アーツ千代田 3331「シド・ミード展」を観る
『シド・ミード展 PROGRESSIONS TYO 2019』を観ました。
SF映画の金字塔『ブレードランナー』(82年)および同シリーズ最新作『ブレードランナー2049』(2017年)、『エイリアン2』(86年)などの多数の大作ハリウッド映画の美術に携わった方として認識していましたが、『∀ガンダム』のモビルスーツのデザインなんかも手掛けていたのですね。そのおかげか、館内は意外と若い人が多かった。でも90%男性。30~40代男性がメイン層って感じ。
私はシド・ミードの完成作品より、スケッチ段階のエスキースが好きなので、このアプリはありがたかった。美術館や博物館でいろいろアプリがあるけれど、スケッチを見せるのは良い試みだなと思った。
グッズもいろいろ出ていたけれど、目玉は図録かな。連休中に売り切れたらしく、再版してくれという声がネットにあふれているよう。このまま入荷されなかったらオークション転売されそうなので、ぜひ重版してほしいところ。
新緑の季節、三溪園に行く
去年、加藤種男先生の『芸術文化の投資効果 メセナと創造経済』を読んで以来、暖かくなったら三溪園に行こうと決めていた。
芸術文化の投資効果 メセナと創造経済 (文化とまちづくり叢書)
- 作者: 加藤種男
- 出版社/メーカー: 水曜社
- 発売日: 2018/09/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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で、お天気のよさそうな日を選び、連休中に行きました。お天気がよいので、前日泊まっていた寿町から歩いて行きました。だいたい40分くらい。本牧のあたりは久しぶりだったのでお散歩も楽しい。
むかし磯子の方に住んでいたので、三溪園にはよく連れて行かれたらしい。ほとんど覚えていないけれど。初めて行く心持ちで、いざ。
実業家として成功を収め、芸術を愛した原三溪がつくりあげた理想郷、三溪園。面積はなんと175,000㎡。広大な敷地のなかには、京都や鎌倉など歴史的建造物も数多く移築しており、横浜版たてもの園としても楽しめる。いち個人がこれだけの規模の庭園を作り上げたことは驚きに値する。戦後、三溪園は横浜市に寄贈され、維持管理も横浜市がしている。(もっとも、維持管理すべき項目が多すぎるので、庭や道の整備なんかは下請けの下請けに出され、最終的に寿町のおじちゃんたちの日雇い仕事になっていたりする、と寿町の飲み屋で聞いた。)
マップを見ながらうろうろ歩き、2時間半ほどで見学可能施設をコンプリート。きらきらきらめく新緑のなか、一生懸命配置を練られた庭園の道を散策し、命の芽吹きを感じさせる春の植物や、大切に使われ続ける古建築を見た。連休中と言えども混雑でごった返すことはなく(そりゃそうだ、こんなに広いんだし)、むしろヒト気の無い空間のほうが多い。結婚式の前撮りする花嫁・花婿さんとすれ違ったり、和服を着た外国の方が楽しそうに写真を撮っていたり、赤ちゃんを連れたファミリーがベビーカーを押していたり、原さんが生きていたら見せてあげたい、幸せな光景が多かった。時代が変わっても愛されていて、いいなぁ。大事なひとと来たい場所だ。いつかまた来られますようにと三溪園天満宮にお願いしたので、きっとまた行きます。
横浜美術館の次回の企画展が原三渓コレクションなので、原さんにはすぐ会えそうです。またねー。
熊本市現代美術館「大竹伸朗 ビル景」「浦川大志&名もなき実昌二人展」を観て、餃子を食べる
衝撃の「村上隆 バブルラップ」展から早1ヶ月。またまた熊本市現代美術館がやってくれました。大竹伸朗展!いや、ほんと、担当学芸員さんと桜井館長天晴れ。ここ数年、東京や大阪でも観られないレベルの現代美術展が熊本で開催されている。みんなおいでよ熊本!
