盛り場放浪記

花街を歩くことが楽しみな会社員による、酒とアートをめぐる冒険奇譚。

攻めてるマンション「デュフレ横浜石川町」見学してみた

今年入って半年経つけど、緊急事態宣言が出てない日数って一ヶ月くらいだよね、なんて話をすることが増えてきた。街中では夜間もお酒提供営業し出す居酒屋も続々出ている。イセザキ・モールはますます無法地帯めいてきて、週末には楽しそうな声があちらこちらから聞こえる。真面目に自粛した方が損をする、なんて呟きも聞く。そう思うのも仕方ない。海外のロックダウンのような強制力がない、人々の良心と相互監視に頼った緊急事態宣言は、去年の1発目の数ヶ月しか効力が発揮できなかったのだろう。

ま、それでも当面は大人しくステイホームを続けます。ワクチンが普及するのを大人しく待ちます。やっぱりコロナに罹患したくはないし、人にうつしたくもない。ひとり遊びも在宅も性に合っているのか今の暮らしにストレスはあまりない。苦手な大人数の飲み会に行く必要もないし、地獄の通勤ラッシュに巻き込まれない今の暮らしは、正直なところ、かなり居心地が良い。猫たちとのんびり寝起きできる家と、ひと気の少ない街角散歩の機会と、気心知れた身近な人としっぽり飲食できる場所と、ふらりと映画や舞台を観る時間があれば、精神の安定が図られることが分かったことは、コロナ禍の収穫だったようだ。シンプルライフ

とは言え、一番大きいのは引っ越しによるクオリティ・オブ・ライフの向上だな。何だかんだ、家の居心地が良ければ外出しなくても色々楽しめる。おうち最高!光通信にしたのでWi-Fiも飛ばし放題!ふかふかのダブルベッドはいつまででも寝ていられる!

今は、まだまだ続きそうなステイホームライフをさらに向上させたくて、高みを目指したいと思っている。そんなわけで、マンション見学に行ってみた。や、引っ越したいとかマンション買いたいとかの意図はない。近所におもしれー物件ができるので見てみたいという好奇心はあった。一番の目的は、そのマンションが取り入れているデザインやインテリアの工夫、暮らしやすくなる機能がどんなもんかを知って、真似すること。

学ぶことは真似ることから始まる。世阿弥の「風姿花伝」を愛読する私は、優れたアイデアがあれば積極的に真似して自分のものにしたいと常々思っている。もちろん盗作はNO。

で、行ったのはこちら。石川町駅から徒歩4分の新築マンション「デュフレ横浜石川町」。マンション見学は初めてなのでテンション上がった。

www.suggest.co.jp

100%冷やかしは営業担当者に失礼なので、ちょっとは真剣に検討しましたよ。でも、両親転勤族で同じ家に5年以上住んだ経験が1回しかない(それも社会人になってから)人間にとって、終の棲家を持つことはいまいちピンと来ないのです。将来何があるか分からないのに長期ローンで何かを買うことへの抵抗もある。あと持ち家の実家あるし。

しかし、そんな賃貸派の私ですら魅力的と感じた物件がこちらだったのです。

まずね、ロビーがすごい。マンション内にコワーキングスペースがある。NURO光が通っていて、通話できる個室もあるし、印刷もできる。接触にも力を入れていてセンサー入りのカードを持つだけで自動ドアが開くから、いちいち取り出してピッとする必要がない。時間貸しレンタサイクルのポートもマンション内にあってちょっとした利用にも便利そう。

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まるでホテルみたいなロビー。一部屋分削ってまで天井の高さを確保したらしい。

公式】THE LIGHTHOUSE(デュフレ横浜石川町)|株式会社サジェスト

 

居室内もすごいぞ。ドア前の「デリストレージ」は置き配配達に便利だし、アウトドア用品やトランクなどかさばる荷物を収納できる。「DEN」なる在宅勤務に特化したスペース、女性デザイナーが開発したクローゼット、色や素材を無料で選べる壁・タイルなどの自由度の高さ。「ベンチ・コンサバトリー」という日なたぼっこができる空間。

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SUUMO】デュフレ横浜石川町(THE LIGHTHOUSE) | 新築マンション・分譲マンション物件情報

価格も思い切った。2LDK3,200万円台が標準。今は住宅ローン減税やペアローンなど充実しているから、共働き家庭DINKSにはうってつけの物件と言えるだろう。しかも「住みたい町ランキング」で常に上位をキープしている横浜市に住めて、中華街やハマスタに歩いて行ける中区市民になれる。が、しかし、物事には理由がある。こんなに素敵な物件なら即完売御礼になるし、この価格は成立しない。

なんと、ドヤ街ど真ん中に立地しているのである。横浜市民なら地名を聞いただけで多くの人が察する、寿町エリア(松影町)である。寿町と言えば、弊ブログでも度々紹介している気がするが、かつての港湾労働者の住処で、現在は住民の8割が生活保護受給者という福祉の街。晴れた日にはおじちゃんたちが道ばたで酒を飲んだり寝ていたりする平和な地域だが、反社会的な方々の事務所も多くある危険地帯でもあるので、横浜市民は用事がなければ決して足を踏み入れることはないエリアである。かつては「当たり屋を恐れて地元タクシーは決して通らない」とも言われていた。道や川を1本隔てるだけで異世界ワンダーランドに行けるのが横浜の面白いところだ。

