盛り場放浪記

花街を歩くことが楽しみな会社員による、酒とアートをめぐる冒険奇譚。

特別な夏だけど旅に出よう④~ニュー道後ミュージックの怪談ストリップ編

特別な夏の旅もいよいよ終盤です。

広島港からクルーズフェリー「シーパセオ2」に乗って松山観光港へレッツゴー。この「シーパセオ2」、2020年8月1日に就航デビューしたての最新型フェリーです。予想外に船内のデザインが良く、とても快適に過ごせたので乗り物好きの方には是非試していただきたい。なお、これまで松山へ行く方法として「飛行機で松山空港」「別府観光港からフェリーで松山観光港」を試しましたが、広島第一劇場とニュー道後ミュージックをハシゴできるこのルートが断然レコメンドです。

setonaikaikisen.co.jp

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シーパセオ2の外観。当日港で乗船券を買いました。とても空いてます。

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売店の缶ビールを買ってデッキへGO。天気の良い日は最高のロケーションです。美しい瀬戸内海を観ながら酒が呑める贅沢。

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広島港から松山観光港へは4,000円、呉港からは3,000円。晴れた日にオススメです。

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松山観光港に着いて、高浜駅への短いバスに乗り、伊予鉄道高浜線松山駅へ。なんともレトロで味わいのある駅舎と車両です。

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昼前に広島を出て15時すぎに道後温泉着。ニュー道後ミュージックはすでに開場して場内換気をしていたので、1日券を購入してホテルにチェックインします。

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ニュー道後ミュージックのクラウドファンディング参加者一覧が壁に貼り出されています。まさか劇場の壁に名前を書いてもらえる日がくるとは。

道後温泉の宿泊、いつも迷いますが今回は「道後やや」にしました。この時は素泊まり1人5,000円で、道後温泉本館に歩いて行ける良立地。レンタル浴衣、水のペットボトルサービス、みかんジュース飲み放題という嬉しいサービスもあり。

www.yayahotel.jp

諸々準備を済ませ、ニュー道後ミュージックの怪談ストリップいざ初鑑賞!かすみ玲ちゃんを道後で観るのは3回目ですが、今回は満を持しての怪談ストリップ初挑戦。ファンとしては是が非でも目撃したかった。

【8月12日の香盤】(敬称略)

1.牧瀬茜

2.琴音みおん

3.かすみ玲

怪談ストリップは変則香盤で4回公演。1回目のスタート時間は16時27分(死にな)にするという徹底ぶり。開演時は、いつものクスリと笑える温泉場らしい場内アナウンスではなく、怪談ストリップ用のおどろおどろしいアナウンスが流れています。客入れ中も幻想的な音楽が流れていました。ひゅーどろどろ。

この日、かぶりつき席にて4回拝見。温泉ストリップらしく、2回目からは泊まる宿のレンタル浴衣を着て、湯上がりホカホカ&ほろ酔いにて鑑賞。

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「道後やや」はカラーバリエーション豊かなレンタル浴衣と下駄が選べます。玲ちゃんに「その浴衣”やや”でしょ」と即バレました。道後中のレンタル浴衣を把握していらっしゃるようです。

少し時間が経っていることもあり、玲ちゃんメインのレポで恐縮ですが、以下感想です。※所々伏せ字を入れたり表現をボカしていますが、もし問題があればご指摘ください。

 

1.牧瀬茜

怪談噺の名作「牡丹灯籠」を拝見。三遊亭圓朝の傑作落語が元ネタです。「牡丹灯籠」は「四谷怪談」「皿屋敷」と並ぶ日本の3大怪談話として有名で、幽霊との恋路を描いたロマンティックな悲恋モノです。ちなみに、本話の主人公の「お露(つゆ)」の名も広く知られており、「四谷怪談」の「お岩さん」、「皿屋敷」の「お菊さん」と並び、日本三大幽霊と呼ばれています。

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月岡芳年が描いた《ほたむとうろう(牡丹灯籠)》

さすが怪談ストリップの常連踊り子、「よっ!名人!待ってました!」と掛け声をかけたくなる王道演目&極めっぷり。極限まで身体を絞り上げた細身に艶やかな着物を纏い、曖昧な笑みを浮かべながら髪をなびかせて儚く踊る姿は美しき亡霊そのもの。灯籠でぼんやりと照らされた舞台が怪しげで、暗闇から何かがやってくるのではないかと想像力を膨らませます。こんな綺麗な幽霊に迫られて殺されるなら、男冥利に尽きるかもしれないと思わせるくらいのはまり役。途中にセリフも挟みながら舞台スペースすべてを使った、観客に語りかけるような没入感あるステージは、牧瀬さんの高い演劇スキルも感じさせる唯一無二の作品だと感じました。

緊迫したステージとは裏腹の、のどかで笑えるOPショーとのギャップもすごかった。嬉しい楽しいすっぽんぽん・・。なお、ポラは無く手拭い&募金タイムでした。今回の手拭いも可愛かった。観劇後、早速温泉で使いました♨

 

2.琴音みおん

改名されてからは初めましての踊り子さん。ニュー道後ミュージック所属になったそうです。「地〇少女」「鬼〇の刃」を拝見。吸い込まれそうな赤い瞳にロングの黒ウィッグが美し怖い。暗闇に無表情にいらっしゃるとリアル市松人形のよう。

道後温泉は年々若いお客さんも増えており、この日も初見の温泉客のグループ客がチラホラいらっしゃるので、こういう現代ネタの演目を観るとストリップのイメージが一新されて良いなと思う。特に牧瀬さんの王道ホラー作品後だと振り幅が大きく、「ストリップって自由・・!」と衝撃を受けるはず。ポラがチェキサイズでちょっと懐かしかった。

 

3.かすみ玲

さぁ来ました!トリのお出ましです!前情報ほぼゼロで迎えたので、「怪談でどんな演目するんだろう?和物かな~玲ちゃんの白い肌は白装束似合うだろうな~」とワクワク。

そして場内アナウンスで聞いてびっくり、演目は「白〇姫」と「ベルサ〇ユのばら」の2個出しでした。えぇ、観たことのない彼女が舞台にいました!良い意味で裏切られて、めちゃくちゃ楽しかったです。あの衝撃と感動は、劇場に行った人にしか分からないと思いますが、思い出しながら綴ってみます。

***

「白〇姫」は、プリンセスではなく、彼女の継母である王妃を演じています。てっきりプリンセス役かと思ったので、またも良い意味でタイトルを裏切られました。この遊び心が彼女らしい。

登場シーンでは、紫色のセクシーなドレスや黒いマントを身にまとい、いかにもなヴィラネス(悪役)がなんともハマっている、というか楽しそう!悪い顔している!イメージ画像は、おのおの「白〇姫 王妃」でググって確認してみてください。

古めかしい魔法の鏡、重くて切れ味の良い短剣、年季の入った大きな宝箱という王妃を象徴するアイテムも雰囲気ばっちり。ダンスではイスを使いながら美脚を惜しみなく披露し、温泉客の目を奪います。黒いタイトスカートの深いスリットから覗く繊細な作りの網タイツにハイヒールがよく似合っていた。魔性の玲ちゃんです!

ベッドでは、盆のサイズにぴったり合うロウソクマット(白と黒の2枚重ね)を用意し、一体何が始まるんだと息を飲みます。素早く白〇姫の青と黄色のドレスをロウソクマットに敷き、短剣で狙いを定めます。

すると、宝箱から赤い「心臓」をさっと取り出し、白〇姫のドレスの上で短剣を突き刺す!「心臓」からは真っ赤な「血」が勢いよく噴き出し、可憐なドレスを鮮血で染める。ぐちゃぐちゃと盆上に飛び散る「心臓」と「血」がかなりグロテスクで、照明に照らされてよりリアルに見える。スト初見であろう温泉客のグループ客らが「ひっ・・!」とおびえた声を上げる。いい反応!

王妃の玲ちゃんは、憎い白〇姫の「心臓」や「血」を顔や身体に浴び、時折美味しそうに舌で舐め上げ、指で悪戯に玩ぶ。その姿は、数多の若い乙女を殺し、その血で身体を洗い美を保ったと言われる千鬼姫のようにも見える。クライマックスで、心臓を手に鮮やかなポーズを切る。血と悪に染まった壮絶な立ち上がり。

もうね、目の離せないくらい予測不可能なステージでした。映画1本観たような満足感を約15分間で味わいました。ちなみに、グリム童話の原作では、王妃は真っ赤に焼けた鉄の靴を履かされ、死ぬまで踊らされるというフィナーレを迎えます。元々とても怖い話なんですが、Di〇〇eyによってハッピーエンドなイメージになってますよね。

クライマックスの「心臓」シーンを観ながら私が何を感じていたかというと、「美味しそうな甘い匂い」です。いや、サイコパスとかではなくて、本当に美味しそうだったんです。短剣に貫かれた瞬間から場内いっぱいにブドウのような芳醇な香りが広がっていたんだもん。なので、暗転してポラが始まる前、「あの心臓の具材はなんだ」とかぶりつきから盆を観察していました。

明転後、再び登場した玲ちゃんに笑われながらネタバラシしていただきました。この演目は、他の劇場ではできないから仕舞うとのことですが、折角なので「心臓」の正体はミステリーのままにしておきます。僭越ながら一口食べさせていただきましたが、白〇姫の心臓は甘くて美味しかったです(笑)。日によって味や配合を変えていたとか。なお、ベタベタに汚れた白〇姫の衣装ですが、ステージ後に一緒にお風呂に入って洗っていたそうです。手間のかかる演目!このステージを観られただけでも道後に来た価値がありました。

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さて、続いて「ベ〇ばら」。言わずと知れた名作の人気キャラクターで男装の麗人を、玲ちゃんが見事に演じています。衣装も金髪ウィッグもよく似合う!玲ちゃんの金髪はめちゃくちゃ貴重だったのでテンションが上がりました。

衣装は、連隊長の赤い制服、白いパンツ、白いブーツ。つけまつげもバッチリで原作再現が半端ない目力です。口紅は赤い衣装に合わせてレッド感の強いピンク。アイメイクは白ラメ散らせて、チークもガッツリ入れてアニメ顔に変身。ウィッグは胸下まであるカール感強めの本格派。ご本人は「汗で張り付く!目に入る!」と扱いに苦労していましたが。小道具の剣は長尺で、長身の玲ちゃんがかざしてもチャちく見えない立派なもの。Amaz〇nで購入したそうです。何でも売ってるのね、Amaz〇n!