さて、「ビル景」展は、大竹伸朗が約40年間にわたって制作し続けてきた「ビル景」シリーズ800点以上、未発表作品から最新作まで展示しちゃう企画展。このあと水戸芸術館に7月13日~10月6日、巡回するそうです。
「ビル景」とは、現実の風景をそのまま描いたものではなく、大竹の中に記憶された香港やロンドン、東京といった様々な都市の湿度や、熱、騒音、匂いなどがランダムにミックスされ、「ビル」という形を伴って描き出される仮想の風景。要するに都市や時代の心象風景ですね。
これまで大竹さんの作品で一番好きなのは《直島銭湯「I♥湯」》でしたが、「ビル景」格好良いわ。数点ずつしか観たことなかったので、まとめて観て印象変わりました。すごく上手いし計算高いし、題材が好み。絵画の上で勝負できるアーティストなんだね。
熊本でこの展示が始まったの、本当にすごいし、私は熊本って「ビル文化」のある街だと思っている。美術館を出ると、あちらこちらにビルが集まっている。東京みたいににょきにょき高いオフィスビルじゃなくて、居酒屋やスナックやクラブやバーがぎゅうぎゅう入居するテナントビル。熊本の人たち、ビル名で会話したりするし。「今日の飲み会の店どこ?」「蘇州ビル!」「ああ、キャサリンズバーの向かいね」とか。ビルが日常の中で息づいているのが良いなと思う。そういえば「熊本ビル部」という、熊本の建物リサーチを行う素敵な団体の活動も活発だ。
カフェが4月から閉まっていたので、業者さんでも変わるのかしら。新装オープンが待ち遠しいですよ。
さて、熊本市現代美術館に深々とお辞儀をして、街に戻る。めしにしましょう。美術館出て数秒で酒が飲める熊本、LOVE・・。いつもなら市役所勤めの友人やその辺で働いてる人たちに声かけるんですが、今夜はたまには一人飲み。餃子DAYにしたいからです。
日本人は餃子好きと言われますが、私は常軌を逸した餃子好きなので、1日2食餃子でもいいし、1食につき30個は食べたい。餃子を食べたい日は、餃子以外のメニューは注文しなくてもいいくらい。ビール餃子餃子ビール餃子餃子餃子。餃子ってなんでこんなに美味しいんだろうね?ちなみに熊本では「ぎょうざの丸岡」もあるけれど営業時間が短いので要注意。
アレッ何しに熊本来たんだっけ?と言うほど満喫してますが、仕事で阿蘇にも行きました。業務上写真は挙げられないので、「道の駅 あそ望の郷くぎの」に鎮座する「ラブチェア」をご覧ください。みんな熊本においでよ!
八丁堀のスペインバル「maru」で食べまくる
良いバルの条件とは「旨くて安い酒と肴」が供されることである。客は、安かろう悪かろうではなく「エッ、この価格でこのクオリティ!?」という感動を求めている。八丁堀には良いバルが多く、「maru」はバルブームの先駆けと言える名店。老舗酒屋の宮田屋が運営。1階はスタンドバー、2階は炭火焼きがメインのビストロ、3階はちょっと良いレストラン。同じビル内で同じ運営会社による飲食店で、シーンによってフロアを使い分けられるというスタイル。
先月の麻布十番「可不可」の食事会で知り合った揚羽の湊さんと、今夜は2階で呑みましょう。スパークリングワインで乾杯!maruは食事メニューが豊富なので「どうしよ~迷っちゃう~」と可愛いこぶっていたら、「全部頼んじゃえ!好きなだけ食べていいよ!」という神の声。よっしゃ食べよう!
