盛り場放浪記

花街を歩くことが楽しみな会社員による、酒とアートをめぐる冒険奇譚。

福富町「焼肉太田」「バー曇天」に行く

ある朝起きたら11月も半ばに入ろうとしていた。ついこないだ2022年に入ったばかりだったのに、いつの間にか夏が終わり、秋を迎え、ひとつ年を重ねていた。

出張や〆切仕事に追われていると、めくったカレンダーの枚数も忘れてしまう。楽しかったことしか覚えていない都合のいい脳みそ。

 

最近食べた美味しいごはんの話をしよう。

福富町にできた「焼肉 太田」に行きました。関内関外の飲食店で話題になっているとのことで、「スパイスドランカーやぶや」藪さんが連れて行ってくれました。天才的(変態的)ひらめきを持つ神の舌の持ち主と行くごはん、どんなことになるでしょう。

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そもそも福富町で焼肉を食べる、というシチュエーションが良い。しかもラブホとソープランドに囲まれたエリアで。肉と肉欲を受け止める街。

「焼肉太田」は、幻の和牛と言われる「出雲かつべ和牛」を取り扱う、神奈川県唯一のお店。年間で約50頭しか出荷されない希少な黒毛和牛ということで、数々の品評会で優勝・入賞をしているそうです。年間50頭、福富町で食べ尽くしてしまうのではないか心配です。

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お店で待ち合わせ。私はこのところ仕事で通っている千葉帰りのためチョット疲れ気味。横浜から千葉の仕事場まではドアツードアで2時間半。名古屋に行けちゃう所要時間です。横須賀線に座っていればいずれ着くので最近は遠く感じなくなってきました。翌朝早い日が多いのでアルコール摂取量がめっきり減ったくらい。

さてどこから行きましょうか。クリ、ウチモモ、ウワミスジ、コサンカクをまずオーダー。

芸術品のような美しさ…!どのお肉もただ「柔らかい」だけではない、芳醇な香りと旨みがありました。年々赤身好きになっていく身体が欲しがっていた肉です。

合わせるお酒は焼酎のお湯割りにしました。お肉の甘みや旨みを消さないためにスッキリ飲めるタイプがよさげ。

日本人は江戸時代後期まで牛肉を食べつけなかったと言われますが、脂身の多いサーロインでなくさっぱりとした赤身肉ならどの時代の人も喜んで食べたと思う。牛肉からしか得られない栄養素があると信じている。

かつべ牛を部位を変えて食べ比べて思ったのは、全然食べ飽きないし胃もたれしないということ。味付けはシンプルにタレか塩のみなのに、どのお肉にも個性があって味わい深い。

ふつうの焼肉って、タンから始まってハラミ、カルビ、ちょっとホルモン食べたら肉欲が満たされちゃって「クッパ頼んでいい?」「わかめスープ飲みたい」とか誰かが言い出して、わずか30-40分で〆に入るというのに。

ここは無限に食える。なんなら上から下まで制覇したい。7つの大罪のうち「暴食」を犯すどころか、横のテーブルの人の食べているものが気になる「強欲」「嫉妬」、残りの1切れを巡って大人気なく争う「憤怒」、かつべ牛を食べたことない人にマウント取りたくなる「傲慢」、お腹いっぱい食べて動きたくなくなる「怠惰」、帰り道に3秒でラブホに立ち寄れる立地ゆえ「色欲」もクリアできてしまうという大罪スタンプラリーがこなせます。

人間の業を味わいに是非焼肉食べに行ってください。

 

食後は、目の前のビルにオープンしたバーにご案内いただきました。先日オープンしたばかりの、クラフトジンと濁り酒の専門店「曇天」さん。1階にクラブが入っており、会員制スナックとバーばかりの怪しげなビルですが安全でした。

ここがまた素晴らしかった。濁り酒のラインナップは横浜イチ間違いなし。クラフトジンもかなりの数揃ってます。

ママさんに今日の気分やおすすめを尋ねて、飲んだことのない銘柄に挑戦してみましょう。濁り酒は熱燗にしてもらうこともできます。

色々飲むうち、藪さんとママがブレンド酒(カクテル?)を作り始め、新しいアルコールが生まれる瞬間に立ち合ってしまった。

想像つきますか?香りの強いクラフトジンと、濁り酒を数種類ブレンドして、酒粕や柑橘、塩や砂糖を足しながら燗につけるドリンク。そのうちお店で出してるかもしれません。

 

やぶやしかり、曇天しかり、焼肉太田しかり、この界隈に尖った飲食店が続々オープンしていて、とっても面白い今日この頃。目が離せません。

あ、やぶやさんは毎週金曜日に日本酒バー営業を始めていて、そっちも最高です。いきなりコースを予約するのがハードル高い方は、まずはバー営業から入って、スパイス燗やスパイスおつまみを体験しちゃってください。営業時間などはInstagramTwitterに載ってます。

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さ、明日も千葉行き頑張るぞ〜!