1曲目は「ベ〇ばら」のあの曲を使っていて、かなり耳に残ります。サビ部分の振り、未だに目に焼き付いています。大和で夢乃うさぎさんと聞いて構成したそうです。個人的には、「怪談ストリップで、ベ〇ばらやろう!」と思いついて実現できるのがスゴイ。

2曲目で鮮やかな殺陣を披露し、ストーリーは「ベ〇ばら」のクライマックスであるアン〇レとオス〇ルの死のシーンへ。泣ける名シーンを繰り広げた後、玲ちゃんは衣装をベッド着に変えて盆へ。そしてオナベ。

オナベ!???YES!ONABE!!

この瞬間ほど、かぶりつきに居て良かったと思うことはないかもしれない。玲ちゃんの白い指が巧みに動き、終焉を迎える愛の物語をドラマティックに演出します。濃厚なラブシーンと切ないラストに、興奮しながら思わず涙腺が潤みます。激しいオーガズムとともに別れが訪れ、暗転。

「白〇姫」に続き、「スゴイ演目を観た・・」としばし呆然。なお、この演目は、オナベ部分をポーズベッドに変えたら他の劇場でも出来るかも、と仰っていたので近いうちにまた観られる日が来るかもしれません。保証はないよ。個人的にはチームショーでオス◯ルとアン◯レの絡みを観たいんですが、絶対やらないと思います。

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今回の「白〇姫」で使われた小道具(ロウソクマット、短剣、宝箱など)は引退された踊り子さんから継承したものだそうです。玲ちゃんは、伝説の踊り子と呼ばれた女性のことを今でも尊敬していて、時折思い出を語ってくれます。

「こんな重い短剣振って踊っていたんだよね。本物の金属だから・・ほらココ錆びてるでしょ。小道具ひとつ取っても、人を斬れるような刃を選んでいたの。すごいよね」

ロウソクマットは所々穴が空いてしまっていて、補修を加えながら使っていました。新品の小道具を用意するのは簡単だけれども、遺されたモノを語り継ぎながら使い切ろうとする姿勢が、彼女の真っ直ぐな人となりを表していて好きです。仁義のひとだな、と思います。

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帰り際、怪談ストリップに今回の2演目を持ってきた理由を玲ちゃんに聞いてみました。

「死ぬのって、怖いでしょ」

なるほど、奥が深い。古今東西いつだって誰だって死を恐れています。デッドエンドの作品は、人生は限りあるものだと教えてくれる。

余談ですが、自称ホラー映画マニアなわたくしは、ホラー(怖い話)について、次のような考えを持っています。それは、「和ホラー」は幽霊の姿を直に見せずに想像力で観客を怖がらせ、「洋ホラー」はモンスターやゴーストなどの恐ろしい姿によって視覚的に観客を怖がらせるという文化的差異があるということです。「和ホラー」の代表的作品は「女優霊」「リング」呪怨」、「洋ホラー」は「エクソシスト」「エルム街の悪夢」「13日の金曜日」など。

要するに、その国・地域・時代で何を怖がっていたかという表象がホラー作品であり、自然災害、病気、不運、宗教、生と死など「人の手に負えないもの」を何とかして理由付けするために作られたものがホラーなのだと考えています。

・・話が逸れましたが、何を言いたいかというと、この日の怪談ストリップは「和ホラー/牧瀬茜さん、琴音みおんさん」と「洋ホラー/かすみ玲さん」としてバランスよく演目で表現されていて、とっても完成度が高い香盤だったなということです。頭でも眼でも怖がらせてくれ、ひとときの涼を得ました。やっぱり女性、もとい手に負えない美女たちが演じるホラーは怖い!怪談ストリップ、また行きたいです。こんな実験的で面白いイベントを定期開催してくれる劇場にも感謝。来年も玲ちゃんが乗ってくれることを心より願っています。

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無事に怪談ストリップを見届けたことだし、ささやかな打ち上げに繰り出し、酒で身を清めるとしますか。

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とは言え1回目の時点から呑んでましたが。休憩時間はビール&温泉。ストリップ⇔酒・食⇔温泉の無限ループは、温泉ストリップの最大の魅力です。

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道後らしく海鮮メインの夕飯。鯛めしや鯛のお造りをリーズナブルな価格でいただけます。これは日本酒案件でした。店内はほかに一組しかお客さんがおらず、厳しそう。

前回ニュー道後ミュージックに来たときに知り合った常連さんとも乾杯でき、いい夜が過ごせました。ベロベロに酔っ払いながら千鳥足でホテルに帰り爆睡。翌日、寝ぼけ眼で道後温泉本館に行き、最終日もしっかり温泉を楽しみました。

松山で、最後に行きたい箇所があったので空港に行く前に立ち寄り。日本一美味しい豚足を食べさせてくれる酒場で締めましょう。

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いつ来ても異彩を放つ店。観光客はまず行かない店ですが、名店です。

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瓶ビールで乾杯。サントリーのビアグラスが可愛いね。

マスターに久しぶりの挨拶をすると「お、またニュー道後ミュージックを観に来たのかい」と行動パターンがバレバレです。コロナ禍下でも営業を止めることなく頑張っていました。次来る時も、こうやって笑い合いたい。

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焼き豚足は絶対試してほしい。丁度良く塩気の聞いた豚足にかぶりつき、ビールで流し込む。焼き豚耳も間違いなく美味しい。お行儀は忘れて獣になろう。

松山空港からは飛行機で帰ります。行き当たりばったりの旅がようやく終わりを迎えます。ナイーブなコロナ禍下でいつもより気は遣うけれど、間違いなく行って良かった。とは言え、行きたいところに行けずに苦しい思いをされている方がいるのも事実。私が行けたのはたまたま運が良かっただけなので、この後はまたしばらく静かに過ごします。

長らくのステイホームによって精神を削られて負けそうな瞬間もあったけれど、この夏の思い出があれば、残りの夏も頑張れそうな気がしました。旅の過程で出会ったすべての人たちに感謝申し上げます。お互い元気で、また近いうちに会いましょうね!皆さまがこの特別な夏を自分らしく過ごせるように祈りを込めて。

特別な夏だけど旅に出よう①~長崎食いだおれ編

「特別な夏」いかがお過ごしですか。

もしタイムスリップして、去年の自分に「来年は”特別な夏”になるよ・・」と伝えたら、買ってもいない宝くじが当たって2億円をゲットできたり、上野の曲がり角で偶然出会った石油王と恋に落ちてドバイあたりでアバンチュールを過ごせたりする未来を想像していたと思います。蓋を開けてみたら、新型コロナウイルスは世界的に流行るわ、緊急事態宣言は出るわ、東京五輪は開催できないわ、SF作家も想定外のとんでもない夏がやってきたんですけれど。

まぁしかし、自分や家族、友人知人たちは健康だし、色々あっても今はどうにか暮らせているし、飼い猫たちは可愛いし、石油王じゃないけど数年ぶりに恋人できたし、結構楽しく元気にやっています。

そんなわけで?、7月の連休とお盆休みを使って少しばかり遠出をしてきました。元々はゴールデンウィーク辺りを予定していたのを延期しており、今回も情勢次第で中止するつもりでした。が、直前まで悩んで決行しました。リスキーな賭けでしたし批判もあるかもしれませんが、結果的には会った人たちは現在まで変わりないと聞いていますし、行った地域でも感染は起きていないのでほっとしています。

※コロナ禍下の旅行について、色々な考え方があると思います。個人的には、1人旅もしくは少人数や同居家族との旅行であれば、出発地・目的地の感染拡大状況や個人の体調・リスクを鑑み、マスク着用や消毒などの対策を取って密を避けられる場合に限り、自己責任で行くことは可能だと思っています。ただし、無症状感染をしている場合もあるので、目的地にウイルスを持ち込まないよう、旅行前は1~2週間ほど厳しめのステイホームを行った方が安心かもしれないです。私の場合はテレワークをさせていただき、不要な外出や劇場行きを自粛していました。

約5ヶ月ぶりの長距離移動、すみません、端的に楽しかったです。ステイホームをしている期間は毎日ほとんど景色が変わらないルーティンを行っていたため、すでに記憶が曖昧なのですが、今回の旅先で出会うもの、食べるもの、知るものはすべて鮮烈でカラフルに感じました。「また旅に出るため、引き続き健康維持やステイホーム頑張るぞ」という気力も得ました。「コロナ鬱」という言葉もありますが、Withコロナは長丁場になることが予想されるので、可能な範囲でリフレッシュすることも必要だと思っています。

さて、旅の話です。この旅は長崎からスタートします。予め言っておきますが、本記事はほとんど飲食の話しか出てこないのでご了承ください。

移動手段は、今回はANAを使いました。お盆時期だというのに当日まで割引運賃の空席があり、チケットも無料でフライト変更ができるというビックリ仕様。出発の日、羽田空港はいつもより人出がなく、あっという間に搭乗手続きが終わりました。機内では「約3分で機内の空気がすべて入れ替わります」などの安全対策のビデオが放送されていました。機内サービスを極限まで減らし、あっという間に目的地に到着。お昼着の便だったのでお腹が空きました。ホテルに荷物を預けて、めしにしましょう

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新地中華街「会楽園」のちゃんぽんから始めます。いつも「江山楼」ばかり行くのでたまには別の店を。あっさり系で食べやすい。店によって味がまったく違うのが面白いです。

夜まで時間があったので、グラバー園に行きました。王道の観光地ですが庭園の大きさや展望の良さは目を見張るものがありますし、楽しいです。ハート型の敷石を探したり、長崎くんちのダイナミックさに驚いたり、土産物屋を物色したりしましょう。

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グラバー園の麓にある土産物通り。普段は旅行者や修学旅行生でごった返している通りだが、写真のように閉めている店ばかりだった。当然、客はほとんどいない。

