。演目の流れがドラマチックでハラハラし、そしてベッドがめちゃくちゃエロいので、HIKARUさんすげーということもよく分かる(天狗はないよ)。ちなみに、某後輩踊り子さんに衣装を譲るという話を小耳に挟んだので、そろそろ見納めになるのかな・・。

まさご座で玲ちゃんを観た全体の感想として、まず最初に思ったのは「身体絞ってる~~!!お腹周りがスッキリ鍛えられている!足腰もいつも以上に細い!」でした。ビールの量は変わってないはずなので、トレーニングを重めにしたのかな。本人に聞いたら「立ち上がりや写真撮影でたくさんブリッジしているから、ブリッジダイエットだね」とのこと。ブリッジダイエット、効果はんぱない。

そして4個出し(いつもは2~3個出しが多い)ということからも分かるように、華やかに立派にトリを務めようという意識が強い。トリは、毎ステージのクライマックスという大役。トリが誰かでその週の客入りも大きく左右するので、劇場側もコースを切る時にトリを中心に組み立てるはず。ちなみに、まさご座はトリ専用の楽屋があるそう。玲ちゃんいわく、大道具や衣装を置くために段ボールだらけだとか。トリを飾ることは、客側が思う以上に踊り子さんは誇りやプレッシャーを感じるのではないでしょうか。

 せっかくなので、一言ずつ他の踊り子さんの感想も。

1.ゆきみ愛

華のトップステージ。よぉしストリップ観るぞ~という気持ちにさせてくださるベテラン。いつ拝見しても格好いいし、安定感がある。ダンスからベッド、立ち上がりまでの流れを一息でやってるんじゃない?というくらい滑らかで自然で無理がない。盆で裸を見せるだけで圧倒的迫力を感じる、すごい人。MCも上手くて、初めましてさんや団体さんたちへの絡みが上手い。みんながほっとする空気をつくりだしてくれる人。

2.浅井ひなみ(初出演)

デビュー間もない新人さん。初々しいダンスと笑顔が可愛らしく、頑張り屋さんなのがよく分かるので、色んな経験を積まれると良い踊り子さんになるだろうなと思う。本人、笑顔をつくるのがまだ苦手・・とのことで、一所懸命さがある反面、力が入りすぎているように見受けられるので、もっと肩の力抜いて、自然体でいいんだよーと言ってあげたい。オープン曲が好き。客席の方まで来てくれるサービス精神豊かな人。

3.葵マコ

芸達者で泣ける表現をされるストーリーテラー。まさご座で拝見する率が高い。きっと色々な人生経験があるんだろうな、あらゆる人の心の弱い部分や挫折、葛藤などを包み込んで抱きしめてくれるようなステージをされる。彼女に救われる人も多いだろう。黒猫の演目で、少年のズボンに黒猫のワッペンが縫い付けてあったり、細かいところにもこだわりが見える。伸びやかなエアリアルが爽快。

4.くるる(初出演)

くるる、ってお名前、秀逸だよなー。くるるんとカールした前髪、くるるんと曲線が美しいスレンダーな身体、くるるんとアクロバティックなダンス。彼女以上に「くるる」が似合う踊り子はいない。アイドルっぽい演目が似合う、可愛らしくも可愛いだけじゃなく、可能性を秘める人。

7日目の土曜日は、関東館などでもよくお見かけする玲ちゃんの応援さんたちが多数いらしていた。やー、先週はどうも、来週はいつ行く?なんて話していると岐阜にいるのを忘れる。4回目のトリまで見届けて、終演後の飲み会に混ぜていただいた。

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玲ちゃんや踊り子さんたちもよく行くという中華料理屋。初めて行ったんですがすごーーく美味しかった!焼き餃子や麻婆豆腐、麻婆茄子、エビマヨ、酢豚、バリメン、ラーメン、炒飯など何食べても全部味付けが違い、最高に美味しかった。中華で味を使い分けて飽きないようにするって、結構高度なのですよ。岐阜グルメ、奥が深そうだ。

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夜も更けて解散。一部の男性陣は柳ヶ瀬ナイト方面に進んで行った。私は明日もあるので大人しくホテルに戻る。連れ込み宿っぽい風情だけど、一泊3,000円という安さの割に設備がちゃんとしていた。

