盛り場放浪記

花街を歩くことが楽しみな会社員による、酒とアートをめぐる冒険奇譚。

アーツ千代田 3331「シド・ミード展」を観る

シド・ミード展 PROGRESSIONS TYO 2019』を観ました。

sydmead.skyfall.me

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11時のオープンに合わせて行ったら、館内の階段はすでに長蛇の列。30分ほど待って入館。平日はそうでもないと思います。

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展示入り口。この写真、若い頃のですよね。今のお姿も見たいなぁ。

SF映画の金字塔『ブレードランナー』(82年)および同シリーズ最新作『ブレードランナー2049』(2017年)、『エイリアン2』(86年)などの多数の大作ハリウッド映画の美術に携わった方として認識していましたが、『∀ガンダム』のモビルスーツのデザインなんかも手掛けていたのですね。そのおかげか、館内は意外と若い人が多かった。でも90%男性。30~40代男性がメイン層って感じ。

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3331はそんなに広くないので、通路が狭め。照明が作品のアクリルに反射して見づらかった。

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やたらとスマートフォンをいじっているお客さんが多いなと思ったら、専用アプリのコンテンツを見ている人が多かった。

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どんなアプリかというと、スマホを通じて特定の作品を見ると、その作品に関するコンテンツが出るのです。これはARが浮き上がるパターン。

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スケッチ段階の作品が見られるパターン。ARのものと同一作品です。

私はシド・ミードの完成作品より、スケッチ段階のエスキースが好きなので、このアプリはありがたかった。美術館や博物館でいろいろアプリがあるけれど、スケッチを見せるのは良い試みだなと思った。

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大型作品のスケッチも。この作品は動画も付いていた。音が流れるので、展示室内では遠慮して消音にしている人も。

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通して見ても、やはり初期の作品に惹かれる。アメリカの雑誌の広告ページに載っていそうな、古き良き時代の雰囲気が好き。

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とは言いつつ、ガンダムコーナーで写真を撮る。

グッズもいろいろ出ていたけれど、目玉は図録かな。連休中に売り切れたらしく、再版してくれという声がネットにあふれているよう。このまま入荷されなかったらオークション転売されそうなので、ぜひ重版してほしいところ。

新緑の季節、三溪園に行く

去年、加藤種男先生の『芸術文化の投資効果 メセナと創造経済』を読んで以来、暖かくなったら三溪園に行こうと決めていた。

芸術文化の投資効果 メセナと創造経済 (文化とまちづくり叢書)

芸術文化の投資効果 メセナと創造経済 (文化とまちづくり叢書)

 

 で、お天気のよさそうな日を選び、連休中に行きました。お天気がよいので、前日泊まっていた寿町から歩いて行きました。だいたい40分くらい。本牧のあたりは久しぶりだったのでお散歩も楽しい。

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青空がきれい。ハマは海の印象が強いけれど、川の景色も好き。

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本牧周辺の商店街がシブい。どこかで朝ご飯を食べようとしたけれど喫茶店すらない。

むかし磯子の方に住んでいたので、三溪園にはよく連れて行かれたらしい。ほとんど覚えていないけれど。初めて行く心持ちで、いざ。

www.sankeien.or.jp

実業家として成功を収め、芸術を愛した原三溪がつくりあげた理想郷、三溪園。面積はなんと175,000㎡。広大な敷地のなかには、京都や鎌倉など歴史的建造物も数多く移築しており、横浜版たてもの園としても楽しめる。いち個人がこれだけの規模の庭園を作り上げたことは驚きに値する。戦後、三溪園横浜市に寄贈され、維持管理も横浜市がしている。(もっとも、維持管理すべき項目が多すぎるので、庭や道の整備なんかは下請けの下請けに出され、最終的に寿町のおじちゃんたちの日雇い仕事になっていたりする、と寿町の飲み屋で聞いた。)

