盛り場放浪記

花街を歩くことが楽しみな会社員による、酒とアートをめぐる冒険奇譚。

横浜「埼玉屋食堂」で朝呑みしよう

もはや月イチで通ってる横浜・寿町。土曜に泊まり、日曜朝に行きたいのは阪東橋にある「埼玉屋食堂」。朝7時からオープンし、客のほとんどが飲酒しているゴキゲンな食堂です。

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シブい外観。いつも、のれんが出ているのを見て安心する。

各種定食750円で単品注文も可能。棚に日替わり小鉢や焼き魚が並んでいるので、その日の気分でいくつかピックアップすることが多い。

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健康的にミルク割を。瓶牛乳がうれしい。ミルクが濃いので焼酎のアルコールを全く感じない危険な飲み物。コーヒーミルク割もある。

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ナポリタン。アルデンテ感は微塵もなく、ケチャップが強い理想的なもの。

1時間ほどのんびり飲んで「まだ10時前かぁ・・午前の・・」と明るい外を眺めて幸せを嚙み締める。お客さんはほぼ常連客で、グループ呑みを楽しむ様子が見られる。都内のこういう店では話しかけられることもあるけれど、ここは横浜の土地柄か、ツレがいるからか、一切絡まれない。こざっぱりした雰囲気が魅力。

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朝の光が気持ちいい。

ノープランの日曜、どこに行きましょうか。12月だけど暖かいので三渓園でお散歩しましょう。ちんたら走るバスでぐっすり眠ってお酒を抜いて、レッツゴー。

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冬の三渓園。暖冬の影響で紅葉が遅く、まばら。日本美術史の功労者、原三渓様の理想郷。壮大なスケールに毎回驚かされる。

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柿が干されていた。情緒ある光景。

2時間ほどお散歩して、またバスでのんびり桜木町に向かう。どこかに飲みに行きますか。

横須賀で昼呑みして「感覚の島」に行く

平日、午前中で仕事を切り上げて横須賀中央へ。天気がいいので昼酒を楽しむ趣向です。

まずは「中央酒場」で昼飯を。

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朝10時から呑めて食える地元の名店。夕方には満席になることが多いが、昼間は比較的入れる。

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豊富なメニューに見とれる前に、まずは湯豆腐と熱燗を頼んでゆっくり選びましょう。湯豆腐は横須賀名物・カラシ付き。

お腹を満たしたら横須賀散歩をしましょうか。

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若松マーケットは昼間静か。今夜の行き先を考えながらぶらぶら歩きます。

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汐入まで歩けば、角打ちの名店「ヒデヨシ商店」までもうすぐ。

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店内は基地で働く外国人ばかり。日本人は私と店主しかいない状況。ドルでも払えます。

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店内の棚や天井にまで貼られたドル札は、基地を去る軍人さんたちのサイン入り。

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外国の方はファンタのようなソフトドリンクや甘いチューハイを呑んでいる人が多い。ワンカップを熱燗で、骨酒にしてもらいました。これで280円!喫茶店でコーヒー飲むより安いです。

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サクッと呑んだらまた散歩です。キュートな外観のスナックや、ストリップ劇場跡地を探します。

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でててめ んべっし店 飲食歌楽る!?縦読みかと勘違いした看板。

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トンネル抜ければ 海が見えるから そのままドン突きの三笠公園で・・

実は呑むだけでは終わりません。この日は、横須賀で期間限定で開催していた「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島」に参加。イベント内容は「都市生活のなかで忘れかけている感覚を暗闇のなかで取り戻す試み。」ということで、何があるのかよく分かりませんね。

senseisland.com

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通常は夜間に上陸できない猿島に行けるとあって、イベントは完売御礼。冬のフェリーは絶対寒いと思って防寒したので大丈夫でした。

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肝心のイベントですが、物理的に撮影できない(島に着いたらスマホを封筒に入れて取り出せなくなる)ので写真は無し。唯一撮れる浜辺の作品を撮ったら露光オーバー。

要するに島中にアート作品を点在させ、暗闇の中を何とかして歩き回らせながら鑑賞する試みです。電灯は少なく、平坦な道でも歩きづらいのに、階段を降りる時は超怖い。横須賀市職員や雇われたスタッフがかなり多く配備されているので、安全面は相当配慮されていましたが、ベビーカーを押した家族や小さいお子さん連れは途方に暮れる場面も。ファミリーよりもカップル向けで、人のいない茂みで「キャッどこ触ってんの」「いいじゃん、誰にも見えないぜ」なんてイチャイチャがあったりなかったり。アート作品は、半分以上はピンと来ませんでした。場の力が強すぎて負けますね。チャレンジとしては面白いので、また機会があれば行きたいです。
そんなこんなで帰りの船に乗って街中に戻る。冷えた身体が熱燗を欲している・・「ぎんじ」に行こう!