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ダンカンさんに、バレンタインデーのお返しで買ってもらったマスクなどを早速使いつつ、就寝。

翌朝はチビクロさんたちと開場前に合流し、岐阜ランチを教えていただいた。「丸デブ総本店」という老舗のラーメン屋らしい。店内でつじさんに遭遇して驚いた。え!今日はまさご座行かないの!1回くらい行こうよと煽りつつ、みんなでワンタンを啜った。薄ーいワンタンが蕎麦のような出汁感強いスープとマッチしていて、あっつあつで、とても美味しかった。

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その後、まさご座かぶりつき席で堪能。はるさんにも会えた。樹音さんの容態伺いつつ、また芦原乗るときは応援しに行こうねーと話す。

この日に帰るため、途中で離脱。それに、岐阜に来たら行かねばならぬ場所がある。「金津園」だ。

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金津園とは、中日本最大級のソープランド街。岐阜駅南口から徒歩3分、歴史は古く1888年に誕生した「金津遊郭」に端を発する。この場所に移ったのは1950年だったらしいけれど、最盛期は60軒以上の特殊浴場が立ち並んだ。今は、道路拡張工事の影響もあり、立ち退いた店も増えてきた。それでも店の駐車場は結構埋まっていたので、コロナ騒ぎのなか、濃厚接触したいお客さんは多くいるようだ。営業の邪魔にならないよう、さっと歩いて、必要に応じてボーイさんと話し、写真を撮らせてもらった。おごと温泉に行った時もそうだったけれど、人や特定できるものが写らなければ写真を歓迎してくれる店もある。いずれ無くなっちゃうから、記録残しておいてよ、と言われる。

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「想い出」は、連れ込み旅館の風情が残る老舗特浴で、好きな建物。玄関の柱タイルのなんと可愛らしいこと。調べたらリーズナブルだけど高評価なお風呂屋さんだった。私は客にはなれないので、誰か行って感想を聞かせてほしい。

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柳ヶ瀬商店街にも素敵な建物、横丁が多くある。夜は客引きが立ち並ぶ商店街も、昼間は閑散と眠っている。今作ろうと思っても、作れない建築や構造体ばかりなので、街場の文化遺産だと思うのだが。

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柳ヶ瀬本通りのアーケードを見上げると、5体の彫刻がいた。クリスティーヌ(平和な街に)、アントニオ(開運)、ソフィア(繁栄)、アリオン(常に学ぶ姿勢)、マリーヌ(感謝)を象徴するとのこと。

来るたびに色々な出会いや発見のある街、岐阜。今年は何回来られるかな。

川崎から鶴見まで歩いて、廃墟のような国道駅にたどり着く

川崎で目覚めた土曜日の朝。前日の狼藉は下記事の通り。

sakariba.hatenablog.com

金曜夜に呑むと、起きてもまだ土曜だからトクしたみたいで嬉しい。しかもお天気。10時にホテルを出て、まずは朝ごはんだ。「丸大ホール」は土曜は営業していないので、朝8時からやっている駅前の「養老乃瀧」で贅沢なブランチといたしましょう。

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午前中から呑むお酒って、どうしてこんなに甘美なんだろう?

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イカのワタまるごと煮をコンロでグツグツと煮ながら、健康と美容を意識した生レモンサワーに舌鼓を打った。男がおにぎりを鮭と明太子でもらうのを横目に、明太高菜バター石焼ごはんを夢中になって食べる。餃子とカキフライも追加で頼んで、気づけばレモンサワーの空きグラスが増えていく。まだ10時台だよ!