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感想は、どの風景を切り取っても美しいこと。どこから見ても破綻せず、個性ある風景が見られる庭園ってなかなかない。おかげで写真を撮りまくってしまう。季節ごとに楽しめるんだろうな。通う人の気持ち、分かるわぁ。(煙突のことは気にしない)

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初めて全体をまわるならば、春か秋がおすすめ。なぜなら夏は直射日光と暑さで死ぬからです。秋も紅葉シーズンは寒いかも。起伏が激しいので歩きやすいスニーカー推奨。

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展望台を上ると、工業地帯が広がっている。運がいいと富士山が見えます。見えました。

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「旧矢箆原家住宅」は大きな茅葺屋根が印象的な合掌造の建物。気分は岐阜。

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館内、2階で古い民具の展示を行っています。照明も少なく、外から来たうちは目が慣れずに展示に気づかない人もいるけれど、なかなか見応えがあります。

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扇が彫られた欄間も見所。畳や襖もきれいで、大事に手入れされていることが分かります。

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畳があると寝転びたくなります。お行儀悪いですが、ひんやりして気持ちいい。なんだかアラーキー風な激写。

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茅葺きや建築を持たせるため、年末年始以外、囲炉裏には火がくべられている。家の中は煙たいけれど、たまりません。

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三溪記念館では、原三溪に関する資料、三溪自筆の書画、 ゆかりの作家作品や美術工芸品、臨春閣の障壁画などを展示。定期的に展示替えをしているみたい。

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旧燈明寺本堂で、美術保存修復センター横浜による、文化保存修復の紹介(油彩画、掛軸、仏像など)が行われていました。

マップを見ながらうろうろ歩き、2時間半ほどで見学可能施設をコンプリート。きらきらきらめく新緑のなか、一生懸命配置を練られた庭園の道を散策し、命の芽吹きを感じさせる春の植物や、大切に使われ続ける古建築を見た。連休中と言えども混雑でごった返すことはなく(そりゃそうだ、こんなに広いんだし)、むしろヒト気の無い空間のほうが多い。結婚式の前撮りする花嫁・花婿さんとすれ違ったり、和服を着た外国の方が楽しそうに写真を撮っていたり、赤ちゃんを連れたファミリーがベビーカーを押していたり、原さんが生きていたら見せてあげたい、幸せな光景が多かった。時代が変わっても愛されていて、いいなぁ。大事なひとと来たい場所だ。いつかまた来られますようにと三溪園天満宮にお願いしたので、きっとまた行きます。

横浜美術館の次回の企画展が原三渓コレクションなので、原さんにはすぐ会えそうです。またねー。

harasankei2019.exhn.jp

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すべり込み餃子。街中に戻り、餃子の翠葉 本店にて。リーズナブルで量が多い。

 

熊本市現代美術館「大竹伸朗 ビル景」「浦川大志&名もなき実昌二人展」を観て、餃子を食べる

衝撃の「村上隆 バブルラップ」展から早1ヶ月。またまた熊本市現代美術館がやってくれました。大竹伸朗展!いや、ほんと、担当学芸員さんと桜井館長天晴れ。ここ数年、東京や大阪でも観られないレベルの現代美術展が熊本で開催されている。みんなおいでよ熊本!

sakariba.hatenablog.com

さて、「ビル景」展は、大竹伸朗が約40年間にわたって制作し続けてきた「ビル景」シリーズ800点以上、未発表作品から最新作まで展示しちゃう企画展。このあと水戸芸術館に7月13日~10月6日、巡回するそうです。

www.camk.jp

「ビル景」とは、現実の風景をそのまま描いたものではなく、大竹の中に記憶された香港やロンドン、東京といった様々な都市の湿度や、熱、騒音、匂いなどがランダムにミックスされ、「ビル」という形を伴って描き出される仮想の風景。要するに都市や時代の心象風景ですね。

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通町筋から美術館を臨む。今回ののぼりはモノクロでおとなしめ。

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展示入り口は久々に右側から。展示室の使い方、毎回工夫が凝らされていて面白い。