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神奈川県を代表する酒場と言っていいでしょう。夕方は混み合うので入れたらラッキー。

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飴色のカウンターやテーブルがシブい。店員=地元のお母さんたちが忙しなく働いています。

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熱燗に、煮込み、湯豆腐、ポテサラ、小鉢をいくつか。

良い店では、話も弾む。しばし過ごしたところで、せっかくだし餃子も食べようということになり向かいの「錦ちゃん餃子」へ。

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パリッと焼かれた餃子たちが赤いカウンターに映える。

心おきなく横須賀を満喫し、京急でノンビリ横浜方面に戻り、伊勢佐木町に泊まったのでした。

新宿ニューアート11月頭~休日出勤の癒しはストリップで

10月の週末は雨ばかりだった。台風シーズンとはいえ、結婚式や運動会などのイベントが流れてしまった人たちが不憫に思えた。11月に入り、朝晩冷え込むようになってきたものの、日中は日差しが暖かい行楽日和が続いた。最初の週末、三連休の東京都内は好天だったので、雨傘の心配のない外出を心待ちにしていた人も多いようだった。

しかし、残念ながら私は積もり積もった仕事の山を少しでも切り崩す必要があったので、二日間仕事に出かけた。日曜日はまだしも、祝日の月曜日に出社するときはいささか悲しかった。「このまま山手線一周しようかな」と職場の最寄り駅で降車をためらったり、改札を通るのを迷ったりした。

「こんな日は、ストリップ観ないとやってらんない」仕事の目途が付いたら劇場に行くことにした。川崎、横浜、大和、池袋、上野、浅草・・新宿にしよう。確か小向美奈子さんが乗っていた。大きなおっぱい見たら元気が出そうな気がした。赤西涼さんも帰ってきたし、新人さんがデビューしたとも聞いた。

そうと決まればさっさと職場に行ってやることをやろう。数時間かけて、来週中に仕上げないといけない文章のプロットを粗方つくった。思ったよりも早く目途がついた。Twitterで観劇仲間から連絡があった。「新宿来る?夕方までいるよ!」これはラッキー、せっかくだから間に合うように行こう。

新宿ニューアートは、新宿駅から歩いて10分ほど、ゴールデン街に隣接した好立地にある。DX歌舞伎町が無くなり、新宿最後のストリップ劇場となった。今年から写真がポラロイドからデジカメになり、1枚1,000円に値上げした。不景気の波は厳しいが、どうにか頑張って存続してほしい。

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入場していきなり小向美奈子さんのステージ。横浜ロック座以来のグラマラスな身体。特別に巨乳が好きなわけではないし、どちらかといえばスレンダーな踊り子さんの方がよく見に行く気がするけれど、豊満な胸には迫力があり、すべてをどうでもよくさせてくれるエネルギーがある。(なので雛形ひろ子ちゃんの身体も大好きです)

5番目、小向美奈子さん新作(中村ピアノさんの曲)、「多忙」。小向さんは芸能人特有の華々しいオーラがあって、どんな時も楽しもうとする、肝が据わった踊り子さんだ。写真タイムもくるくる変わる表情が魅力的で、熱心なファンが多いのも頷ける。ダンスやオープンショーも常に全力で取り組む真面目な性格と、大抵のトラブルは叫んで笑って解決する豪胆さが素敵だ。上下するおっぱいや、自由自在に形を変えるおっぱいはまさに「スライム乳」。写真をお願いする際、「昔、AVのデビュー作買いました」と伝えると、「まじで!ありがとう!」と笑ってくれた。

トリの6番目は赤西涼さん。りょんちゃん♡「アクア涼ム」「8周年作」(この日時点)拝見。りょんさん、Twitterの更新を見るたびに幸せな気持ちになる、心も身体も美しい踊り子さん。圧倒的スタイルの良さと力強い目力は「絵を描きたくなる」のだと思う、イラストを描くファンの方も多い気がする。身体の線や肌の仕上げ方、表情のつくり方、衣装のこだわりなど、ステージ全部が作りこまれていて、踊り子(演者)としてだけでなく、プロデューサー的な力も高いんだろうなと思う。川崎や横浜、浅草で拝見することが多かったので、新宿でお見掛けするのは初めて。新宿の丁寧な投光がよく似合っていた。(浅草「百物語」の「かざぐるま」は背筋が凍るほどコワ美しかったね)

2回目が終わり、3回目に。かぶりつき席で堪能した。観客の入りは半分ほど。三連休最終日らしからぬ落ち着きだった。劇場で再会したひで太さんが、「当初は池袋に行こうとしたら、開場前に数十人並んでいてとても行けなかった」と話していた。SMフェスタで混んでいるのだ。浅草ロック座は大入り続きで、Twitterでは川崎に行っている人が多そうだった。

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ひで太さんにGODIVAのチョコレートいただき、観劇の合間のおやつに。ブログ更新熱望いただいので早速書きました。

1番、雪見ほのかさん。2019年のストリップ初めは横浜ロック座だった(真白さん初め)けれど、確か雪見さんが一番手だったので、今年は雪見さんのオナニーベッドからはじめさせていただいた。今回は新作かな?あらゆる角度から茎太くん挿入部分が見られて興奮した。黄色いファンパーカーを着たお客さんも数人いて、写真タイム恒例の盛り上げも見られた。オープンはいつ観ても女性の神秘。