「今日は何する?」とプラン立て。昨夜映画観たし、この辺でマストな企画展やってないし、男女で川崎ロック座に行くほど野暮ぢゃない。グーグルマップを見て、そういえば鶴見に行ったことほとんどないなぁと思い、「川崎から鶴見方面を歩く」ことに決めた。京急線沿いは散歩をするのが楽しい町並み。特にこんなイイ天気のポカポカ陽気の日は、ノープランで歩くのがちょうどいい。

11時に店を経ち、なんとなくの方向でテクテク歩く。商店街を抜けて、川崎ロック座を越えて、南町の監視カメラの量にドン引きして(その昔やくざの事務所だらけだった名残?)、国道沿いに向かう。

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道中、住宅街のど真ん中に自由の女神が立つラブホテルを発見。(Twitterの識者によると昔からあるそう)横須賀や赤羽、吉祥寺にも自由の女神いるし、彫像づくりの専門業者がいるのだろうか。

侘び錆びな景色も不意に現れるので、道を行ったり来たり。

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こないだ「ソール・ライター展」を観たばかりなので、つい意識してライター風の構図で撮ってしまう。

鶴見市場駅あたり、駅前が渋くていい感じ。

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コードを巻いてるコレをテーブル代わりにする酒場、あるよね。

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川を越える。空が澄んでいる。

1時間半で鶴見駅へ着いた。せっかくだし總持寺をお参り。コンクリ建築の巨大寺を拝みましょう。

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あっ円楽さん、大和田伸也さん・・寄進者一覧に芸能人の名前がたくさん出ていた。

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曹洞宗大本山總持寺、大租堂。ピンクのスカートが場違いに目立つ。境内はかなり広く、一回りするのに1時間かかった。石原裕次郎(チャンユー)の墓参りもしていたからなんだけど。

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あまり人はおらず、苔むした風景も相まって、ちょっと遠出をした気分でいいね。都心のオアシス。

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旧い公衆電話(電話は撤去済み)もありました。

お寺を後にして、鶴見線の「国道駅」を観に。国道駅、ご存知ですか?鶴見線の存在自体初めて知ったんだけど、京浜工業地帯へ通勤するワーカーのために存在するようなマニアックな路線。總持寺からは歩いて20分くらい。

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廃墟のような駅の入り口!うそでしょ、昏すぎる。所見では気づかないかもしれない。ガード下、「三宝住宅社」の看板が格好いい。

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酒場の痕跡はいくつかあるものの、入口が封鎖されていたりして、おそらくほぼ廃業している模様。いずれ撤去されるかもしれない。昭和にワープしたような、時がとまった空間。

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白黒写真で撮ると雰囲気がある。立ちんぼにしか見えないよ。

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「男性募集」の例のポスター、怪しいところに貼られがち。

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堪能して、帰りは鶴見線に乗ってみた。休日は30分に1本の電車、無人改札。

鶴見駅、15時。この時間から営業していた居酒屋「とりいちず」で気楽におやつ。本日何杯目?のレモンサワーで乾杯。

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店内をよく見ると伊藤若冲の絵が(無断で)使用されており笑った。まさか若冲も鶏たちも、後世に「生つくね」「手羽先唐揚げ」のメニューを書かれると思ってなかっただろうな。

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川崎駅に電車で戻ってお昼寝した。2時間くらい爆睡して気持ちよかった。19時に解散して、京浜東北線御徒町に戻るぞ~と電車に乗ったら友人からゴハンの誘い。昼寝してリセットされたこともあって、新橋で降りて「何食べたい?辛いものとアッサリしたものだったら?」の二択で「激辛!」と元気よく答えたら、西麻布「胡同(フートン)」へ。持つべき友は飯屋に詳しい独身貴族。

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たぶん本日12杯目のレモンサワー呑みながら、二日連続の焼肉。お酒はじっくり呑むなら日本酒やワインなど醸造酒が好きだけど、焼肉や気楽な居酒屋ではサワーか焼酎が間違いないので頼みがち。「胡同」はマッコリも美味しかった。

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キムチと季節のナムル(芽キャベツとスイートコーン)からの、名物のネギタン塩やネギロース塩をバックバク食べて、「カムジャタン鍋」で野菜マシマシ、ラーメンでシメ。カムジャタン鍋は、骨付き肉とジャガイモがゴロンと入った辛い鍋。ちゃんと辛い。西麻布というオサレスポットだけど雰囲気が明るく健全なので、使い勝手いい店でオススメ。

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飛行機のマイルが余りまくっているからどっか行きたいとこある?と聞かれたので「3月頭にニューヨークで開催するアーモリーショウ♡」とふざけた回答をした。4月までは放蕩駄目人間で遊んで暮らしたい。