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《bldg.》(1984年)よ、良さ~~!!冒頭のこの作品好きだ。シンプルな構図とは裏腹に、油彩のディテールが凝っていて見応えがある。

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見通しの良い展示。壁に絵画、展示台に資料やスケッチ。たしかに展示数が多くて、美術館の気合いを感じます。

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展示台。ここではあまり観たことのない什器だけど、こんなにたくさん持っていたのですね。国立近代美術館が好みそうな、アクリルを載せただけのシンプルなつくり。

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平日だからか、お客さんは少なめ。村上隆展もそうだったけど。おかげで独り占めできます。

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「日常とビルの窓」シリーズ。イカス。なんでこんなに格好良いんだ。《キカイダー好きの青い女》良い。

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「ボロッボロ」と題されたコーナー。以下抜粋。「『度を超えたボロッボロ』のモノに出会うと反射的に気持ちが反応する」分かる~~!!

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新作《ビル景A》(2019年、和紙・鉄)。これぞ詫び錆び。和紙の質感がたまんない。

これまで大竹さんの作品で一番好きなのは《直島銭湯「I♥湯」》でしたが、「ビル景」格好良いわ。数点ずつしか観たことなかったので、まとめて観て印象変わりました。すごく上手いし計算高いし、題材が好み。絵画の上で勝負できるアーティストなんだね。

熊本でこの展示が始まったの、本当にすごいし、私は熊本って「ビル文化」のある街だと思っている。美術館を出ると、あちらこちらにビルが集まっている。東京みたいににょきにょき高いオフィスビルじゃなくて、居酒屋やスナックやクラブやバーがぎゅうぎゅう入居するテナントビル。熊本の人たち、ビル名で会話したりするし。「今日の飲み会の店どこ?」「蘇州ビル!」「ああ、キャサリンズバーの向かいね」とか。ビルが日常の中で息づいているのが良いなと思う。そういえば「熊本ビル部」という、熊本の建物リサーチを行う素敵な団体の活動も活発だ。

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作品830点を収録し、特製活版画まで付いた画集も販売しています。10,584円とお値段も豪華!でも我々は横浜美術館の「村上隆スーパーフラット」展の図録が10,800円で、しかも発売が遅れまくったことを経験しているので、「よく展示に間に合ったなぁ」と感動しています。

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ギャラリーⅢでは、浦川大志&名もなき実昌 二人展「終わるまで終わらないよ」を開催中。この二人をチョイスした学芸員さんもスゴイ。

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展示の挨拶文を読んで、なるほどと思う。熊本地震を経験した地域だから、平成が終わろうとも復旧・復興が終わるまでは終わらないし、その後も終わることはないんだなぁ。

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今回の展示は、学芸員の佐々木玄太郎さんよりお話があったそう。この二人の作品はかなりエッジが立っている(ウェブから拾ってきた画像を無断使用、暴力描写アリ)ので、公立施設で展示されるとは思わなかった。

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元号「令和」が組み込まれた作品、初めて観たよ。

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ちなみに熊本市現代美術館は無料エリアが多く、市民の憩いの場でもあります。淺井裕介の作品で彩られたキッズスペースで遊べるなんて、熊本は本当すごい。

カフェが4月から閉まっていたので、業者さんでも変わるのかしら。新装オープンが待ち遠しいですよ。
さて、熊本市現代美術館に深々とお辞儀をして、街に戻る。めしにしましょう。美術館出て数秒で酒が飲める熊本、LOVE・・。いつもなら市役所勤めの友人やその辺で働いてる人たちに声かけるんですが、今夜はたまには一人飲み。餃子DAYにしたいからです。

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勢いのある餃子屋「弐ノ弐」。ハッピーアワーは焼き餃子とビールが半額なのです。18時前には市役所の人たちが続々と来店する。

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焼き餃子2人前と生ビール1杯で530円。安すぎて涙が出る。ここの餃子は甘みが強く、卓上に専用タレしかなくアレンジはできない。とりあえず4人前いただきました。