グラバー園付近を散策し、ホテルに帰って少し昼寝。暑い中歩くのは体力使うし、夜も長いので。泊まったホテル「ビクトリア・イン長崎」は新地中華街と思案橋へのアクセスが良い、クラシック風味のシティホテル。お盆期間中でも1泊3,000~4,000円と安くなっていました。

www.victoria-inn.jp

ちなみに、旅行中にお金を遣うであろう「レジャー」「飲食」「宿泊」「移動」において、「宿泊」つまりホテル選びは私にとって最も重要度が低くこだわりがない(ホテルに泊まるのが目的の旅行を除く)ので、ロケーションと金額のバランスが良いシンプルな施設を機械的に選びます。だって、どうせ夜出かけるし寝に帰るだけだもん・・。

夕方、親と合流して「松ふじ」で夕食。地魚と郷土料理が美味しい、地域の人御用達の気さくな割烹です。ここに行く場合、刺し盛りとバッテラを絶対頼んでください。

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思いのほか早々に解散したので、とりあえず「雲龍亭」に長崎餃子でも食べに行きましょう。

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長崎に来て「雲龍亭」の一口餃子を食べなければ餃子好きの名が廃る。皮が薄めのパリパリで美味しいです。半熟のニラ玉もおすすめです。

餃子を食べてようやく人心地つきました。まだ早い時間だし、偵察がてら軽く呑みに行こうか、とBAR NAVIに掲載されていた「arcana Mixology&FlairBar」へ。ミクソロジーとは、フレッシュなフルーツや野菜、ハーブなどを使うカクテルらしいです。へぇー。小さな店ですが来店人数を絞り、換気をしながら営業していました。今年の4月オープンしたばかりだそう。

bar-navi.suntory.co.jp

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季節のマスカットを使ったショートカクテル。一口飲んで確信します。ここ、好き。

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彼が頼んだシャボン玉カクテル。食べられるシャボン玉を使い、中にはフレーバーのついた煙が入っています。独創的。ストローをぶっ刺して飲みます。

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旬の果物や野菜を使ったカクテルも見事でしたが、スパイスやハーブ遣いに唸りました。アールグレイに漬けたジンのソーダ割りも素晴らしかった。全メニュー制覇したい。

小1時間で3杯呑んでお会計。あまりの安さに「え?計算間違ってないですか?」と聞き返してしまった。合ってました。コスパも良いですが、マスターの感じも良く、絶対また行きたい店です。ノンアルコールもやっているので、お酒が飲めない方やお一人様でも大丈夫です。旅先で素敵な店に出逢うと嬉しくなりますね。

ホテルに戻って寝ます。初日から飛ばしすぎないことが、旅を長く楽しむコツです。2日目からはフリープランで進行です。

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朝ご飯は東洋軒の「サラダパン」と変わりパン。おっぱいパンは彼チョイスです。思案橋の「ぱんのいえ」で購入したら、キャンペーン中だったらしくサラダパンがもう1本もらえました。

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午前中のうちに、昨日のうちに予約しておいたヘリテージクルーズへ。遊覧船で内海をめぐり、明治日本の産業遺産である三菱ドックや、女神大橋、島々を船上から見物します。

www.kankomaru.net

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出島ワーフでトルコライスを食べました。ピラフ、豚カツ、スパゲッティをひとつの皿に盛り合わせたハイカロリーな長崎名物です。実はこれまでバカにしており、初めて食べました。美味しかったです。

午後は出島見学です。出島は、日本が鎖国をしていた時代の約200年間、唯一西洋に開かれていた貿易の窓口と言われています(諸説あります)。19世紀、島内には住居や料理部屋、蔵、番所など49棟もの建物がありましたが、現在そのうちの25棟を復元させるための事業が進んでいます。頑張って復元していますが、埋立によって「島」感は薄いので、いっそのこと、周囲の土地を買い占めて出島完全再現してくれないかなぁと密かに願っています(無理です)。

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観終わったあたりで、暑さに弱い私は体力切れて寝始めたので、また昼寝をしにホテルに帰ります。この頃、加齢で無理がきかなくなってきたのか、引きこもりすぎたのか、急に身体のブレーカーが落ちてどこでも寝始るようになりました。

夕方起きて、平和公園へ。原爆投下日、終戦記念日が近いことからロウソクによるライトアップが行われていました。神妙な心持ちで、世界平和と鎮魂を祈ります。

稲佐山からの夜景も見たかったのですが、意外とあれは行き来に時間がかかるので、次回にまわします。公園付近を散策してお腹が空いたので思案橋に戻ります。「よこはま」のちゃんぽん食べましょう。

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店の軒先で客寄せをするにゃんこ。長崎には地域猫がたくさんいます。尾曲猫が多いです。

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「よこはま」のちゃんぽんと餃子。ミルキーだけどあっさりスープでするする食べられます。ここの餃子も皮が薄くて瞬殺です。

浜の町アーケードを通って、涼を取りに老舗のバー「セラー・ランプライター」へ。長崎で一番古いバーとして知られ、他地域から訪れるバー好きも多いとか。店内所狭しと飾られた様々なお酒グッズのコレクションは一件の価値あり。私はトリスグッズが好きです。

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ジントニックを作ってもらってから、ホワイトレディ。軽快な飲み口。

あー、生き返ったー、とようやく涼しくなってきた夜の入り口を喜びながら、明日以降の予定を検討。何があるか分からなかったので、すぐに旅程を変更できるように飛行機は行きしか予約していなかったのだ。このまま旅を続けても問題なさそうな雰囲気だったので、2日目の夜にして考え始めた。行き当たりばったりです。

結論として、かすみ玲ちゃんの乗っているニュー道後ミュージックに行くことを目的に、長崎→松山の移動ルートを長崎→福岡(小倉)→広島→松山に細分化することにした。福岡は繁華街を避けて、小倉泊。ええ、分かる人は分かるでしょうが、ストリップ劇場巡礼の旅になりました。

そうと決まればサクッと各地のホテルと帰りのフライトを予約。どこもすんなり取れました。ネットが普及して、本当に旅がしやすい時代になったものです。翌日の長崎→福岡の出発時間だけ決めて、あとは長崎の最終日の夜を堪能しましょう。とっておきのバー「アージョ」にご案内。

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「Agio Bar&Cafe」店頭はこんな感じ。

一見、入り口が分からない店ですが、本棚を押すと隠し扉が開きます。秘密基地みたいで、初めて行くと盛り上がるので、女性を口説くのにピッタリです。・・もちろん男性も。店内はムーディーで落ち着いていて、ずらりと並んだ酒瓶がキラキラ輝いています。誰か大切な人(酒呑み)と長崎に来たら寄ってほしいお店。

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いちじくのカクテルを作ってもらいました。夏らしいフローズンカクテルです。ここもミクソロジーカクテルを出していたので、長崎で流行っているのかもしれません。

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マッカランの飲み比べ、という贅沢なメニューがありました。12年、18年、クラシックカットの3種で2,500円だっけな?安い。初めて飲んだクラシックカットがとても美味しかった。

長崎は美味しいもの、楽しいところばかりなのですが、アジアからの訪日観光客や修学旅行生がゼロに近くなった結果、街はガラガラに空いています。いつもなら予約をしないといけないお店も空いています。このままだと続けていくのが難しいお店も多そうです。都心で暮らしていると分かりづらい観光業や飲食業の状況を見て、どうやったらこの事態を打開できるのか、頭を抱えてしまいました。行ける人は、行けるうちに、行きたい場所へ行くしかないような気がします。

とは言え、いい夜です。旅はまだまだ続きます。

シアター上野8結〜祝・復帰!おかえり樹音さん

毎日暑い!梅雨が明けたら急に暑くなって身体が追いつかない。ただでさえ体力落ちてるので、夏期休暇明けの1週間はいつもより余計に長く感じます。勤務を終えたら初日のシアター上野に直行し、涼み&癒やしに行きました。

 

【シアター上野8結香盤】(敬称略)

1.結城綾音

2.相田樹音

3.さくら(8/21-25)、箱館エリィ(8/26-31)

4.黒瀬あんじゅ

5.アキラ

 

華のベテラン&筋肉アイドル香盤!個性豊かな面々が揃った見応えのある週です。お客さんも個性豊かな常連さんがたくさん来ていました。2回目終わり~3回目時点の入りは8割程度(座席数削減後)。混みすぎず寂しくもなくちょうど良く観やすい場内。帰るタイミングのお客さんに上手側端の最前列を譲っていただき、快適な観劇ができました。一言ずつ感想を。

1.結城綾音

2019年10月結以来のステージとのこと。芦原の踊り子さんというイメージでしたが、拝見したのはまだ2度目。確か2018年1中のデラカブに行きました。本日拝見したのは、濃いピンク色の着物に昭和の懐メロで踊る演目。着物に縫い付けられたキラキラのスパンコールやピーズが、3回目のYダッチのパキっと鮮やかな照明によって輝きを放ち、なんとも妖艶な雰囲気。ステージに立つだけで濃厚な空気をつくり出すのは、去年引退した雛形ひろ子ちゃんに似ているかもしれない。ド迫力のIカップだし!以前、芦原で2人が乗った週があるようだけど、結城さん(Iカップ)とひろ子ちゃん(Jカップ)を同時に観られたなんて、垂涎ものの奇跡の週じゃないですか。

結城さん、蚊に食われて所々赤くなった白い乳房が色っぽい。マニアックな夏の風物詩。ステージ後もニコニコ優しく、1人ひとりに丁重な受け答えをされていました。次に乗るご予定はまだ無さそうだけど、機会があればまた拝見したいです。

 

2.相田樹音

2020年3月頭の芦原でお怪我をされ、5ヶ月の治療・リハビリを経て2020年8月頭にて待望の復帰!上野は2019年12月結以来なのでなんと8ヶ月ぶり。お休み中もnote更新していたり、お弟子さんの新井見枝香ちゃん等から様子を伺っていたりしたので、気持ち的には期間をおかずにお会いしていたような錯覚もありましたが、やはりステージを観ると全然違いますね。改めて、劇場に生きる踊り子さんは、劇場にしか居ないんだなと感じました。