2番、青山ゆいさん。顔が好き。ちょっとギャルっぽい女の子に弱い。長い睫毛の影と、揺れる胸の軌跡がきれいで生唾を飲みました。1・3回「NAVY」、2・4回「サキュバス」。

3番、やなせりほさん。今年4月に浅草ロック座で復帰以来。ガーリーなお顔立ちと柔らかそうな身体が素敵。1・3・4回「りぽスタ★」、2回「Black to White」(4日目まで)。

4番、椿りんねさん。今週デビュー!とっても可愛らしい新人さん。少女のようなスレンダーなくびれボディと滑らかな肌、きれいに手入れされたつるつるで控えめなアソコ、そして健気な初々しさ!ひたむきなステージは、スト客の皆さまのハートを鷲づかみ、思わず応援したくなると思います。せっかくのデビュー週なので、ご祝儀がてら訪れてみてはいかがでしょうか。

りんねさんは、ぺったんこのお腹から、グッと女性らしい腰つきへのラインが美しく、照明が当たると神秘的な光を放っていました。林檎さんの曲も雰囲気に合っていて、一所懸命なダンスもいじらしく、可能性を感じさせます。曲の途中、「RINGO!」の掛け声で「RINNE!」と言いたくなりました。ポージングはデビュー週と思えないほど思い切りがよく、脚がよく伸びているので、ものすごく身体を絞り、練習を積まれたんだろうと想像にかたくありません。お客さん一人ひとりを抱きしめるような、優しい笑顔に癒された。

りんねさんから「川崎にいましたよね?私お客さんとして行ってて、見かけました」と声をかけてもらい驚いた。デビューまでの過程を詳しく存じませんでしたが、ストリップが本当に好きで、憧れて、ついに夢を叶えたようです。こういう踊り子さんがいると、スト業界の未来は明るいなぁと元気が出ます。頑張ってください!もしかしてあの娘かも?というお心あたりがある方は行くように(笑)

4回目で帰宅。歌舞伎町のホストクラブで働く友達にばったり逢い、危うく店に連れていかれそうにもなるも、また今度。同い年のやり手ホスト。私はホス狂いするタイプではないと見抜かれているので営業されない。

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いつの間にか、休日出勤の恨みつらみは何処かへ消えていた。良い週末だった気がする。さて、明日からも働くかぁ。

赤坂ラブリーバーのハロウィンパーティー~雛形ひろ子ちゃん登場!

雛形ひろ子ちゃん引退の衝撃から早3ヶ月。上野や池袋の劇場に行くたびに彼女のステージを思い出して涙ぐんだり、近所のスナックのカラオケで泣きながらクレイジーケンバンドの曲を歌う日々だった。たまにひろ子ちゃんに差し入れていた、スタバのアフォガートフラペチーノ(シロップ少なめ)を飲んで、虚空に「ひろ子」の字を書いていた。そんな「みんな、推しの引退にどう向き合ってるんだろう」と思い始めた頃でした。

「イベントやります♪みんなでパーティーしましょ♪」というTwitterでのお知らせが駆け巡った。お酒とダンスショーを楽しめる赤坂ラブリーバーにて、ハロウィンパーティーをするという趣向らしい。

「ひろ子ちゃんに逢える・・!?」感慨深すぎて、言葉を失った。Twitterの「いいね」をするのが必死で、とてもつぶやけなかった。人って、嬉しいのと驚くのがピークを超えるとフリーズするようです。

10月26日、土曜日開催だったけれど、社畜月間のため、18時半スタートの最初からは行けないことは分かっていた。それでも、21時ラストの5分前だろうと、一目逢えればそれでよかった。とにかく「行くこと」が応援になるということは、ストリップ通いから学んだたくさんのことのひとつだ。1人でも多くのお客さんが入ることが、次のステージにつながる可能性があるからだ。

サタデーナイトでにぎわう赤坂の夜を走り抜けて、20時ごろラブリーバーへ。「会員制」の札がかかった店内に入った瞬間、熱気が伝わる。チナツさん、早瀬みなさん、そしてひときわ輝いて見えるひろ子ちゃんがステージにいた。すでに涙と蒸気で目の前が曇っていたけれど、ひろ子ちゃんが「まーやさん!」と声をかけてくれたのが分かった。ハロウィン衣装として、シルバーのマント姿だった。

「来てくれて、ありがとう!うれしいよ!」と歓迎してくれる彼女に、「遅くなってごめんね、元気そうでよかった、逢えてうれしい」と声を絞り出した。「何飲む?水割りでいいかな?」とひろ子ちゃんがドリンクを用意してくれた。ステージの合間のビール販売でプルタブを空けてくれるシアター上野を思い出した。みんなで乾杯した。

落ち着いて店内を見ると、ざっと30人以上はいそうだった。入れ替わりもあっただろうから、実際はもっともっと来ていただろう。池袋ミカド劇場の引退週や、その前の上野ラスト週、はたまた違う劇場で見かけたことのある人が多かった。スト客の方々との飲み会は初めてだったけれど、みんな優しく、笑顔が素敵だった。「劇場ではいつも横並びだから、向かいあうのは新鮮です」なんて感想を話した。

f:id:sakariba:20191105222916j:image※写真掲載了承いただきました

20時を少し過ぎたころ、稲さんが息を切らして入店してきた。熱心なひろ子ちゃんファンで、よくかぶりつき席で隣り合った。一時期はお互いシアター上野に住んでいるんじゃないかと思うくらい、一緒になることが多かった。(その後、家が超近所ということが判明した)