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お次は「扇里」。飲み屋のお土産として人気を誇る。イートインよりテイクアウトのお客さんの方が多いのでは。

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扇里の餃子は小ぶりで扇形。きれいに並べられたカリカリパリパリの餃子を1つ口に含み、冷えたビールで流し込むのが好き。

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コスパの良い居酒屋「アントニオ」で、焼き餃子・水餃子・豚骨餃子。シンプルな焼き餃子は地元民にも評判が良い。あと茹でタンも旨い。

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日本人は餃子好きと言われますが、私は常軌を逸した餃子好きなので、1日2食餃子でもいいし、1食につき30個は食べたい。餃子を食べたい日は、餃子以外のメニューは注文しなくてもいいくらい。ビール餃子餃子ビール餃子餃子餃子。餃子ってなんでこんなに美味しいんだろうね?ちなみに熊本では「ぎょうざの丸岡」もあるけれど営業時間が短いので要注意。

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熊本のシメはやっぱりラーメン。「ライフイズジャーニー」の濃い方「ここから」が本当旨い。人生とはサ、長い旅なんだヨと語りかける一杯が沁みます。

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アレッ何しに熊本来たんだっけ?と言うほど満喫してますが、仕事で阿蘇にも行きました。業務上写真は挙げられないので、「道の駅 あそ望の郷くぎの」に鎮座する「ラブチェア」をご覧ください。みんな熊本においでよ!

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性具です。「究極の全自動ピストンマシーン」と呼ばれ、海外で人気らしい。旧いラブホテルにもたま~にある。マジでなんで阿蘇にあるんだ?

www.news-postseven.com

八丁堀のスペインバル「maru」で食べまくる

良いバルの条件とは「旨くて安い酒と肴」が供されることである。客は、安かろう悪かろうではなく「エッ、この価格でこのクオリティ!?」という感動を求めている。八丁堀には良いバルが多く、「maru」はバルブームの先駆けと言える名店。老舗酒屋の宮田屋が運営。1階はスタンドバー、2階は炭火焼きがメインのビストロ、3階はちょっと良いレストラン。同じビル内で同じ運営会社による飲食店で、シーンによってフロアを使い分けられるというスタイル。

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先月の麻布十番「可不可」の食事会で知り合った揚羽の湊さんと、今夜は2階で呑みましょう。スパークリングワインで乾杯!maruは食事メニューが豊富なので「どうしよ~迷っちゃう~」と可愛いこぶっていたら、「全部頼んじゃえ!好きなだけ食べていいよ!」という神の声。よっしゃ食べよう!

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宮崎県産岩牡蠣。こんなに大きい立派な牡蠣はじめてで、口に入らないよ!なんてカマトトぶらず、一口でペロリ。海のミルクを感じる。上手すぎてこの後お代わりしました。

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季節限定・ホワイトアスパラガスのグリエールチーズソース。筋ばったところは無く、とろける食感。春といえばホワイトアスパラガスですねぇ。

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スペイン産最上級ハモンイベリコ・ホセリートの盛り合わせ。「私、生ハムの原木欲しいんです」と呟くと「あれ可食部少ないぜ?」と答える湊さん。経験豊富な男って素敵。でも原木欲しい。骨は煮出して豚骨スープ作りたい。

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カリフラワーのムースと生ウニのコンソメジュレがけ。キングオブ酒に合う!生ウニのピュルピュルした旨味とカリフラワーのポクポクとした風味がこんなにマッチするとは。

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子羊のロースト。肉が柔らかくジューシー。赤ワインを持て!最後は骨までしゃぶりましょう。

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九条ネギとカラスミのペペロンチーノ。「俺ダイエット中だから・・」という湊さん。ダイエットとは今のところ無縁の私は、炭水化物が友達です。

パスタまで食べたのに、まだちょっとおなかに余裕のある二人は、鴨の串焼きと牛串焼きとブラジリアンソーセージと、あとクレソンとアボカドのサラダを追加オーダー。店員は「よく食べる二人だなぁ」と笑っていた。ちなみにクレソンとアボカドのサラダもべっくら美味かった。ワインはボトル2本分くらい呑んだ。