踊り子さんは、1回約25分という短い出番のなかで命を燃やす花火のような存在だと思っています。SNSライブ配信なども踊り子さんの多様な・多彩な面を知ることができて興味深くありがたいのですが、1回こっきりの生のステージこそが本領発揮の場です。線香花火のように典雅な踊り子さんもいるし、打ち上げ花火のように煌びやかな踊り子さんもいる。そして、復帰後の樹音さんは、例えるならば火力MAXのロケット花火!ますます火花を散らして全力スパーク。「そうそう、これぞ樹音さん」と唸りたくなるような納得のステージを魅せてくださいました。

樹音さんのnoteでも、今週の裏話がたくさん話されていますよ。

note.com

私が拝見したのは宝〇歌劇団の演目。スイングに身体を任せたくなるJAZZYな音楽と軽快なダンスが楽しい。ブランクを感じさせないダンス、ポーズを拝見し、お休み期間も日々トレーニングを重ねていらっしゃったことを推察します。樹音さんおなじみ、腰を上げて脚を動かす仕草(通称「美容体操」)も安定感があり、怪我を完治されて体幹を鍛えたろうと思わせます。青いドレス、青いバラの髪飾り、白いベッド着は仲の良い踊り子さんからのいただきものだとか。

複数の演目を持ってきているらしい(6作品+チームショー?)ので、毎日あの手この手でお客さんを楽しませてくれることでしょう。個人的には、Pプレの日だったこともあり、場内かなりの人数がPを被ってマスクをつけて観劇していたのが「上野感」満載で好きでした。たまにPとマスクの位置が逆転していたり。いい大人たちがP被っても誰も咎めない空間、世界どこ探しても劇場だけだと思う。特に上野。ただし感染予防のため、P投げ時は「席を立って穫りに行かないように!盆に落ちたものを奪い合わないように!」とアナウンスがあるように、節度あるPの日を楽しむことが推奨されています。

ちなみに、周年(5頭)を兼ねた樹音さんグッズの出来がスゴイです。ご本人に許可をいただいたので、シール・飴・手拭い・ポストカードのサンプル写真を掲載させていただきます。この昭和感あふれるどピンクグッズをご覧あれ!シールのデザインセンスや惹句なんて泣かせるね。Tシャツにして着たいくらい格好良い。

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手拭いは、樹音さん曰く「踊り子人生で初めて作った」もの。グッズを作って販売することをほとんどされてこなかったそうで、最初で最後のグッズ販売になるかもしれないと仰っていました。なお売上の一部はシアター上野に寄付するとか。枚数に限りがあるので気になる方はお早めに。

 

3.さくら(8/21-25)、箱館エリィ(8/26-31)

さくらさんは、「十二単」「サンバ」「2019年夏演目」をランダムで。この日は「十二単」を拝見。和物は季節柄着付けが大変だろうなと思いますが、エアコンの効いた涼しい部屋で食べる熱々カレーや、もしくはコタツの中でぬくぬく食べる冷たいアイスクリームのように、あえて季節と正反対の楽しみを味わうのは贅沢かつ粋なのかもしれないなとも思いました。・・真冬に水着演目をしたい踊り子さんは少ないでしょうが。

 

4.黒瀬あんじゅ

Twitterイラストレーターとしての才能を発揮しているあんじー、8頭広島初乗りおめでとうあんじー、筋肉のキレが増して可動域が無限に広がるあんじー、困り眉が(´・ω・`*)の顔文字みたいで可愛いあんじー、熱中症お大事にあんじー。

本日は「ありのままんじー」を拝見。これも季節的には冬の演目だ。少しも寒くないわ。以前拝見した時よりもさらにダンスの鋭さや作り込みが増していて、黒いストラップシューズで床を踏みならす音も大きく響いています。この演目は、頑張りたい時や気合いを入れたい時に出すと以前仰っていましたが、観ているこちらも一歩踏み出す勇気をもらえる感動的な作品で好きです。

ステージ後「お尻の位置が前よりも上がってますね?」と聞いたら、嬉しそうに「筋トレが趣味なんじー!」と仰っていました。トレーニング方法教えてほしい。「ふくらはぎのモリっとした感じが好きです」と言ったら「フェチがマニアックなんじー・・」と若干引かれてしまいました。ちょいちょい右足に巻いている黄緑色の紐はどういうこだわりなのか、いつも聞こうと思って忘れているのでそのうち知りたいです。

 

5.アキラ

汁(ツユ)だく全力ダンス、いつもながら爽快で魅入ります。7結の周年へは伺えなかったのですが、周年作は和物なので涼しくなったらまた出すとのこと。アキラさんの和物は拝見したことがなく今から楽しみです。

この日はライトブルーのインド風演目とアーミー風演目を拝見。アーミー、ネタバレになりますが演目後半に観客席に向かって容赦なく銃をぶっ放します。BB弾が壁に当たるようなカツンという音が聞こえました。弾入ってるんかい。ご本人曰く「渋谷でお客さんの手のひらに当てたよ!的出してくれる人いたら当てたい」とのこと。衣装がカラフルで露出度高く、エロ格好よかったな。胸のボリュームはそのままに(もしかしたら少しアップしていたかも)全身しっかりと鍛えた理想的体型は一見の価値ありです。

 

コロナ禍、シアター上野に限らず都内近郊の劇場は上演回数を減らして3回まわしにしているところが多いです。3回目スタートが19時台なので、お勤め終えてから行くには少し厳しい方もいるでしょう。それでもノー残業できる日は思い切って近場の劇場に行くことも選択肢のひとつにしてみてください。いつもよりも席の間隔を開けて観やすい場内で、ちょっとお酒なんて呑みながら観るストリップは格別ですよ。シアター上野の3回目は、音響ボリュームを通常よりほんの少し上げて、ピンスポやカラフルなLED照明を駆使した迫力のエンターテインメントショーを演出しています。

 

さて、余談ですが最後に感動したエピソードを話させてください。

この日、2回目終わりの休憩中、Yダッチといつものように雑談をしていました。劇場の清掃が行き届いていることへの感謝や場内のピンクライト看板の出来の良さ、照明の進化の感想などを伝えたところ、彼に「何か改善してほしいところや、気がついたことがあったら教えて~」と尋ねられました。

ふむ。以前に比べたら格段に清潔で居心地よくなっているし、Yダッチをはじめとした従業員さんがたの日々の努力を端々に感じられるので、正直困っていることはない。ただ、女子トイレに行くたび前から気になっていたことがあったので、余計なお世話かと思いましたが伝えてみました。

「女子トイレ、いつもピカピカにしてくれていて使いやすいんですが、もしリクエストできるなら鏡がほしいです。髪やメイクを直したい時もあるので、小さくても構わないので鏡を置いてもらえると女性客的にはありがたいかも」

「ふむふむ」と考えたYダッチはそれを聞いてすぐテケツへ。参考になったらいいな〜なんて思っていたら、なんと、3回目の途中にはトイレ内に鏡が設置されました!まさかその日のうちに対応してくれるとは思わなかったので超驚いた。ありがとうございました!

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ということで、シアター上野にのトイレがさらに使いやすくなりました。男性のお客さんは気づかない変化だと思いますが、いち女性客としては助かります。なんと言っても、男性客がほとんどの上野で女性客も歓迎したいという劇場の気持ちが嬉しいです。お客さんの声をすぐに反映してくれる姿勢もすごい。「ほかにも改善点やリクエストがあれば、出来ることなら検討します」とのことなので、Yダッチまでどしどしどうぞ♩

シアター上野が女性料金(入場料3,000円)を始めてしばらく経ちますが、スト好きの女性でもまだ上野へは行ったことない方が多いと聞きます。もしかしたら立地や雰囲気的に入りづらいのかもしれませんが、誰でもウェルカムでアットホームな劇場なので、お気軽に行ってみてください!勿論コロナ禍なので各自が健康な時に。

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樹音さんと乾杯。お休み&自粛期間で数キロ増えたとのことですが、美スタイルを維持したまま柔らかな曲線を描いており、頬もふっくらとして若返ったかのように思いました。芦原温泉でお肌もつるつる!芦原の日帰り温泉三国温泉ゆあポート」を教えてもらったので、芦原に行ったら足を運びたいな。

www.yourport.biz

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ステージを拝見して気がつきましたが、樹音さんの背中にビキニの日焼け跡があります!芦原の海で焼いたそうです。こんがり健康的に焼けた小麦色の背中に数筋残る白い肌のコントラストが美しい。この夏のうちに絶対見るべき景色の一つだと思います!なお9結は見枝香ちゃんと大和に乗るそう。そちらも盛り上がること必至で見逃せないですね!これからもお身体に気をつけながら頑張ってください。

いろいろ美術館に行っています

7月は美術館通いで忙しかった。2020年五輪に合わせて新設・リニューアルする施設や、目玉展示を打ち上げる施設が多いので見逃せない。かつ、いつまた緊急事態宣言が発令されて休館を余儀なくされるかわからないので行けるうちに行かないと後悔しそう。日時予約システムにはまだ慣れないけれど、コツコツ予定立ててこなしています。

これまではブロックバスター展は土日混雑していて行くだけで疲れたけど、この頃はかなりストレスフリーに観られるのでありがたい。ただしその分入場者数が絞られているということなので、各施設の収入が減っているということ。今年度はともかく、来年度からどうやって運営していくか(特に指定管理施設)関係者は頭を抱えています。オンラインプログラムも無料がほとんどなので、どうやって収益上げるかなぁ。寄付で成り立つアメリカのミュージアムも閉鎖危機に直面しており、世界的な課題。

www.timeout.jp

 