「よく来てくれたね!」とひろ子ちゃんが迎え入れてくれ、稲さんも感無量のようだった。分かる、分かるよ。私もほんの10分前同じ気持ちだったよ――。

一通り落ち着いた稲さんと乾杯し、「久しぶりだね。引退以来だね」と互いの無事を確認した。「あれから、ひろ子ちゃんロスで、劇場に行けてなくて。特に上野や池袋にはしばらく行けそうにない。車で、クレイジーケンバンドや踊っていた曲をエンドレスで聴いている」私もロスの落ち込みが激しかったが、稲さんはもっと深刻そうだった。

この日のために大阪から駆け付けた「おいちゃん」、いつもオープンラストで頑張っていたタンバさん、池袋で見たことのある金髪のお兄さん、よく過激な写真リクエストをしていたリーマンのお兄さん、引退式で号泣していたお兄さん、みんな色々抱えながら今日を迎えたのだろう。

ひろ子ちゃんは、持ち前の明るさとサービス精神で、その一人ひとりをもてなした。「お代わりいる?」「最近元気だった?」と隅々まで声をかけていた。こんな風にお客さんを大事にする踊り子さんだから、お客さんに愛され、引退後もこうやってみんな集まる。願わくば、今後もこんな風に表舞台に出てくれると嬉しい。次こそ最初から行く。

21時を過ぎても盛り上がりが落ち着くことはなく、21時半まで急遽延長されることになった。恐る恐る、ひろ子ちゃんに「写真一緒に撮ってもいい?」と尋ねて、「もちろんいいよ!」と快諾してもらえた。「1枚いくら?千円でいい?」と聞いてしまうのがスト客の性である。「お金いらないよ笑」と笑われた。みんなで写真を撮って、ひろ子ちゃんに思い思いのチップを渡した。

稲さんは迷わず諭吉。劇場でもいつも男前なチップを弾んでいたのを思い出した。「さすがだね」と言うと「3ヶ月も逢えなかったんだよ、当然だよ。もし劇場に行っていたら、入場料や写真、チップ毎回払うでしょ。月10万円として、30万円も浮いたんだよ。渡せる機会があるならいくらだって出す」とイケメンすぎるアンサーをもらった。本当さすが。

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21時半すぎ、ダンサー3人による挨拶がなされ、「次はいつになるかわからないけど、必ずまた企画します」というチナツさんの力強い言葉に安堵した。ひろ子ちゃんは「引退しても、このような場を与えてくれてうれしいです。来てくれて本当にありがとうございました。またお会いしましょう!」とコメントをした。

大きな拍手の後、フィナーレとしてチナツさんがサービスで踊ってくれた。(セクシーモンキーズのラスト曲らしい)チナツさんも早瀬さんもキレイで、優しく、素敵だった。

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会場を後にし、稲さんと打ち上げた。「またひろ子ちゃんに笑って逢える日まで頑張ろう」と誓い合った。稲さんは私よりずっと多忙で、夜勤も多いハードワーカーだ。割と近しい業界のため、これから年末、年度末になるにつれ、ますます忙しくなることが目に見えてわかっている。

生きるのが大変な時ほど、ひろ子ちゃんのステージは心にしみた。どんなに辛いことがあった日も、ひろ子ちゃんの太陽みたいな笑顔に救われてきた。劇場に行けない日でも、「今ひろ子ちゃん乗ってるんだな」と思うことで、もうちょっと頑張ろうと思えた。

私は浅草に帰り、80歳超えのママがやってるスナックで深夜まで歌った。次にひろ子ちゃんを囲める日を待ち遠しく思った。やっぱり少し泣いた。泣くのは一人の時だけでいい。

大和ミュージック9月中〜南美光さん10周年&かすみ玲ちゃんを追いかけて

自宅の最寄りが御徒町駅で、台風で電車が止まろうがシアター上野と浅草ロック座に歩いていける生活にかなり満足しているけど、神奈川県にある大和ミュージックがちょっと遠いことには不満がある。この世の文化と風俗はたいてい上野界隈で充足できるけど、大和ならではのアットホームな団欒はなかなか得られないからだ。

だから、横浜まで出て相鉄線快速・急行で行きます、大和ミュージック。この時ばかりは横浜に住みたい。なぜ行くのか、大和。だって、推しのかすみ玲ちゃんが乗ってるからね。それに、18時すぎたらビール呑む姿も見られるし!(好きな娘が気持ちよく脱いで、美味しそうに呑むって最高じゃない?)