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デザートは、ココナッツアイスとマスクメロンのスープ仕立てと、ベリーアイスと本日のタルト。ココナッツアイスのサッパリとした甘さが食後にぴったりで、ほとんど独り占めした。

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ワインセラーをバックによく食べた二人。湊さんエエ顔している。

結局4時間以上飲み食いしていたわ。たくさん食べて呑む方との食事は楽しい!ストリップと風俗の話ばかりしていた気がするけど、ありがとうございました。

八丁堀は丸ノ内あたりから来るサラリーマンも多いらしく、こういう良い酒場の多いエリアで勤めたいものです。また呑みましょう。

横浜ロック座と、狸小路「豚の味珍」に行く

横浜ロック座4月中公演の最終日駆け込み。鈴香音色さん目当て。香盤は須王愛さん、沢村れいかさん、雨宮衣織さん、鈴香音色さん、南まゆさん。

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桜木町駅から歩いて10分。日の出町駅から歩いて2分。ちょっと猥雑なエリアです。

大阪の東洋ショー以来の鈴香音色さん、肉感的で大好き。扇情的なダンスがよく似合う。私は割と、スレンダーできれい系な方に惹かれる傾向があるのですが、お尻を鍛えている踊り子さんにはノックアウトです。ブルンブルン跳ねる音色さんのお尻に釘付けになり、「ケツ筋鍛えよう・・」そう思いました。

沢村れいかさん、浅草ロック座でよく拝見しており、こないだの「TO」も素敵でした。ご本人は明るくキュートで、握力が強い。握手のときギュッっと力強く握られて、ますます好きになっちゃった。この日のお客さんは南まゆさんファン(まゆんちゅ)が多くて、一体感を感じた。まゆんちゅ、若いお兄さんが多いよね。ポラタイムで踊り子さんがサインペンを忘れちゃって「誰か持ってない~~?」と聞いたとき、男性陣が一斉に鞄を探り、1番乗りの男性がサッとペンを差し出したのは驚いた。なんと5秒で!彼もまゆんちゅらしく、ストリップファンはサインペンを持ち歩くのかな?

2回分鑑賞し、横浜駅へ。狸小路でイッパイやりましょう。

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横浜駅西口モアーズの裏あたり。昭和の香りぷんぷんの横丁。

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モツの名店「味珍(まいちん)」。味珍でまいっちんぐ

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紹介する店に偏りがあるのはお許しください。モツとか内蔵とかが死ぬほど好きなのです。一人飲みならば本店1階の戸を開け、カウンター空いてるかを確かめましょう。たとえ満席でも、女性1人は珍しいのか店内のお客に歓迎され、あれよあれよと1人分の席が用意されます。男性は分からん。

飲み物はビールもありますが、「やかん」(380円)を呑みましょう。その名の通り、やかんに入った焼酎です。大将(小川さん)が、やかんの中に入った宝焼酎(アルコール25度)をストレートでグラスになみなみ注いでくれます。もし、ストレートがキツイ場合は、カウンターに置かれた梅のシロップを注ぐことで甘くできるそうですが試したことはまだありません。

注文の仕方は簡単で、豚の部位をそのまま言えば注文が通ります。「足ください!」と言えば「豚の足」が出てくるし、「しっぽ!」と言えば「豚の尾」が出てくる。ツケダレとして、からしと酢と特製タレを混ぜ合わせ、豚肉に付けて食べるのが良い。初めてのお客さんには大将がレクチャーしてくれる。

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今夜は豚の頭。口に含むとトロトロの脂がジュワリと広がる。ポクポクとした豚の甘みとタレの爽やかさを感じながら焼酎をゴクリ。