★主に行ったもの

kimonoten2020.exhibit.jp

→今後しばらくないであろう規模・質のマストゴー展示。鑑賞時間90分の制限が一応あるけれど、じっくり観ていると余裕で2時間超える。オリジナルグッズもうちょい頑張ってくれたらいいのに。ほしいものがなかった。

www.mot-art-museum.jp

→長谷川裕子御大肝いりのインスタ映え現代アート。企画展が2~3個同時開催していてスペースが小さく分割しているのでどれも掘り下げが物足りないな。エリアソンはキラキラ光らせることに執念燃やしているのね。

mimt.jp

→気合い入れた展示。本来ならごった返すだろうに、行ったときは一人占めでした。館内がいつもより寒く感じた。

www.sompo-museum.org

→リニューアル第一弾の企画はやはり面白い。懐かしのコレクションに再会できてよかった。

www.artizon.museum

→リニューアル一発目の企画はめちゃ良かったけど今回は肩透かしだな。コラボレーションが空中分解していた。この作家の作品は触ったり近づいたりしないと魅力が半減するのに、時節柄ノータッチ強いているのは仕方ないけど残念。

miffy65.exhibit.jp

→グッズコーナーで気が狂うかと思った。出展作品数よりもグッズ数のほうが多く、全部揃えたら百万円以上いくのではないか。前回のミッフィー展はそこまでじゃなかったのに、集金システムが鉄壁になっていた。みなさん普通に4~5万円払っていたし、私も気が付いたら2万5千円ニコニコ払った。後悔ないどころか、もっと買えばよかったと心残りすらある。うさこちゃんLOVE。

www.moaart.or.jp

→自粛解除後、最初に行ったのがMOA。数か月ぶりのミュージアムは胸が熱くなった。吉田博は毎年1度はどこかで観るけれど、こういう時期に観ると心が落ち着くな。ヨロイヅカのカフェがオープンしていてケーキが最高においしかった。

www.hiroshima-moca.jp

→必要があって広島訪問したついでに。絶対行きたかったので行けてラッキー。練馬区美術館にも巡回するらしいけどできるかわからないし。展示は2020年ベスト3に入るくらい良かったので図録の販売が待たれる。担当学芸員さんの熱意がこもった力作。

 

★行きたいもの

www.ccma-net.jp

→週末に行く予定。噂によると3時間コースらしい。

kyotocity-kyocera.museum

杉本博司の企画展に行く。

ainu-upopoy.jp

→今すぐでなくてもいいけど、来年中までにはいかないと。

www.pref.aichi.jp

→行けなさそうだけどテーマ展「癒やしのノベルティ楽園(パラダイス)」気になる。展示も面白そうだけど、「ノベパラ大喜利イベント」に参加したい。こういう、地域博物館ならではのこだわった企画やアットホームなイベント大好きだ。

 

東京から都外に行きにくい世の中だし、生活は一変してしまったけれど、行きたい美術館にさくっと行けたとき、やっぱり東京に住んでてよかったなと思う。都内のミュージアム、頑張って開館してくれているので応援しないとね。

とはいえ、地方のミュージアムにも早く行きたいよう。

今週は映画7本観ました~神保町シアター「珍品堂主人」等

今週はほぼ毎日映画を観て過ごした。是非観てほしい映画からそうでもない映画まで、玉石混交の1週間となった。3ヶ月ぶりに神保町シアターのスクリーンで観られたのは嬉しかったな。やはり、映画は大衆娯楽です。

なお、参考のためAmazonなどのリンクを貼っていますがアフィリエイトはやっていないので、このブログ経由で誰かが何かを買おうが私には一銭も入りませんのでご安心ください。はてなブログ無料ユーザーなので広告出ますが同様です。

 

1.「珍品堂主人」(1960年、原作:井伏鱒二、監督:豊田四郎

珍品堂主人 - 増補新版 (中公文庫)

珍品堂主人 - 増補新版 (中公文庫)

  • 作者:井伏 鱒二
  • 発売日: 2018/01/23
  • メディア: 文庫
 

名画を観て餃子を食いながら感想を語り合う「映画と餃子の会」の会長と鑑賞。「森繫と淡島コンビ観ない?」と粋な誘い、相変わらず痺れるぜ。二つ返事でGO。「映画と餃子の会」の入会基準は、「邦画の黄金期は1960年代」という熱い信念を持っていることです。現在のところメンバーは、会長と私の2人です。

ちなみに、神保町シアターは入館時の消毒、チケット売り場にビニールカーテン設置、座席の1つ飛ばし、館内はマスク着用などコロナ対策はしっかり。(キャパシティー半分で経営大丈夫だろうか?上映本数かなり絞って頑張っている)

本作は、森繁久彌淡島千景がダブル主演。森繁演じる、趣味が高じて骨董鑑定士と認められて通称・珍品堂と呼ばれる男は、会員制高級料亭「途上園」の立ち上げに関わり、周囲にいいように利用され、かつ雇われ女将(淡島千景)にこき使われ、散々な目にあう。

淡島の色香に鼻の下を伸ばし、若い女中たちの尻を追いかけ、新橋の小料理屋で囲う妾を袖にし、骨董にのめり込んで破産しかける森繫の情けなさ、哀れさと言ったら。女性たちに振り回される珍品堂=男性は、最終的に悟りの境地(開き直り?)に至るが、「男ってのはこういう生き物なのサ・・」と井伏&豊田が格好つけているように思えた。

この映画では、全編通して、伊藤憙朔の美術が冴えわたる。どこまでがセットでどこからがロケかの区別が付きづらいほど見事な作りこみ。「途上園」の全体像が分かる図面が見たいな。連れ込み宿の通りも何処か特定したい。鶯谷か、内藤新宿か。

この物語は目黒「雅叙園」の話かと思ったけれど、どうやら永田町「星岡茶寮」がモデルらしい。ある時、後輩に「雅叙園の百段階段は素晴らしいから行った方がいいよ」と話したら「叙々苑?焼肉ですか?」と聞かれれたので日本の未来を憂いています。

この日の餃子は「揚子江菜館」で。「スヰートポーヅ」と「キッチン南海」の閉店がショック。名店は行ける時に行くべし。

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tabelog.com

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f:id:sakariba:20200626002018j:imageラピュタ阿佐谷も行かねば。

 

以下はAmazonプライムで無料鑑賞。

 

2.「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(2013年、監督:マーティン・スコセッシ

ウルフ・オブ・ウォールストリート (字幕版)

ウルフ・オブ・ウォールストリート (字幕版)

  • 発売日: 2014/05/14
  • メディア: Prime Video
 

金!セックス!!ドラッグ!!!179分間もの間、3分に1回、金かセックスかドラッグのシーンなので貴方の理性が狂います。朝起きたらドラッグキめて、勤務時間になったらセックスして、夜ごとに数億円浪費しまくるレオ様が観られます。「タイタニック」の美青年だった時代より、薄汚れて脂が乗りまくったレオナルド・ディカプリオの方が人間らしくて魅力的。本作でゴールデン・グローブ賞主演男優賞を受賞。

原作は、株式ブローカーのジョーダン・ベルフォートによる回想録「ウォール街狂乱日記 『狼』と呼ばれた私のヤバすぎる人生」。実話なのかよ。ウォール街の証券マンが日々の数字を相手にどれだけ追い込まれ、緊張状態で働いているのかが伺えるので、絶対に金融関係にだけは勤めたくないという思いが強まりました。

豆知識ですが、作中で「FUCK」という言葉が500回以上使われており、ドキュメンタリー映画では世界一だそう。スラングもたくさん出てくるので英語の勉強にもなる。私も始業前に「FUCK!!!」と叫んで仕事始めようかな。

3時間もあるので観るのがためらわれるでしょうが、時間にゆとりのある今こそおすすめ。真面目に働くのがバカバカしくなって元気が出ます。スピード感ある映画なので案外あっという間です。できれば酒を呑みながら観ましょう。ドラッグはNO。

 

3.「スーサイド・スクワッド」(2016年、監督:デヴィッド・エアー

スーサイド・スクワッド(字幕版)

スーサイド・スクワッド(字幕版)

  • 発売日: 2016/11/23
  • メディア: Prime Video
 

マーベルよく知らないけれど、素直に面白いし、めちゃアガる。実は今月はマーゴット・ロビー強化月間。「ハーレイクインの華麗なる覚醒」をぼちぼち観たいので復習を兼ねて。ハーレイクイン可愛い!ビッチ!クール!ホットパンツから覗くムチムチの太ももとお尻がたまらんです。メイクやファッションもイケてるよね、うっかり真似たら事案なんですが。

一人でじっくりというよりは、気心知れた人と酒呑みながら雑に観るのが楽しそうです。マーベル知らなくても全然大丈夫だったし、正義のヒーローが鼻に付くタイプのひねくれものの方が共感できるかも。ドンパチ派手だけど重要なキャラクターはあまり死なないし絶対ハッピーエンドで終わるハリウッドは鑑賞TPO選ばなくていいね。

 

4.「フォーカス」(2015年、監督:グレン・フィカーラ

フォーカス(字幕版)

フォーカス(字幕版)

  • 発売日: 2015/07/29
  • メディア: Prime Video
 

冒頭10分間のオサレ映像はそれなりだったけれど後はチープでつまらない。少し観て「どうせ真実の愛エンドだろ?」とピンときた。勘は当たった。観なくてよろし。

 

5.「タクシー運転手 約束は海を越えて」(2017年、監督:チャン・フン

タクシー運転手 ~約束は海を越えて~(字幕版)

タクシー運転手 ~約束は海を越えて~(字幕版)

  • 発売日: 2018/11/02
  • メディア: Prime Video
 

いま日本で暮らす人は観るべき映画。なぜならば、私たちの隣国の隠された歴史に光を当てた映画だからだ。1980年の光州事件時の実話を基に描いた映画。光州事件は、実は韓国現代史における最も重要な事件なのだが、世界史・日本史に詳しくない方は「何それ?」と思うかもしれない。知らなくても映画を楽しめるし、知らないほうが臨場感や実感が得られていいと思う。私も詳細は知らなかったけれど問題なかった。

光州事件とは、朴正煕元大統領が暗殺(1979年10月26日)された後の混乱期に韓国南西部に位置する光州というところで起きた事件。市民デモ隊と軍が衝突し、市民164人、軍人23人、警察4人が死亡した。韓国内ではこの事件を市民たちが起こした「暴動」として取り扱ってきたが、民主化後には事件に対する評価が見直され、現在は「光州民主化運動」と呼ばれている。さらに事件の犠牲者たちとその遺族たちは民主化の功労者として認められ、国家から補償金の給付、医療費、交通費、光熱費の補助、税金免除、就職や就学時の加算点の付与など、厚遇を受けている。

と、こう書くと重そうに思えるだろうが、エンタテインメントとしても素晴らしい出来。脚本、音楽、美術も申し分なし。当時の光州の街並み再現は目を見張るものがある。あと主演のソン・ガンホに主演男優賞を与えるべき。このレベルの作品、邦画では1年に1本出ればラッキーなのに、韓国では年に何本もリリースしているのが本当にスゴイ。日本、映画業界は完全に周回遅れです。じゃあ何の業界が勝っているんだと考えると、パッと出てこないんですが・・。