f:id:sakariba:20190918233045j:imageいつ見ても渋いぜ、純喫茶フロリダ。

f:id:sakariba:20190918233106j:image仄暗い商店街。よく見たら「南店街」。

今回は6日目の1回目から4回目まで行きました。1回目は通常シングル、2回目以降はダブル。

かすみ玲ちゃんは3個出しで、ちょっと前の新作と、2016年ごろの作品2つ。特にタイトルはないようなので、便宜上、①レザー→デニムで洋楽ポップ、②チャイナ新宝島で邦楽ポップ、③ディスコティック★ラブコリーダとメモ。

①は今週で出し納めらしい。衣装が超可愛いので必見。ピンクのバラの飾りがついたリトルドレスに、黒のレザージャケットを合わせた格好良さ!からのEDWINのデニムを継ぎ接ぎしたビキニスタイル。朝の一発目からダンサブルに踊る玲ちゃんにテンション上がります。(大抵前日は呑んだくれてるのに二日酔いはないらしい。投光さんがオープン時に「昨夜の酒は抜けましたか?」とアナウンス。玲ちゃんは「まだ昼だぁ!あと6時間呑めない~~」と叫ぶ)

②舞台美術が凝ってて、中華風のお花の傘2本と、天井から吊り下げた2本のオーガンジーが幻想的。花道が短い蕨ではできない演目。これまた衣装が素晴らしくて、チャイナにツーサイドアップの髪型が新鮮!選曲もノリノリなポップソングなのでアイドルみたいなステージ。「年に1回くらいアイドルっぽいことやるよ~」とのこと。(ポラで「アイドルっぽいポーズして!」とリクエストしたら、橋口美奈ねえさんポーズしてくれました)

③80年代のディスコティックな洋楽に始まる、玲ちゃんの体幹が冴えるクールなステージ。照明で光るギンギラギンのビキニとTバックが格好いい。あー、この脚に惚れちゃったんだよな・・、とウットリ。大和の長めの花道を、颯爽とモデル歩きする玲ちゃんは本当に格好いい。スローテンポになるベッドでも、ゆっくりと上げ下げする御御足を堪能。白い肌が色とりどりに染まり、闇のなかから空間を切り裂くようにパッと身体が花開く。大和の鮮やかな照明設備と、完璧な調光のタイミングに感謝。

3回目ステージ後のオープンでビール差し入れ!「18時過ぎたもんね~~」と投光さんにドヤ顔!ジョッキ一気飲みする姿が素敵でした。※ダブル進行で3回目が終わったら(18時頃)ビール解禁する玲ちゃんルールです。

 

そしてそして、先月は大変お世話になりました、南美光さんがめでたく10周年を迎えました!この周年作がね、気絶するほどエロくて良かった…!!

タイトルは特に決めてないそうですが、「船が沈没するやつ」「ひとりタイタニック」と仰ってました。1個出し。お披露目仕立てなのでネタバレは抑えめに、軽くレポ。

1曲目、和風な音楽とともに厳かに登場。麻の葉柄の着物でしっかり帯締めて、飾り帯も付けて、日本髪(ヘアピース)にゴージャスな簪をたくさん刺して、薄桜色のヴェールを頭上に掲げて、まるでどこぞのお姫様が御成するよう。前髪を眉下に短く揃えられて、センター分けにしているのがよく似合う。南美さんによる和モノの破壊力を思い知りました。踊りながら帯を解き、濃いピンクの伊達締めをくるくると解いていく。鮮やか!

2曲目は、海を連想させるアッパーな海賊ソング。ソイヤ!ソイヤ!ドラゴンボール神龍柄の法被に着替え、髪はポニーテール。黒のショートパンツにニーハイコーデが元気いっぱい。裸足で軽やかにステップを踏む南美さんを追いかけるのが楽しい。余談ですが、私は南美さんの「足音フェチ」なのですが、誰か分かってくれますかね…。「マンボ」の足音も良かったですね。

3曲目はガラリと変わり、しっとりとしたスローテンポ曲。伝説のアイドルによる切ない失恋ソング(1984年)で、モチーフはロスト・シップ。衣装はライトブルーのドレスで、幾重にもオーガンジーの飾りが付けられていて、広げた様は乙姫様。曲に合わせてひらりひらり。そして、情欲に苛まれる表情がいつも通り天下一品。誰にも真似できない南美さんの魅力のひとつ「濡れた瞳」と「歪む眉」を堪能できる。(もちろん笑顔も素敵なんですが、苦しそうなお顔が一層セクシーなのです)

ラストは、沈没した豪華客船の映画のテーマソングで壮大に締める。名物オナベッドで、性と死が濃厚に匂う壮絶なエンドを迎える。赤い唇で指を舐め回し、荒々しく乳房を揉みしだく。白い胸に紅の跡が灯る。そのまま指は秘所に伸び、ああ、2本を奥までずっぽり…!観ているとハラハラムラムラする、快楽に堕ちていく様が素晴らしいステージだった。エロスが擬人化したような人だ…。

南美さんのステージはいつも凝っているけど、この周年作の出来もすごいので、ぜひ観て欲しい。乙姫の誘惑に端を発した厳かな船出、明るい未来しか見えない愉快な航海、絡み合うリビドー、そして別れ・破滅・死を迎えるという、ひとつの舞台でここまで起伏のあるストーリーを作り上げる力に圧倒されました。