パスタまで食べたのに、まだちょっとおなかに余裕のある二人は、鴨の串焼きと牛串焼きとブラジリアンソーセージと、あとクレソンとアボカドのサラダを追加オーダー。店員は「よく食べる二人だなぁ」と笑っていた。ちなみにクレソンとアボカドのサラダもべっくら美味かった。ワインはボトル2本分くらい呑んだ。
結局4時間以上飲み食いしていたわ。たくさん食べて呑む方との食事は楽しい!ストリップと風俗の話ばかりしていた気がするけど、ありがとうございました。
八丁堀は丸ノ内あたりから来るサラリーマンも多いらしく、こういう良い酒場の多いエリアで勤めたいものです。また呑みましょう。
横浜ロック座と、狸小路「豚の味珍」に行く
横浜ロック座4月中公演の最終日駆け込み。鈴香音色さん目当て。香盤は須王愛さん、沢村れいかさん、雨宮衣織さん、鈴香音色さん、南まゆさん。
大阪の東洋ショー以来の鈴香音色さん、肉感的で大好き。扇情的なダンスがよく似合う。私は割と、スレンダーできれい系な方に惹かれる傾向があるのですが、お尻を鍛えている踊り子さんにはノックアウトです。ブルンブルン跳ねる音色さんのお尻に釘付けになり、「ケツ筋鍛えよう・・」そう思いました。
沢村れいかさん、浅草ロック座でよく拝見しており、こないだの「TO」も素敵でした。ご本人は明るくキュートで、握力が強い。握手のときギュッっと力強く握られて、ますます好きになっちゃった。この日のお客さんは南まゆさんファン(まゆんちゅ)が多くて、一体感を感じた。まゆんちゅ、若いお兄さんが多いよね。ポラタイムで踊り子さんがサインペンを忘れちゃって「誰か持ってない~~?」と聞いたとき、男性陣が一斉に鞄を探り、1番乗りの男性がサッとペンを差し出したのは驚いた。なんと5秒で!彼もまゆんちゅらしく、ストリップファンはサインペンを持ち歩くのかな?
紹介する店に偏りがあるのはお許しください。モツとか内蔵とかが死ぬほど好きなのです。一人飲みならば本店1階の戸を開け、カウンター空いてるかを確かめましょう。たとえ満席でも、女性1人は珍しいのか店内のお客に歓迎され、あれよあれよと1人分の席が用意されます。男性は分からん。
飲み物はビールもありますが、「やかん」(380円)を呑みましょう。その名の通り、やかんに入った焼酎です。大将(小川さん)が、やかんの中に入った宝焼酎(アルコール25度)をストレートでグラスになみなみ注いでくれます。もし、ストレートがキツイ場合は、カウンターに置かれた梅のシロップを注ぐことで甘くできるそうですが試したことはまだありません。
注文の仕方は簡単で、豚の部位をそのまま言えば注文が通ります。「足ください!」と言えば「豚の足」が出てくるし、「しっぽ!」と言えば「豚の尾」が出てくる。ツケダレとして、からしと酢と特製タレを混ぜ合わせ、豚肉に付けて食べるのが良い。初めてのお客さんには大将がレクチャーしてくれる。
この店は1~2杯呑んでサッと立ち去るのが粋。3杯以上は大将からストップがかかる。焼酎ストレートは後から腰にくるからね。
常連さんたちの顔ぶれも様々で、近隣にお勤めの人もいたりそうでなかったり。皆さんとても優しく、女好き。私も横浜に来たら絶対寄る店のひとつ。この日は2ヶ月ぶりくらいの来店で、ちょっと間が空いてしまっていた。呑み始めると、大将が「これ、預かってる」と冷ケースから封筒を取り出して渡してくれた。
最初私の写真だけだったけど、大将が「自分の写真は抜いといたんで・・」と言うので、「欲しい!!」とお願いして付けてくれた。2ヶ月間、冷ケースの中に写真をしまい込んでくれていた大将を思うと感謝しかない。
小川さん、還暦超えて、シブくて素敵なんだよ。私が常連さんたちに絡まれないよう目を光らせてくれていて、「この娘、おれの娘だから、むやみに話かけたり、指一本触れちゃなんねぇよ」と宣言してくれる。やはり男は60過ぎてからが本番だ。
2杯呑んで引き上げ。「次回は豚足かな・・もうすぐハチノス出るかな」早くも次回の来店が楽しみなのでした。
LIXILギャラリーと三菱一号館美術館に行き、立石で呑む
いま、東京駅近辺で面白い展示を観たいなら、LIXILギャラリー「吉田謙吉と12坪の家-劇的空間の秘密-」展に行くべし。吉田謙吉だれ?って人がほとんどな気がしますが、マルチな才能を持った舞台装置家です。ま、前知識はいいから銀座へGO。12坪、約40㎡の狭小住宅(家族3人の住居)にステージと観客用ホールつくっちゃったおじさんに出逢えます。
図録も買い、大々満足。ついでに歩いて三菱一号館美術館へ。「ラスキン生誕200年記念 ラファエル前派の軌跡」展へ。ラファエル前派展、3~4年に一度、大々的に開催するよね。また来てくれて嬉しいね。
いいもの観ました。夕方にさしかかり、ハンザワのオジキが柴又にいるというので、立石で飲むことに。
今夜もベロベロになって解散。立石という酒のワンダーランドに電車で10分で行ける我が家、すばらしい・・。
東京都現代美術館のリニューアルオープンに行く+下町酒場めぐり
♪夜風がしみる 屋台の隅で 熱燗二合の 手酌酒 ふた冬越えて 三年め 酔えば聴こえる くにの民謡(うた)――「三年め」歌:奥山えいじ
3年待ちました、何を?東京都現代美術館のリニューアルオープンを!