この店は1~2杯呑んでサッと立ち去るのが粋。3杯以上は大将からストップがかかる。焼酎ストレートは後から腰にくるからね。

常連さんたちの顔ぶれも様々で、近隣にお勤めの人もいたりそうでなかったり。皆さんとても優しく、女好き。私も横浜に来たら絶対寄る店のひとつ。この日は2ヶ月ぶりくらいの来店で、ちょっと間が空いてしまっていた。呑み始めると、大将が「これ、預かってる」と冷ケースから封筒を取り出して渡してくれた。

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最近カメラを始めたというお客さん(75)が撮影した写真。なぜか店内で流通していた。

最初私の写真だけだったけど、大将が「自分の写真は抜いといたんで・・」と言うので、「欲しい!!」とお願いして付けてくれた。2ヶ月間、冷ケースの中に写真をしまい込んでくれていた大将を思うと感謝しかない。

小川さん、還暦超えて、シブくて素敵なんだよ。私が常連さんたちに絡まれないよう目を光らせてくれていて、「この娘、おれの娘だから、むやみに話かけたり、指一本触れちゃなんねぇよ」と宣言してくれる。やはり男は60過ぎてからが本番だ。

2杯呑んで引き上げ。「次回は豚足かな・・もうすぐハチノス出るかな」早くも次回の来店が楽しみなのでした。

LIXILギャラリーと三菱一号館美術館に行き、立石で呑む

いま、東京駅近辺で面白い展示を観たいなら、LIXILギャラリー「吉田謙吉と12坪の家-劇的空間の秘密-」展に行くべし。吉田謙吉だれ?って人がほとんどな気がしますが、マルチな才能を持った舞台装置家です。ま、前知識はいいから銀座へGO。12坪、約40㎡の狭小住宅(家族3人の住居)にステージと観客用ホールつくっちゃったおじさんに出逢えます。

www.livingculture.lixil

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12坪の家の模型。ど真ん中にステージ、ワクワクドキドキする空間だ。

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グラフィックがめちゃくちゃイケてるんですよ。築地小劇場とか!バラックとか!いいな!

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LIXILの展示は毎回格好良くて、無料でここまでしてくれてありがとうございます。

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うぉ「春のおどり」!ハンザワのオジキ観たかな?と連絡したら、チェック済みでした。さすが。

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今和次郎考現学が一時話題になったので、こっちから入る人もいるかも。野原で愛を育むカップルを追う「恋愛考現学」、井上章一さんの『愛の空間』に近しい。

図録も買い、大々満足。ついでに歩いて三菱一号館美術館へ。「ラスキン生誕200年記念 ラファエル前派の軌跡」展へ。ラファエル前派展、3~4年に一度、大々的に開催するよね。また来てくれて嬉しいね。

mimt.jp

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珍しく写真撮影OK。いつも照明が劇的で格好良いんだよな~。

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ロセッティの描く女性、「ジョジョの奇妙な冒険」の荒木飛呂彦先生に影響を与えていると思う。強くて気高く美しい。

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三菱一号館、いつもフォトスポットも設けているけど使っている人を見たことがない。

いいもの観ました。夕方にさしかかり、ハンザワのオジキが柴又にいるというので、立石で飲むことに。

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呑んべ横丁。去年の再開発により、半分解体されてしまった。残りもいつまで保つか。

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去年まで呑んべ横丁があったところ。更地になっていて、ああ本当に無くなったんだなと通る度に驚く。

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立石の関所「江戸っ子」ではじめましょう。ここのハイボール(通称ボール)はアルコール度数が高いのに飲みやすく、2杯飲んだらベロベロになる。今時珍しいせんべろ。

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江戸っ子のもつ煮が好きです。塩気がちょうどよく、酒に合います。

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「ぎょうざの蘭州」が復活した。今月頭まで閉めていたので嬉しい。ここの餃子、いくつでも食べられる。