舞台後、南美さんに、写真の時ご挨拶したところ、「先月は上野とミカドでお世話になりました〜。あ!昨日ひろ子ちゃん楽屋挨拶来てくれたよ」と教えてくれた。思わぬひろ子ちゃん情報にびっくり!しっかり、先月の雛形ひろ子引退興行を支えた功労者・南美さんのもとに駆けつけるのが、義理堅いひろ子ちゃんらしい。泣ける。それを南美さんから聞けるのもありがたい。

南美さんの周年グッズは、紺色の扇子。トンボ柄で、「South Shine」と印字してある。

f:id:sakariba:20190918160720j:image場内が暑い劇場で使いたい扇子。

この日、南美さんの10周年祝いとして、シール職人・zaitaku兄さんの新作アイテム(ミニ写真集と写真引換券)が届いていると情報を得ていたため、「青森方面から届いてます?」と聞いたところ、「え、なんだろ?分かんない、まだ届いてないかも」との答え。

すると、2回目の写真タイムで「ありました!届いてたのに、自分が頼んでいたAmazonだと思って空けてなかった!言われなきゃ気づかなかったよ〜」と、ミニ写真集と写真引換券を無事ゲット。

「お腹出てる写真あるし、引換券アングラっぽくて怖いけどw」と笑いながら渡してくれました。いえいえ、南美さんの魅力をとらえた、とっても素敵な、ファン謹製周年グッズです。オープンで着ている真っ赤な10周年法被もプレゼントされたとか。よくお似合いでした!

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ほか省略してしまいますが、橋口美奈さんの柔らかい白肌を堪能したり、大和初めましての宇佐美なつさんのガチアイドルっぷりに驚嘆したり、いつも全力ぷりちーなアキラちゃんに筋肉デジお願いして笑われたり、オヤジキラーな坂上友香さんの笑顔に癒されたり、楽しませていただきました。

3回目のかすみ玲ちゃんのステージの後、売店のバーで、玲ちゃんとビールで乾杯。玲ちゃんは楽屋着で、呑みながら賄いを料理していた。前日にTSのママがすき焼き差し入れたそうで、その残りのお肉と野菜の炒め物でした。「悲報!茄子の皮が硬い」とか報告しながらちゃっちゃと手際よく料理、そして食事。2人目の橋口さんのステージ後、ダブル進行なので「写真いってきまぁす☆」とビール持ったまま消え、着替えてステージに再登場。自由だ…。

この日、バーは珍しくお客さんが少なく、隣り合ったお兄さんとスト談義。よく行く劇場の話なんかをしているうち、なんと同じ台東区から来ていることが分かった。まさか大和でご近所さんに会うなんて…と不思議なご縁。また会えるといいな。(ビールや栗きんとん、シンガポールのジャーキーごちそうさまでした)

写真を終えてバー戻ってきた玲ちゃんが「こんなんあったー」と10〜15年くらい前(玲ちゃんデビュー前後)の新宿TSミュージックのチラシの束を、どこからか見つけてきて、見せてくれた。ほとんどの踊り子さんは知らない方で、おそらく引退している方ばかり。ちらほら知っている方も。デビューして間もなさそうな山咲みみさん、さくらさん、KAERAさん(「かえら」名義)、栗鳥巣さん、鏡乃有栖さん、そして雛形ひろ子ちゃんの名!当時の売り文句は「窒息爆乳タッチショー」、今でも通用するね。チームショー「アップルパイ」も人気だったみたい。このチラシコレクション、とっても貴重な資料なので、大和ミュージックさんには是非保管していただきたい。(万が一に備えてスキャンと撮影も…)

玲ちゃんの次の予定がストナビに上がっていなかったので聞いたところ、「なんとぉ〜!ニュー道後ミュージックに25日間!」と教えてくれた。聞いてしまったら行かねばならぬ。2月に行ったばかりだけど、ちょうどクラウドファンディングのリターンの一日券も使えるし、どうせなら玲ちゃんが乗ってる時に使いたいので、翌日に速攻旅程決めました。仕事が入らない限り、10月5日(土)観劇予定。道後の皆さま、どうぞよろしく。

motion-gallery.net

↑クラファンもよろしく!一定額寄付すれば名前を壁に書いてもらえるよ。もちろん私も書かれるw

sakariba.hatenablog.com

スト漬けの一日を終え、相鉄線を揺られて上野に帰る。やっぱり好きだ、大和。ありがとうございました。

川崎ロック座9月頭~エアリアルチームショー「WAサーカス」

9月10日、川崎ロック座の千穐楽に行った。本当はもっと早く行きたかったんですが、出張のため後手後手に。牧野れいなさんの2周年&若林美保さんと秋月穂乃果さんのチームショーは見逃せないため、仕事もソコソコに川崎入りし、3回目から観劇。

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3回目はダブル進行で、美らかのんさん「デビュー作」、牧野れいなさん「朧(周年作)」、秋月穂乃果さん「ぽにょ」、若林美保さん「月」、桃瀬れなさん「蛍」、荒木まいさん「ふるさと」の演目。