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ちなみに、このマンションのコンセプトは「THE LIGHT HOUSE」、つまりは灯台だ。「光を当てるのはこれからの価値観です」とのメッセージを翻訳すると、「現在は日本三大ドヤ街だけど、生活保護受給者の高齢化も進んでいるし、2020年代関内駅周辺で複数の再開発が予定されているから、長い目で見たら寿町エリアも様変わりする可能性がある」という感じか。

マンションを販売するデベロッパーも、この点は誠実に話してくれる。そもそも見学に行く前の電話で「この地域の特性はご存知ですか」とジャブをかましてくるし、営業担当者は「ウキウキして現地見学に行かれた方の9割が暗い顔でお戻りになります」とぶっちゃける。

再開発によって地価が高騰し、街の住人が強制的に入れ替わることを「ジェントリフィケーション(都市の高級化)」と言う。このエリアの再開発や、このマンションが誕生することによって寿町のイメージを一新させたいという大いなる意思があることは間違いない。そして、将来のポテンシャルを期待してこの物件を購入する人たちは、(当人の意図の有無にかかわらず)ジェントリフィケーションの尖兵として送り込まれることになる。

makitani.net

私は寿町の歴史や文化を面白いと思うし、色々な事情があって寿町に辿り着いた現住人たちはこの先もこの地で暮らしたいと思うのではないかと考える。将来的に変化を強いられることはどんな土地でも避けられないけれど、ゆるやかにマンションの住人たちと共存できる手立てがあるといいな。生活保護受給者の死や立ち退きを願いながらこの地に居住するのだけはやめてほしい。

・・・と、つい寿町に対して熱を込めてしまったけれど、本題はそうではなく、このマンションの良さを今の暮らしに活かすことですよ。真似したい点と惹かれた理由を考えてみよう。画像はすべてデュフレ横浜石川町のHPから引用しています。

 

①ロビーのテレワークスペースが、気分転換できて便利そう

部屋で仕事できるなら部屋でいいじゃん、という身も蓋もない意見もあるだろう。そーだけど、気分が乗らない時は人目があった方が捗るのも事実なのだ。Wi-Fi環境と机とついたてと電源さえあればPCが開けるので、徒歩で行ける近所に逃げ場があると嬉しい。

[解決策]家の近所のテレワークスペースを見つけよう。ミーティングがないならファミレスや喫茶店も使ってみよう。

 

②自宅のテレワークスペースを格好良く使いやすくしたい

今はダイニングテーブルにPCを置いて、キッチンをバックに仕事をしている。食事用のテーブルなのでPCは出しっぱにできず、毎日棚に移動している。できれば固定して電源処理もしたい。テーブルに猫が乗るので圧を感じる。明かりは天井の照明だけなのでもう少し照度を上げたい。

[解決策]テレワーク専用のテーブルを設けてみようかな。デュフレ横浜石川町のようにPC用のテーブルを壁付けにしてもいい。ダイニングテーブルの椅子とは分けて、ちゃんとしたオフィスチェアの導入も検討してみたい。

SUUMO】デュフレ横浜石川町(THE LIGHTHOUSE) | 新築マンション・分譲マンション物件情報

③リビングダイニングのレイアウトと照明計画を見直す

空間の雰囲気は照明と什器で様変わりする。思えば、引っ越した時に置いた家具の位置は適当だったか?図までの広さはないものの、もっと効率的にスペースを使える気がする。図の中でカーテンでなくブラインドを使っているのも明るくて面白い。我が家はサンルームがあるので、カーテンがなくてもいいわけで。あと、ダイニングではヨガやZUMBAやリングフィットをするから、ワークアウト用の道具を仕舞う棚も必要がも。

[解決策]②で書いた通り、ダイニングテーブルとテレワークスペースを分離する。照明を増設する。カーテン以外の遮光方法を検討する。家の中にグリーンを増やす。

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④窓辺の空間を過ごしやすくする

前述の通り広めのサンルームがあるのですが、猫の王国&洗濯干し場&物置と化しています。それでもいいけれどベンチくらい置いても悪くない。ただ、下図のような読書場にするには猫のトイレの臭い問題を解決せねば。

[解決策]前の家から持ってきた粗大ゴミ(ゴミ箱)をいい加減捨てる。猫餌や猫砂などの猫グッズの収納を再考する。猫と話し合う。

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書き出してみると、案外少ないし解決可能だ。現住居の立地はデュフレ横浜石川町以上に申し分ない便利さで、そのほかの機能はあまり遜色ない。我が家以外の多くは分譲住民なので治安もよく、24時間ゴミ出しや管理人の常駐などの恩恵を受けている。床・壁・天井の色や素材はカスタマイズするほどこだわりがない。あとアップデートできるのは家電くらいか。寝室もまだまだ何かできそうだ。・・・結果的に我が家最高説が高まってしまった。

運良く今の家が見つかったから良かったものの、横浜市内駅近で猫2匹飼えて2LDK以上で家賃抑えめの賃貸物件なんてほぼゼロなのよね。たまにSUUMOで検索してもロクな物件出てこないし、見つからなかったらマンション買わざるを得なかったのかも。むしろ現住居のマンションを分譲してほしいくらいだ。つくづくご縁に感謝。できるだけ長く住めるよう、大事に暮らしていこう・・・と改めて誓ったのでした。