今夜もベロベロになって解散。立石という酒のワンダーランドに電車で10分で行ける我が家、すばらしい・・。

東京都現代美術館のリニューアルオープンに行く+下町酒場めぐり

♪夜風がしみる 屋台の隅で 熱燗二合の 手酌酒 ふた冬越えて 三年め 酔えば聴こえる くにの民謡(うた)――「三年め」歌:奥山えいじ

3年待ちました、何を?東京都現代美術館のリニューアルオープンを!

www.mot-art-museum.jp

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清澄白河駅から徒歩15分ほど。来る途中にある古本屋に寄らなければ。

1995年の開館から20年を経て、経年劣化に伴う諸設備の改修と利便性の向上のため、2016年から約3年間にわたって休館していたのです。MOTへは毎企画展を観に通っていたし、大学生・大学院生時代にアルバイトやインターン学芸員実習などでもお世話になった美術館。日本の現代美術ってオモロイなぁと気づかせてくれた場所です。さて、どこが変わったのかなぁ?

①エントランスカウンターの一新

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前はもっと重厚感のあるカウンターだったけれど、カジュアル感のあるつくりに。遠目からは仮設かと思っちゃった。というか、前の写真と比べたいね、写真どこに保存したかな・・。

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エントランスホール、朝と夕方。光の差し込み方がきれい。ここでファッションショーもできる長~い通路。

②サインの一新

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サイン什器設計は建築家の長坂常さん、サイン計画はアートディレクターの色部義昭さん。軽さのある親しみやすいデザインで、重厚感ある建築とはギャップがある。現代美術の敷居を下げるという意図かしら。ベニヤ、日に焼けたりしないかな?経年を見守ります。

木場公園側のアプローチを軸としたパブリックスペースの整備

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喫煙所がなくなっていた・・!!その代わり、親子などが飲食しやすそうな什器を設置。夏場はパラソル立てたい。

④美術図書室の改装

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この日は入室せず。今度行きます。他館のポスターやチラシがにぎやか。

⑤レストラン、カフェ&ラウンジに新店舗がオープン

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Soup Stock Tokyoが展開するレストラン「100本のスプーン」は大賑わい。ファミリーレストランという位置づけらしい。単価は1,500円くらいかしら。

ミュージアムショップの再オープン

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MOTグッズが増えたくらいで、ラインナップは変わり映えせず。いつも横尾忠則グッズとアンディ・ウォーホルグッズを見ている。

さて、「百年の編み手たち - 流動する日本の近現代美術 -」は企画展示室3フロア全てを使って、1910年代から現在までの新進気鋭な作品を紹介する展示で、かなりのボリューム。14章(!)もあるのにずっとテンションが変わらず、施設じたいはカジュアル感をウリにしているのに展示は「多い」「重い」「媚びない」姿勢がよかった。疲れたら休んでもいいよというスタイルなんだろうけど、一方通行動線だから途中でカフェなんかに抜けられないので、子どもには疲れるかもしれない。あと、学芸員さんによって担当章が違うのか、解説文のフォントサイズがちょいちょい変わるのが気になった。

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撮影可能スペースは少なめ。最近流行っている作品の高さをバラバラにする展示、上の方が見づらいのよね。照明ちょっと変わった?

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吹き抜けの会場は絵画の仮設性がテーマ。会田誠さんの作品、ビールケース似合いすぎる。

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黒田清輝《智・感・情》オマージュした梅沢和木の作品。「感」ポーズ!

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五木田智央さんの「PEEKABOO」展(東京オペラシティ アートギャラリー)思い出した。

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手塚愛子さんの作品。布から鮮血が噴き出しているかのよう。広い空間で見応えがある。

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こちらはコレクション展。宮島達男ルームは健在。床の反射が格好良い。

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映像作品の近くにイスを置いている展示室もあった。ありがたい。長い作品だと、面白くても立ちっぱつらくなるのよね。

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キャプション見やすい。紙を載せて止めるスタイル。

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トイレ、きれいになっていた!