穂乃果さんはいつ拝見しても地に足の着いていない可憐さ(褒めてます)で、お伽話の住人みたい。こないだ乗ってた浅草ロック座「Lovers」も新境地で格好良かったな。

ワカミホは新年のデラカブ以来で、2月に主演映画「プレイルーム」観たおかげで、久々にナマのご本人観てドキドキしちゃった。

playroom.p-kraft.com

団鬼六の小説のヒロインのような、翳りのある美しさ。縛ってなくてもSMの薫り漂う色っぽいおねえさんです。「月」の衣装、中華襟のレオタードがよく似合っていた。動きや目線の置き方がとっても丁寧なので、1秒たりとも目が離せない。怪しげな照明もピッタリだった。

f:id:sakariba:20190911144657j:imageワカミホ「プレイルーム」Tシャツ着て準備バッチリな筆者。

さて、見所は前代未聞のチームショー「WAサーカス」!観る前は「和」?「輪」?と考えていたんですが、答えは「若林」のWと「秋月」のAでした。

現役踊り子さんのなかでも特にエアリアル技術の高さで知られるお2人夢の共演。どちらもラブ♡な私得の企画です。以下、楽日4回目(通常進行)の感想です。

*ネタバレあります。記述に問題があればご連絡ください。

 

♪1曲目〜チームダンス

板付スタート。舞台天井には1本の長い白いシルクが吊られている。床に垂れた左右のシルクを毛布代わりに、2匹の猫が眠っている。キュートな白猫・穂乃果さん、セクシーな黒猫・ワカミホ。ピッタリとしたボディタイツの上に、それぞれ白と黒の下着を付けている。軽快な音楽とともに猫たちは目を覚まし、シルクを使って舞台で遊び始める。サーカスがはじまる!もうね、画がすごい。にゃんこポーズをする2人の破壊力たるや!きゃわわ!

 

♪2曲目〜チームエアリアル

白猫と黒猫は、1本のシルクを器用に分け合って登り、お互いの身体を支えながら、シルクの上下や左右を軽快に飛び回る。最初に、黒猫が白猫の脚を持って宙に放った時、白猫は完全に身体を預けていて、勢いよく回った。互いに信頼していないとできない動き。川崎はそこまで天井が高いわけではないし、エアリアル時の舞台幅がものすごく広いわけではないので、空間ギリギリを攻める動きの連続を、息を飲んで見守ってしまう。難易度の高い技が次々に繰り出され、その多くを2人が「手をつないで」いたのが感動的だった。涙が出る。

 

♪3曲目〜ワカミホ ソロダンス・ベッド(4曲目かも?飛ばしてたらすみません)

白猫が一旦ハケ、黒猫のソロ。ゆったりと下着を脱ぎ、赤いボディタイツのみに。タイツのお股部分に穴が空いていてセクシー。シルクで空中浮遊をして、盆に移動。タイツの上半身を脱いだ状態でソロベッド。ワカミホの鍛え上げられた肉体美がまぶしく、特に僧帽筋三角筋の躍動に惚れ惚れ。豊かなおっぱいも大胸筋に支えられてツンと上向き。同じ女性として尊敬する身体。どうやったら維持できるんですか・・あんなにラーメン食べまくってるのに!

 

♪4曲目〜穂乃果 ソロダン

穂乃果さんのソロ。猫耳を外し、ピンクのボディタイツに着替え、青いフード付きの衣装を羽織り、髪の毛をおろし、黄色い縄紐を持っている。「引っこ抜かれて食べられる」ゲームの歌でコミカルにダンス。脚立で天井に赤いロープ(脚をかけるタイプ)を設置し、見事なエアリアルを披露。空中にいる穂乃果さんは、まるで重力など感じていないかのように優雅に微笑むので天女みたい。ステージにシルクとロープが並ぶ光景が贅沢。

 

♪5曲目~穂乃果 ソロベッド

アニメ版「少女革命ウテナ」の名曲(豆知識ですが、一定の年代の女性はこの曲を聴くと泣きます)。この曲は「女性ふたり」が潔くかっこよく生きていく応援歌のようなもので、チームショーにふさわしい選曲。ワカミホがウテナで、アンジーが穂乃果さんかな・・。盆で観客参加型の縄跳び(まわしながら飛ぶ)をし、然る後にすばやく自縛!脚で支えながら縄鎖をつくって、そのまま縄を使ってポーズ。穂乃果さん、細いんですけど相当鍛えていて、やはり上半身の筋肉が見所。回転盆での高速ポーズ切りはもはや名人芸!

 

♪6曲目~チームベッド

映画「ボヘミアン・ラプソディ」でも愛された名曲。ノリノリのロックサウンドでテンポ良く踊る。「WAサーカス」のチーム名にふさわしく、サーカスの曲芸のように常人離れした柔軟性を魅せる。言葉では表しづらいんですが、ダブルL/ダブルしゃちほこ/ダブル脚上げ/穂乃果さんが片脚をワカミホに載せ、片脚を持たれた逆立ち状態でポーズ/穂乃香さんとワカミホが背中を合わせ、ワカミホ側に身体を載せた状態でV等。観たことのない、というか難しすぎて出来ない技ばかりで、呆然としてしまった。すごいのは、単に技術が高いだけじゃなくてとっても美しくエロい♡こと。かつ2人がものすごく楽しそうなのが良かった。今週だけじゃなく、また観たい!と強く思いました。大変だと思うのですが、ぜひ。はー、良かった。ブラボー!