 

6.「母なる証明」(2009年、監督:ポン・ジュノ

母なる証明(字幕版)

母なる証明(字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

観終わった後に放心した。恐ろしい、何もかもが恐ろしい映画。この物語を考えて撮った監督が何よりも怖い。感動とかなまっちょろいものではない。何かを語りたくても、言葉にすると核心から離れていってしまう気がする。それでもこの映画を観た人の感想が知りたくなる。万人に進められるものではないし、拒否感や嫌悪感が勝りそうだけれど、歴史に刻まれる秀作。カンヌ国際映画祭でも絶賛された。

凄惨な女子高生殺人事件を皮切りに、事件の容疑者となった知的障がいのある息子と、息子の無実を信じて真犯人を追う母の姿を追ったサスペンス。監督は2020年代を代表する映画監督になるであろう名匠ポン・ジュノ。主人公の母を「韓国の母」と称される国民的人気女優キム・ヘジャが演じ、その息子を「ブラザーフッド」のウォンビンが演じている。

障がい者の性と、暴力や犯罪との関係という、タブー領域に踏み込んだ映画だが、不思議とコミカルで暗くなりすぎないのは監督の手腕。息子は知的障がいという設定だが、作中ではっきりと障がいについて触れるシーンはない。すべては俳優たちの演技から読み取れ、分かりすぎるほど(個人的にはグレーゾーンだと感じたが、だからこそコミュニティのはみ出し者になってしまうのが余計に悲しい)。兵役後の復帰第1作ということもありウォンビンの熱演が光る。ストーリー的に、河合香織セックスボランティア」を連想した。

ネタバレになるが、作中では、母とは何か、何をすべきか、すべきでないか、という問いと答えが繰り返される。息子を愛しているからこそ、他人の息子すら殺す覚悟を決めた母の恐ろしさ。父と娘の愛を描いた「グエムル-漢江の怪物-」、母と息子の愛を描いた「母なる証明」、家族の絆を描いた「パラサイト」。私は、映画とはつまるところ「家族のかたち」の表象だと思っているが、現代の家族モノを撮らせたらポン・ジュノ監督を置いて右に出る者はない。

 

7.「SUNNY 強い気持ち・強い愛」(2018年、監督:大根仁

SUNNY 強い気持ち・強い愛

SUNNY 強い気持ち・強い愛

  • 発売日: 2019/05/22
  • メディア: Prime Video
 

ゆるふわ90年代ノスタルジー個人的には食指の動きづらいタイプの映画。普段ならば積極的に自分から観ることはない。「母なる証明」を観終わって精神的にショックを受けて、何か気分転換できる映像を流したかったので適当に選んだ。

ハッピー☆能天気☆ミュージカル映画を想像していたので、意外と喧嘩(キャットファイト)やシリアスなシーンが多くて意外だった。まー、監督が大根仁なので納得。せっかく90年代に焦点を当てるんだから、もっと掘り下げようがあるだろうに。

ストーリーは、電話しながら流し見した程度だけど、大体理解できた。全体的に冗長。コギャルたちの通学風景が眩しいオープニング10分間と、20年後に再会したコギャルたちが踊るエンディング10分間だけでよかった。

 

ところで、丸の内TOEIほか全国で「仁義なき戦い」シリーズが上映されているらしい。日曜にでも行ってこようかな。名作は何度観ても名作だし、スクリーンで観たい。なんだかんだ文句言っても、好きです、邦画。

news.yahoo.co.jp

渋谷道頓堀劇場6月頭~開館19周年記念興行は最強の道劇大会

自粛期間空け、6月頭の観劇は大和2回、上野、浅草、渋谷でフィニッシュ。気持ち的には手当たり次第に行きたいところだったけど、復職したこともあり、スタートダッシュでバテないように控えめに。と言いつつ感想レポが追い付かないですが、取り急ぎ道劇は記録に残しておきたくて書きました。

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まず場内の変化。入場時の検温、マスク着用と消毒義務はどの劇場も共通。ソーシャルディスタンスを重視し、多くの座席は約1席飛ばしに設定して収容人数を調整。座れない席には赤いテープが貼ってあるのでわかりやすい。飲み物はOKだけど食事は当然NG。デジ時は握手を無くし、ツーショットは原則NG(踊り子さんによる)。

嬉しい変化としては、照明と音響がパワーアップしたこと。レーザービーム並みの威力のピンスポや、色鮮やかな照明器具が増えたのか、以前よりもさらに明るく見やすくなっています。音響もクリーニングしたのか、アナウンスがやけにクリアに聞こえる。音量もアップ!もともと場内は清潔だけど、さらに掃除を徹底しており、埃がたまりにくい工夫をしている。全国のストリップ劇場のなかでも、かなり初期の段階に営業再開したからか、コロナ対策もこなれてきた模様。渋谷という土地柄、気を配っているのでしょう。ありがたい限りです。

 

さて、今週の感想いってみよう!いつも通り記憶頼りなので違う点があってもご容赦ください。

 

【渋谷道頓堀劇場 6月10日の香盤(敬称略)】※混雑具合により3~4回まわし

1.翔田真央

2.柳るい

3.ささきさち

4.石原さゆみ

5.宇佐美なつ

6.六花ましろ

 

1.翔田真央

自粛期間中は広島でUberなどの配達のアルバイトをし、汗だくになりながら毎日自電車で街を駆け巡っていたことが記憶に新しい彼女。働き者の頑張り屋さんだな、とこっそり応援しておりました。広島に住んでいたら、翔田さんの配達を期待してUber頼んでいたかもしれない。

さて、今回は1・3回「火の鳥」、2・4回「CA真央」の2個出し。「火の鳥」はコロナ収束を祈るエネルギッシュな演目、「CA真央」は旅行できないご時世のなか、気分だけでも飛行機乗ってプチトリップ♪という、翔田さんらしい想いが込められた演目。いい夢旅気分で観劇。

「CA真央」の衣装は、水色の柄入りスカーフを首に巻き、濃い紺色のダブル釦ジャケットと白いブラウス、超タイトミニスカ。ジャケットの左ポケットには架空の航空会社名「ADA」と「翔田真央」と書かれた名札が。ちなみに「ADA」は「All DOUGEKI AIRWAYS」の略で、彼女はシニア・キャビンアテンダント職とのこと。靴はヒール低めのパンプス。右の前髪を少し垂らしながら、髪をヘアネットですっきりとまとめた清潔感のあるスタイル。そしてノーパン(!)黒ストッキング。はれんちキャビンアテンダントだ!

ポップな1曲目で機内アナウンスを行い、機内サービスとして最前列のお客さんに除菌スプレーをし、自らもシートベルトを締めて揺れに備えたり、細かい演出や仕草が凝ってます。ベッドではジャケットを脱ぎ、黒ストッキングの股間部分を破り、人差し指と中指でクリオナニー。終了後、何事もなかったように衣装を整えて到着アナウンスをして暗転。キリっとした勤務中の表情とオナベ中の切ない表情のギャップが良かったです。こんな美人CAさんが機内に居たらドキドキしちゃいますね・・。

 

2.柳るい

5結デビューの新人さん。デビュー作1個出し。

彼女のお顔を「松本零士の描くヒロイン顔」と常連さんが称していました。ハの字の眉頭と下がりめの眉尻と切れ長の大きな眼、憂いを帯びた表情から、私はデビュー時の工藤静香を連想しました。要はとても美形。「柳の下の幽霊」じゃないが、ちょいホラー演目もハマるのでは?白い浴衣に真っ赤な口紅が似合いそう。

こげ茶で肩より少し長いくらいのサラッサラな髪、スラっと通った鼻筋、右目にセクシーな泣きボクロ。クラシック・バレエ経験者を思わせる真っ直ぐ伸びた手足、白魚のような指。おっぱいは手のひらサイズの美乳で、色素の薄い乳輪は光っている(!)。剃り跡や産毛のないツルツルのP。今どきの子らしく、遺伝子レベルで美しい骨格と肌ですね。

2週目の新人とは思えないほど堂々としたダンスを披露し、笑顔で楽しんで踊っている様子が好印象。体幹がしっかりしているのか、ヒールでもバランスを崩すことなく快活なステップやターンを決める。アップテンポの笑顔たっぷりダンスから、切なく大人っぽいベッドまで、表現の振れ幅が大きいことも将来性を感じさせます。トレーニングを積んでいるのでしょう、ポーズベッドの柔軟性もばっちり。危うげなくピタリとキープ。

クールビューティーなルックスだけど、デジ時は愛嬌たっぷりで可愛らしい声をたくさん聴かせてくれる。早速メロメロになっているオジサンたちが多数いました。すでに踊り子の貫禄あります。道劇チームの大型新人、これは必見ですよ!

 

3.ささきさち

1・3回「ホーム」、2・4回「海(新作)」の2個出し。さちちゃんは5結のシアター上野ぶり。見始めたばかりですが、すでに、いま一番注目している若手踊り子のひとり。観ていて心地いいんですよね。

「海」の1曲目の衣装、ボーダーのマリンルックスタイルがカジュアルで爽やか。1曲目も2曲目も違う帽子をかぶっており、2曲目の白い麦わら帽子と向日葵が夏らしくて良い。そういや「ホーム」も駅員さんの帽子をかぶっていた。いずれも帽子がよく似合っていて可愛い。帽子好きなのかな?