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水と石のプロムナードが好き。建築の構造がよく分かるので行くべし。

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美術館には珍しく水に囲まれている。たまに鴨もいて、見かけたらラッキー。

館内所要時間は、展示だけなら2時間、建築やショップも見るなら3時間半、カフェに寄るなら4時間てところか。めちゃくちゃコスパいいですね。ちなみに私は、最初16時前に来たんですが、閉館18時の時点で企画展ようやく観終わったくらいでした。コレクション展に一歩も入れなかったので、翌日朝から行ってリベンジしました。

そんな2日目。午前中MOTたっぷり観て、次に向かうは清澄庭園清澄白河に来てMOTだけで帰るのはもったいない。

www.tokyo-park.or.jp

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1932年開園で、東京都指定名勝に指定されている由緒ある清澄庭園サトザクラが見頃。

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池に突き出るようにして建てられた数寄屋造りの建物「涼亭」。集会施設として破格の値段で利用できる。

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亀が大量に生息していて甲羅干ししていた。自然発生?

3年前は、清澄白河に来たらMOTの帰りに「アートの最前線」とも呼ばれていた倉庫ビル「清澄白河ギャラリーコンプレックス」に行って、現在進行形で活躍している現代美術を観たものです。作品を収蔵するMOTと販売するギャラリーコンプレックス、両方行けるのは魅力だった。今はギャラリーは天王洲などに移転しちゃって、時代の移り変わりを感じます。

さて、下町エリアの魅力は酒場です。MOTに来たらみんな夕方どこに行く?おすすめは門前仲町錦糸町です。両方電車でも行けるけど、徒歩圏内なので散歩も楽しい。

A 門前仲町

渋い佇まいをした酒場が多く、ローカル感を楽しめる。一時話題になった富岡八幡宮へも行ける。ラブホはない。

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闇市起源の辰巳新道。50mほどの路地に30軒以上の飲食店が並ぶ。

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ニューもつよしの赤提灯はフォトスポット。(私しか言っていない気がする)

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大衆酒場の見本のようなお店「だるま」。美人姉妹が切り盛りしている。

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サラダ盛り合わせを頼むとマカロニ・ポテトサラダが来る。炭水化物LOVE!もつ煮は味噌ベースで下町らしく甘め。

 「だるま」はカウンターに座ると、自然と周りのお客さんとトークが始まる。この日は「だるま」に週5で数十年通うおじさん(もはや店員?)に出会った。門前仲町のおすすめ飲食店を教えてもらい、この日は「南光軒」へ。

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懐かしさを感じさせる昔ながらの町の食堂「南光軒」。なんてことない中華そばが食べられる。

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食後のラーメン。町中華でビールとシュウマイつまむの好きなんだ。


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B 錦糸町

錦糸町のいいところはラブホがたくさんあるから、帰りたくなくなっても大丈夫なところです。ゴマキの行ったラブホはどこだろう?場所によって治安が悪いけれど、楽しい歓楽街です。

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飲み屋街の中心に位置する代表的酒場「三四郎」。1951年創業。もつ焼き、焼鳥、鰻が名物ながら、カツ丼があったりと食堂の名残も品書きに残る。

おまけ 錦糸町のラブホテル

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錦糸町のラブホテル「SARA」は部屋中に無駄に仕込まれた照明が見所。寝るときに全部消す必要がありますが広くてきれい。

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おすすめ「明日香村」は全室が「和」をイメージ。旅館に来たかのようなムードがあります。

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玄関のつくりに気合い入りすぎ。岩!?室内も場末の温泉旅館風でナイス。

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何といっても驚くべきは浴室です。本物の岩を設置して岩風呂の風情を出そうとしています。岩はFRP製ではなくマジモンで、どこから運んできたのか?岩の代わりに浴槽広くするべきでは?掃除大変じゃない?と突っ込みどころ満載。

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室内に山本晋也のサインがあった。『トゥナイト』『トゥナイト2』あたりで取材したのか?ほとんどビョーキ。

MOT、行きたくなったでしょうか。アートあり、自然あり、うまい酒場あり、変なラブホありの楽しい下町エリア、ぜひ一度お越しください。