 

今回のチームショーにあたり、ワカミホは「ストリップで誰もやったことのないことをやりたい」とブログで決意表明していた。何度も深夜のレッスンを重ね、本番中も試行錯誤を繰り返していたみたい。そのおかげで、ぶっ飛ぶくらい最高なチームショーが完成した。エアリアルのさらなる可能性を感じたよね。つくづく、2人のプロ意識や向上心、サービス精神に拍手です。

ポラ着のチームショー用お揃いの前掛けも素敵だった。「魅惑のストリップショウ」と書かれた特別製。「WAサーカス」用シールもバラエティ豊富で、シール職人さんたちにも感謝です。

ラストのオープンも楽しく、元気に、エロく!空中戦・地上戦ともに挑戦し続けた10日間、おつかれさまでした♡

久々の更新。お久しぶりです

更新さぼっていて、間が空いてしまった。Twitterとインスタで日々のツイートをしていたので満足していたのと、3ヶ月ほど鬱々としていて書く気になれなかったのだ。久々の鬱の波はかなり手強かったが、どうにか生還した。

一日12時間以上寝て、仕事もさぼりまくり、生産的なことは何もしなかった。唯一、いつも通りのアート鑑賞をして、あとはストリップ劇場に通っていた。

朝7時半に起きるもベッドから出られず、ようやく10時くらいに起きあがって、お昼の公演に行ったり、なんとか仕事に行った日は夕方から公演に行っていて、起きている間はだいたい女性の裸体を見ていた記憶しかない。ギリギリ休職はしなかった。

なんでこんなに通っていたのか説明できないけれど、好きな踊り子さんの一人が8月末で引退することもあって「とにかく劇場に行こう」という気になっていた。きれいだなぁ、やさしいなぁ、すごいなぁ、と毎回感動し、女の子たちに元気をもらった。最近はほとんど元のように戻ったので、ストリップのおかげで癒やされた気がする。

「カネが尽きるまで、毎日ストリップに行きたい」というのは、かねてよりの夢だった。(おかげでほんとに金欠)

通ってて気づいたのは、闘病中の私と同じように、なんとなく社会に居場所のない人たちが劇場に多いことだった。元気な時はロック座系列の劇場に行くことが多かったが、最近はめっきりそれ以外に行っていた。家から近いシアター上野、日本一小さい蕨ミニ劇場、名画座ついでに行ける池袋ミカド劇場。浅草や川崎や横浜も行くけど、なんとなくTS系の方が客層が合っていた。偏見だが、ロック座系列より、TS系の方が、変わったお客さんが多い傾向がある気がする。というか、ロック座だと怒られるよ!というような自由な振る舞いをする人たちがちらほらいるからか。酒飲みながら場内で踊ったり、ポラで無茶ぶりして踊り子を困らせたり、応援のためステージ中に叫んだり、興奮のあまり脱ごうとしたり。

弱い立場の人も多かった。心配するほどぷるぷる震えているご高齢の方や、ホスピス抜け出してきたみたいに死にそうな人、ちょっと知的にボーダーな人、ボロボロの服装とベタベタの髪の毛をしていて生活を保護されていそうな人。精神安定剤飲んでフラフラな私もそうだ。まともな人だけじゃない空間の居心地が妙によくって、落ち着いた。入場料さえ払えば誰でも平等な、暗くて古くていかがわしい劇場が優しかった。みんな他人に興味がなく、目の前の裸体を通じて時間を共有していた。

踊り子さんもベテランが多いので、客あしらいが上手く、懐っこく、心のこもったあたたかい対応をする人が多かった。女性客にサービスしてくれる踊り子さんもいて、踊りながら手を差し伸べてくれたり、オープンしながら話しかけてくれたり、手を握ってくれたりした。なかでも、シアター上野では雛形ひろ子さんの慈愛に魅了された。精緻に計算された大人なステージとはうらはらに笑顔が可愛く、礼儀正しく、サービス精神が旺盛だった。(2019年8月末に引退)

同じ劇場に通っているうちに劇場のスタッフやお客さんに覚えられ、「いつデビューするの?うちの劇場専属にならない?」なんてお世辞を言ってくれる人もいた。ちょっと本気で考えた。

 8月結のミカド劇場で、あるお客さんに「”盛り場放浪記”の人ですか?」と話しかけられ、とても驚いた。独り言ブログを覚えていてくれて、数少ない著者近影を見てくれていた人がいたとは思わなかった。「読者です。応援しています。」と言ってもらえ、嬉しかった。まさかストリップ劇場で読者1号に出会うとは思わなかったけど、また書きはじめるかーと思うきっかけになった。その節はありがとうございました。

日付を遡りながら、ちょっとずつ更新再開していきます。