「海」ではオナベにも挑戦!初々しくもなかなか濃厚で、一秒たりとも目が離せません。恐縮ながら勝手な感想を。

まずパンツに指をくぐらせて控えめに触り、ちょっと半脱ぎに降ろして確かめるように触り、いよいよたまらなくなって脱いでガッツリ指入れ、という「3段構え」が、彼女らしいナチュラルさを醸し出していて良かった。

考えてみてください。男性も「よーし、ヌくぞ!」と意気込んで意気揚々とパンツ降ろす日ばかりでなく、無意識にトランクスの上から弄っているうちにムラっと来ておっ始めることあるでしょう。それ。女性がセルフプレジャーするときも大体同じです。

「海」の場合、彼氏と海水浴デートに行って遊んで、泳ぎ疲れた夕方に実家へ帰り、セミの声が聴こえるぬるい和室の畳で汗だくエッチするようなリアルなノスタルジーを感じました。事後は冷えた麦茶を一気飲みしたくなるね。

なお、彼女は人差し指と中指派の同時挿れ派の模様。個人的にグッときたポイントは、右手で指入れしながら、恥骨あたりを手のひら~親指で抑えて、外からも子宮に刺激(圧)を加えているっぽい様。違ったらごめんなさい。余談ですが、これは指と内壁が擦れるので女性から割と好評です。男性諸君、機会があればお試しください。

また、デジ時、5結のレポブログについて「読んで元気出ました!ありがとうございます」と言ってもらえ、嬉しかったです。今回もセクハラじみた感想書いて申し訳ないですが、彼女の繊細な感性にあふれた演目がすごく好きなので、一所懸命観て、私なりに表現しようとしています。

 

4.石原さゆみ

「ウエディング」、「影絵(タイトル不明)」、「町娘(タイトル不明、新作?)」。

「ウエディング」はさすがアイドル・ストリッパーらしく全力可愛い。ダンスでは、女性がいちばん美しく見えるファッションのひとつ、純白のウエディングドレスで登場。ウエストの切り替えからふんわり広がるスカートが素敵な「プリンセスライン」はやはり王道。客席に笑顔をふりまき、幸せをおすそ分け。衣装替えして、白いフリルの裸エプロンから覗く青いTバックが鮮やか。「サムシング・ブルー」の青ですね。こんな奥さんほしい。きっと、休日には美味しいパンを焼いてくれることでしょう。

甘くキュートなルックスで難易度の高いポーズを軽くこなす姿から、並々ならぬ実力を感じました。ブランクを感じさせない完成度です。実は、復帰後、あまり拝見する機会に恵まれませんでしたが、また乗る際はお邪魔したいです。

 

5.宇佐美なつ

「positive」と「ID(新作)」の2個出し。

「ID」とは「アイデンティティ」の略。自分は何者で、どこから来て、どこへ行くのか。なぜ踊るのか、なぜストリップなのか、ステージを通じて何を伝えたいのか。そんな自問自答や迷い、葛藤をぶつけ、答えを模索するようなヒリヒリする演目です。彼女らしい、一筋縄ではいかない選曲や、考え抜かれた構成、独創的かつステージ映えする衣装・メイクがさらに洗練されていて、成長スピードの速さとアイデアの面白さに唸ってしまう。まだデビュー1年経っていないのが恐ろしいほど。こりゃ、7月中の周年は大変なことになりますね。

新作のネタバレはやめて、という方はこの段落スルーしてほしいんですが、ベッド着の「あるパーツ」が5変化するところも見どころです。スカートからパレオに、胸元からカーディガンに、そしてショールに、と瞬間的に使い分けています。皆さんはどの段階が好みでしょう、全部素敵ですが、個人的にはカーディガンは珍しい羽織り方で目を引きました。

そういえばホクロといえば、なつちゃんの場合、右太ももの付け根のホクロと、おしりのホクロがチャームポイント。基本的にエロポラや接写は撮らないわたくしですが、あそこの写真で「踊り子当てクイズ」をしたら、どんな体制でも一発で宇佐美なつちゃんを当てる自信があります。や、そこばかり見ているわけではないですが・・。

デジ時、「ちょー楽しい!めっちゃ絶好調!」とテンション高くて可愛かった。踊り子さんが元気だと、こちらも元気になります。

 

6.六花ましろ

黄色いチェックの半纏に紫色の着物(民族衣装風)を着て、東北地方の方言たっぷりの曲に合わせて踊る演目が、元気いっぱい笑顔いっぱいで楽しかった。久しぶりのステージで思う存分踊れるのが、とってもゴキゲンなようでした。

ましろさんは、歯並びがとてもきれいで、真っ白に輝くところが好きです。ホワイトニングの方法教えてほしい。笑う時、広角が美しく上がり、つやつやの頬に光の玉が生まれる。白雪姫かっというくらい肌が白く、ボブの黒髪が一層黒く映えます。

持論ですが、肌がきれいな踊り子さんは総じて代謝がいい。激しいダンス演目の後は、じわじわと汗が噴き出してくる様子を堪能するのがオツです。背骨に沿って背中を一筋、脇の下のくぼみに、胸の谷間に、首筋に、腹筋に、おへそに、おしりのくぼみに、脚の付け根に。照明や動きに合わせて光の粒が身体を覆っていき、やがて質量を伴って水滴が宙を舞う。一部のかぶりつき席はスプラッシュ・マウンテン状態でした。このライブ感は劇場ならでは。場内の温度もますます上がる。

 

ところで、自粛期間中にほとんど人と会わず、6月になっても出社や通勤がなく、呑み会もグンと減って、女性と話す機会が減っているからか、最近、マスクを外した女性の顔を見るだけで若干ドキドキしてしまうんですよ。特に、踊り子さんたちのような「美」を凝縮したような女性の顔全体を見られるというだけで興奮します。気持ちが分かるという人がいたら助かります。

「すっぴん」じゃないけど、もはや今のご時世でノーマスクの「素顔」は貴重です。これは、平安時代の貴族たちが御簾越し&厚着&灯りの少ない生活をしていたため、異性の肌を近くで見るだけで非日常イコールセックスに結びついてしまうのと同じ現象ですね。今後もマスク生活が続くようならば、人の素顔や口元を直に見ることがレアになるのかもしれません。

人間がパンツやパンツの中身に興奮するのも、普段は隠されているからです。隠すから羞恥心や特別感が生まれ、暴かれた時に性的興奮を呼びます。パンツ=マスクとなる日も近いのではないでしょうか?

 

しょーもない戯言はこのくらいにして。

この日の道劇は、楽日のはずなのに、踊り子さんたちが口々に「今週あっという間だった!楽しかった!終わりたくない!」と言っていたのが印象的だった。ダブル進行やトリプル進行も多々あり、デジのコメント返しで休憩時間もロクに取れず忙しいはずで、自粛期間空けすぐトップスピード出てるはず。ドライブ感に身を任せる感じだった。あまりの良香盤&盛り上がりぶりに、常連さんたちも「リピート」する人がかなり多かった模様。

道劇は、どんなに忙しくても曲カットすることなくステージを全部見せてくれるところが素晴らしい。意味や意図があってステージを構成してるのだから、1曲でもカットしてしまうと別物になってしまうということをよく理解しているのですよね。多少押しても、投光さんがこまめに進行アナウンスを挟んでサクサク進めるので、時間調整はお手の物。だからこそ、ステージがちゃんと観たい時も安心して行けます。信頼と実績の劇場。19周年おめでとうございます。末筆ながら、ますますのご清栄をお祈り申し上げます。

祝・ストリップ劇場再開!シアター上野5結が本気すぎる

待ちに待った、とか、夢にまで見た、とか。どんな言葉で表現しても言い尽くせない。

政府と各自治体による緊急事態宣言ならびに自粛要請を受けて、4月11日ごろから営業中止していたストリップ劇場が、5月末~6月から始動し始めた。振り返ればたった2ヶ月と思われるかもしれないけれど、いつ再開できるのか、全く先の見えない状況で過ごす時間はあまりにも長く感じた。

自粛期間は、劇場関係者、踊り子、ファンの方々が、それぞれSNSや動画配信サービスなどのツールを駆使して、近況などを積極的に情報発信していた。そのおかげで、インターネットを使える環境下にあるファンは、そうした情報にアクセスすることで孤独感をやわらげ、劇場に行けない期間も様々な思いを共有することができた。こうしたつながりは、多くのファンの心の支えになっていただろう。

各踊り子の配信サービス状況をまとめたリストも生まれ、一日中配信にかぶりつくファンも出た。劇場に行くより忙しい人もいたとか。(WEBページ作成:zaitakuさん)

odoriko-live.jugem.jp

いよいよ劇場再開。再始動にあたり、各劇場で様々な対策が行われている。例えばシアター上野ではこんな感じ。

1.マスクの着用

2.非接触の体温計にての検温

3.消毒液での手洗い

4.場内での食事の禁止

5.場内での過度のお喋り

6.通路で立ち止まる行為

7.踊り子さんの嫌がる行為

プラス、盆正面かぶりつき4席はフェイスシールド(劇場支給)を装着する必要がある。ソーシャルディスタンス確保のために座席数を削減し、立入禁止区域のバリケードも設置。南美光ちゃんの下記ブログ記事内に、劇場内の写真があるので参考になる。

pikapi.blog.jp

なおバリケードは5/27時点は手造りの段ボール製だったので、どことなく上野公園らしさが出ていた。これでブルーシートの覆いがつけばサイコーに上野らしくなる。

余談だが、川崎ロック座と横浜ロック座も対策を講じている。チップやプレゼント、Pプレを行える上野と比較するとかなり厳格。まだ行っていないけど池袋ミカド劇場のデジはかなり遠くなったとか、巻き巻き進行だとか。

kawarock.blog5.fc2.com

なんにせよ、劇場再開がうれしくてたまらない。緊急事態宣言終結=コロナ収束ではないし、第二波がくる恐れもあるし、2回目の緊急事態宣言が発令される可能性だってあるんだから、それぞれができる限りの予防対策を講じるのは大賛成。とくに、マスクをつけられない生身の踊り子さんたちは見えない恐怖と隣り合わせでステージに立っているので、ファン側が万全を期すことはマスト。これからも健康第一で乗り切りましょう!

 

さて、いつも通り前フリが長くなりすぎましたが、シアター上野5結の感想レポです!