六本木まで送ってもらって、今度こそ御徒町に帰った。2日ぶりの猫たちに外泊を怒られた。ごめんってば。

「ジョジョ・ラビット」を観て、川崎の酒場を放浪する

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今年に入ってから最新作の映画のアタリをよく引きます。「男はつらいよ お帰り寅さん」、「パラサイト」など、制作者の情熱と狂気に拍手を贈りたい映画が連続する。ホラー映画を愛する私もトラウマになった「ヘレディタリー/継承」のアリ・アスター監督のヤバイ最新作「ミッド・サマー」がもうすぐ公開されるので楽しみすぎます。(アリ・アスター監督には日本の怖い風習や言い伝えをテーマにした映画を撮ってほしい)

さて、金曜の夕方、映画「ジョジョ・ラビット」を観に川崎TOHOへ。

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これは、「ジョジョの奇妙な冒険」の映画ではなく、第2次世界大戦下のドイツを舞台に、ジョジョ少年の日常を描くヒューマンドラマ。

ジョジョは時代柄立派な軍事教育を受け、国を愛し、ユダヤ人を憎み、ヒトラーを空想の友人に持つ少年。立派なナチ思想に染まった子どもなんだけれど、たまたま訓練中の事故で心と身体に傷を負ってしまうところから物語が始まる。麗しのお母さん役にスカーレット・ヨハンソン様。主要人物たちの役者も粒ぞろい。

WW2がテーマの映画と言えば、血と硝煙薫る戦場映画か、アウシュビッツの記憶が痛ましい歴史映画もあるけれど、この映画は「淡い美しい色」と「感性に響く映像美」が特徴。映画内では、ほとんどの時間が戦時中だったけれど、クスリと笑えるコメディやハッとするような美しい描写がたくさんあり、基本明るく、辛くはならない。

反ナチ映画では、クエンティン・タランティーノ監督の「イングロリアス・バスターズ」が痛快で大好きだけど(マシンガンをぶっ放せ!)、別の角度から反ナチを訴える、新鮮なつくりの作品だった。WW2経験者が少なくなり、ナチの悪行を知らない世代が増える中、驚くべきことに、アウシュビッツは存在しなかったという言論をする人もいる。(戦争の歴史修正は欧米では禁止されています)だからこそ、何故ナチスの考えは間違っていたのか、あの戦争で何が失われたのか、何度でも繰り返し伝えていかなければならない、のです。

いわばドイツ版「この世界の片隅に」とも言える映画。「この世界」は太平洋戦争時の呉が舞台で主人公は女性なので、好対照かも。どちらも、幼い目線から見た、戦争の高揚ムードと、それに抗う良心と知性を育むことの大切さが切実に伝わります。ラストシーンは涙なしには観られない。好きな人と踊りたくなる映画だった。

あ、時系列が前後するけれど、映画の前に「丸大ホール」へご出勤。気の合うひとと、明るい時間からワイワイ呑む酒は最高だ。テーブル席で一緒になったご夫婦と話しながら、ガラが悪かった川崎の昔話を聞いたりして、うっとりするような時間が過ごせた。

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お湯割りをもらって、ヤリイカの沖漬け、ねぎぬた、アナゴの天ぷら、ぶりのあら煮などをチビチビつまむ。丸大ホールに勤めて〇十年、テレビにもよく出演するという看板娘「まちこちゃん」に注文をせっつかれながら、店内にみっちりと貼られた大量の短冊メニューとにらめっこするのも楽しい。こういうオアシスがいくつかあるだけで、都会暮らしにも潤いが出るってモンよ。

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映画の後は、心地よい余韻を携えて路地裏へ。前から気になっていた「大衆酒場おなじみ」で肉を焼いた。まずはキムチで小手調べ。焼き肉屋はキムチの質で店のレベルが分かると父から教えられたものだ。よし・・いい感じ。レモンサワーも甘くなくて良いぞ。ハラミとホルモンと大動脈近くの「イカスジ」を頼んだ。どれも新鮮だし、イカスジはコリコリした食感が良い。ごま油に漬かったにんにく焼きもパワフルで好き。(ふつうはデートで頼むものではないけどね)

すっかり気分良くなって川崎ステイ。大きな浴槽に浸かってお酒を抜いて、おやすみなさい。次記事に続く。