1995年の開館から20年を経て、経年劣化に伴う諸設備の改修と利便性の向上のため、2016年から約3年間にわたって休館していたのです。MOTへは毎企画展を観に通っていたし、大学生・大学院生時代にアルバイトやインターンや学芸員実習などでもお世話になった美術館。日本の現代美術ってオモロイなぁと気づかせてくれた場所です。さて、どこが変わったのかなぁ?
①エントランスカウンターの一新
②サインの一新
③木場公園側のアプローチを軸としたパブリックスペースの整備
④美術図書室の改装
⑤レストラン、カフェ&ラウンジに新店舗がオープン
⑥ミュージアムショップの再オープン
さて、「百年の編み手たち - 流動する日本の近現代美術 -」は企画展示室3フロア全てを使って、1910年代から現在までの新進気鋭な作品を紹介する展示で、かなりのボリューム。14章(!)もあるのにずっとテンションが変わらず、施設じたいはカジュアル感をウリにしているのに展示は「多い」「重い」「媚びない」姿勢がよかった。疲れたら休んでもいいよというスタイルなんだろうけど、一方通行動線だから途中でカフェなんかに抜けられないので、子どもには疲れるかもしれない。あと、学芸員さんによって担当章が違うのか、解説文のフォントサイズがちょいちょい変わるのが気になった。
館内所要時間は、展示だけなら2時間、建築やショップも見るなら3時間半、カフェに寄るなら4時間てところか。めちゃくちゃコスパいいですね。ちなみに私は、最初16時前に来たんですが、閉館18時の時点で企画展ようやく観終わったくらいでした。コレクション展に一歩も入れなかったので、翌日朝から行ってリベンジしました。
そんな2日目。午前中MOTたっぷり観て、次に向かうは清澄庭園!清澄白河に来てMOTだけで帰るのはもったいない。
3年前は、清澄白河に来たらMOTの帰りに「アートの最前線」とも呼ばれていた倉庫ビル「清澄白河ギャラリーコンプレックス」に行って、現在進行形で活躍している現代美術を観たものです。作品を収蔵するMOTと販売するギャラリーコンプレックス、両方行けるのは魅力だった。今はギャラリーは天王洲などに移転しちゃって、時代の移り変わりを感じます。
さて、下町エリアの魅力は酒場です。MOTに来たらみんな夕方どこに行く?おすすめは門前仲町と錦糸町です。両方電車でも行けるけど、徒歩圏内なので散歩も楽しい。
A 門前仲町
渋い佇まいをした酒場が多く、ローカル感を楽しめる。一時話題になった富岡八幡宮へも行ける。ラブホはない。
「だるま」はカウンターに座ると、自然と周りのお客さんとトークが始まる。この日は「だるま」に週5で数十年通うおじさん(もはや店員?)に出会った。門前仲町のおすすめ飲食店を教えてもらい、この日は「南光軒」へ。
B 錦糸町
錦糸町のいいところはラブホがたくさんあるから、帰りたくなくなっても大丈夫なところです。ゴマキの行ったラブホはどこだろう?場所によって治安が悪いけれど、楽しい歓楽街です。
おまけ 錦糸町のラブホテル
MOT、行きたくなったでしょうか。アートあり、自然あり、うまい酒場あり、変なラブホありの楽しい下町エリア、ぜひ一度お越しください。