【5月27日の香盤】(3回まわし)※敬称略

1.新井見枝香

2.ささきさち

3.山口桃華

4.希望のん(5/26-27だけ、玉さんの代演)

5.南美光

 

もともと、劇場再開後一発目はホームの上野でキめたいと思っていたけれど、それでなくても大好物な香盤です。今週・来週の上野の香盤は「本気(マジ)」だぜ。

初日は混むだろうと思い、ずらして平日に。1回目スタート時に7割ほど埋まり、2回目トリでほぼ満席に近い入り具合。ちなみに場内はガンガン喚起効いてて少し肌寒いので上着必須。

 

1.新井見枝香

この日は3個出し。デビューからすでに10作近く作っているので、驚異的な生産力です。1回目は激しいメタルサウンド演目、2回目は学ラン(新作)、3回目はメイドからのドレス(樹音さんからの継承衣装)。演目タイトル分かったら更新します。

上半身の装飾とグリーンのチュールスカートが美しいロングドレス、よく似合っていた。本人、エレガント系の衣装は自信ないと仰っていましたが、いやいや、彼女の持つ凛とした女性の魅力をさらに引き出しています。

プラチナブロンドのボブヘアーにエメラルドグリーンの瞳、黒装束、首輪、引き締まった細い身体・・・ますますビスク・ドールめいてきました。低脂肪系スレンダー踊り子としては去年の春夏ごろの鏡乃有栖さんを思わせる。2ヶ月の自粛期間もストイックなトレーニングを重ねてきたのでしょう、踊り子歴約4ヶ月(2020年2月1日デビュー)の新人とはいえ確かなプロ精神が備わっています。そしてダンスやベッドも迫力がある!ポーズ可動域や柔軟性がさらに増し、見ごたえ十分。なによりも、心から楽しんで踊っている姿が観る者の心を打ちます。お客さんの手拍子にも力が入る。トップステージから場内がアツくなる!

 

2.ささきさち

上野初乗りおめでとうございます!この日は2個出し。1回目は上京の思いを込めた「HOME」、2回目はデビュー作。実は初めて拝見したのですが、1ステージ観て確信。彼女は大物になる。

いち客風情が偉そうなこと言って恐縮です。ただ、ものすごい集中力と豊かな感性をお持ちの踊り子さんだなと感じました。派手なパフォーマンスや豪華絢爛な衣装で観客を圧倒するというより、等身大の自分を包み隠さず明かすステージ。ありふれた日常のなかにある手のひらサイズの感動や感情、もしくは彼女がとても大切にしている秘密の宝物をそっと見せてくれるような、観ているこちら側の心があたたまるものです。ずっと観ていたくなるステージ。

身体つきは少女のような、けれども女性らしい曲線美と確かな体幹が美しい。蕾がほころび、まもなく開花するであろう大輪の花を予感させる。顔立ちもあどけなさが残るので、いわゆる「ロリ系」の踊り子かも。お化粧薄めで清純派キュート。けれどもベッドでは「意思の強いまなざし」と「似つかわしいくらい大人びた表情」を見せ、発達途上の肉体とのアンバランスさがこちらの心をかき乱します。(全然タイプは違いますが、大ベテランだけどいつまでもフレッシュな少女らしさが素敵なさくらさんを連想しました)

この日は3回目のヨシダッチの照明が神がかっており、ささきさんが全面的に信頼して身を預けているのが感動的だった。同じ演目も照明でこうも見え方が変わるとは。ストリップはライブだし生き物だ。

ところで、このところの渋谷道頓堀劇場デビューの踊り子さんは全員ポテンシャルが高いと思いませんか?金魚さん、宇佐美なつさん、ささきさちさん。まだ拝見していませんが、柳るいさんもグレイトと聞いています。きっとスカウトさんの腕が良いんだろうな。振り付けも、各踊り子さんの個性に合わせてバラエティ豊か。振り付けはチナツさんが中心と伺っています。すげぇ。

 

3.山口桃華

この日は3個出し。1回目「マリオネット」(新作)、2回目「インディアン」(新作)、3回目「変面」。新作が2つも!11周年おめでとうございます。

髪色が少し明るくなって、さらにパリピ感増してて素敵。一日でいいからこんなナイスバディ美女になりたい。桃ちゃんはルックスも性格もめちゃ良いのに、演目がハッピーで明るいノリなところが好き。いつ観ても元気と笑顔をもらえる。喋るとフワフワして癒されるし、ウインクもらったら「私のこと好きなのでは?」と勘違いしちゃうし、デジサインが一所懸命なのになんかゆるくて天然なところが可愛い。桃ちゃんサイコー。

デジ撮ったら周年グッズいただいちゃいました。周年記念のステージ写真数枚、リストバンド、ゴールドのタンブラー、氷代わりになるストーン。豪華!

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4.希望のん(5/26-27だけ、玉さんの代演)

代打ということもあり、この日は1個出し。2020年のお正月演目。

グレーアッシュなヘアカラーとグレーブルーの大きな瞳が印象的。少女漫画に出てきそうな美少女なのに、どこか儚げで影を感じるのは「困り眉」(下がり気味の眉尻)だから。悲しげで守ってあげたくなるようなところが、きっと男心をくすぐるのでしょう。なので個人的には、スマイルいっぱい☆アイドル演目よりも、ちょっと暗めでドロドロした雰囲気のダークな演目の方が魅力を引き立たせる気がする。

で、今回の演目はまさにソレ。不倫経験のある女性アーティストたちの重めな楽曲と、笑顔少な目の表情はミステリアスで、白く細い手足があやしげに暗闇に伸びる。骨格が美しく、脚フェチの私としては魅入ってしまう美脚です。

シリアスなステージに反して、デジは明るく和やか。代打を応援する熱心な常連さんたちもちらほら。Tシャツやグッズ販売もしており、買い求める人も。オープンで来ていた黒いTシャツの背中には「人生一度でいいからバズリたい」と書かれていました。

 

5.南美光

自粛期間中はブログ「ぴかきら日記」を拝読し、新作衣装やマスクを制作する過程を興味深くウォッチしていました。職人だ!この人は職人!

彼女は、2ヶ月もの間、不要不急の外出を控え、栄養バランスの取れた食事を摂り、裁縫用の布などは通販で揃え、客の健康を案じ、劇場再開後の展望を具体的に考えていた。踊り子の鑑だなぁ。こういう真っ直ぐなところが彼女らしくてとても好き。

マスクは、合ポラを撮った方にプレゼントしていました。爽やかな水色のアロハ柄と、パンツのような縞柄の2種類をランダムに。

先着順だと思いますので、欲しい方は今週か来週の上野でゲットしてください。マスクには、手書きのA4メモが付属しており、布マスク配布に至る思いや使用にあたってのお願い事、詳しい材質などが書かれていました。字がキレイでイラストも可愛い。

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使い心地ですが、今まで使ったどんなマスクより使いやすいです!シルエットが美しく、顔の骨格に沿うように立体的にデザイン・縫製されています。

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アロハ柄はファッションアイテムのようにも見える。表の素材は汚れが付きづらい布ポリエステル、内側は肌あたりが優しいダブルガーゼ。耳にかけるヒモはポリウレタンナイロンで低刺激。劇場という密閉空間で長時間着けてもらうことが前提のマスクです。ウイルスの侵入を出来る限り防ぐため、密着性を重視しつつも、呼吸がしやすいように通気性を兼ね備えています。やっぱり職人だ。

 

さて、この日は2個出し。1・3回目は黄色とピンクの衣装でダンサブルな作品(2年前くらいの作品)、2回目マジシャン風で早着替えの名人芸を披露。新作はもうちょいかかるそうです。

光ちゃんを観てようやく、あぁ劇場が息を吹き返した、と感じました。ブランクを感じさせない全力投球のダンス。自粛期間中のトレーニングの成果で「くびれ」が誕生しているところも見逃せない。おっぱいとお尻のボリューム感とハリはそのままに、出すとこ出して締めるとこ締めてて、仕上がってます!

そして情念のオナベ。人差し指と中指が第二関節まで飲み込まれる様子が、あらゆる体位でよ~く見えます。薬指をお尻の方に当てる仕草もエロい。フィニッシュでは、手首から先の動作を固定し、上半身と下半身を激しく揺らして喘ぎ、見事なイきっぷりを披露。これは、ちょうど絡み相手の男性側(空想)もイきましたね・・。思わず観客たちの息も荒くなり、かぶりつき席のおじさんたちが装着したフェイスシールドが白く曇り、内側に水滴が滴っている。

 

シアター上野、実はこの自粛期間中に、最新兵器を装備しました。「ヨシダッチスペシャル」とでも名付けたいLED照明です。

この照明器具により、今までよりも盆を明るく均等に照らすことに成功しております。色の再現性も高く、鮮やかなカラーで踊り子の肢体を照らします。陰影も大事、光量も大事・・照明の考え方は色々あると思いますが、「踊り子を美しく魅せる」ことを第一義に考えれば、新しい表現への挑戦を歓迎したいですね。(個人的にはハロゲンのあたたかみが好みですが、熱いし値段が高いのでサステナブルではないとも思います。LEDは写真撮影時に色落ちするのが難点ではありますが)

新しい照明は照射範囲が広めなので、盆でのポーズベッドを際立たせます。身体のラインや滑らかな肌をベタっと強調する様はどことなく日活ロマンポルノ的。シアター上野の「場末感」やいかがわしさを演出するにふさわしい・・というのは言いすぎかしら。光さんのオナベの「濡れっぷり」もよく見えるので、ぜひ3回目ラストまで楽しんで。

 

余談ですがPプレも健在でした。1回目はじゃんけん大会、2・3回目は投げ。1回目にささきさちちゃん、山口桃華ちゃんのPを連続ゲットした強運おじさんは、次の回は大事そうに握りしめながら寝ていた(笑)そして帰り際にくださいました。きっと獲るのが楽しいのね。2枚のPは人肌に温められてホカホカでした・・。※私はP客ではないですが、頂けるなら有難く持ち帰ります。

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この日は顔見知りの常連さんたちも多かった。缶ビールやジュースをいただいたり、色々ご親切にありがとうございました。ねこちゃんもご健在で安心しました。

終演後、冷めやらぬ興奮そのままに、換気バツグンの焼き鳥屋「鳥笑 本店」で常連さんがたとサクっと打ち上げ。シアター上野再開祝い、久しぶりの再会祝い、私の社会復帰祝いなど、あらゆる理由をつけて乾杯しまくりました。

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ストリップ観て免疫力高めて、アルコールで体内消毒して、みんなで英気を養ったのでした。

6月からは全国の劇場が再開する。忙しくなりそうだ。どこの劇場も素敵な香盤なので、どうやって時間をやりくりするかが嬉しい悩み。